はじめに
SimpliVityとは、Hewlett Packard Enterprise社(以下HPE社)の提供するハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)製品です。HPE SimpliVity は独⾃のビルトインバックアップ機能により、仮想化ワークロードの保護も提供しておりますが、SimpliVity ユーザーの中には、上記の標準機能に加え、オンプレミス、クラウド環境の統合バックアップ、テープへのオフサイトアーカイブ、より粒度の⾼いリストアなどの補⾜機能を求める声もあります。
そのような声にお応えし、HPE社とVeritas社にてSimpliVity環境の仮想化ワークロードをNetBackupで保護する検証を実施しました。
本記事では、Veritas NetBackupを用いて、HPE SimpliVity環境下のデータを保護する際に留意すべき要因とともに、さまざまなユースケースでそれらの機能を使⽤するタイミングと⽅法についてのベストプラクティスや推奨事項を紹介していきます。
今回は第一弾として、性能検証の結果を公開いたします。
次回はユースケースの紹介と共にホワイトペーパーを公開いたしますので、ぜひダウンロードして内容をご確認ください!
検証環境
以下の環境において、仮想マシンのバックアップ(VADP)の性能検証を行いました。
3ノード環境のSimpliVityクラスタ上に、約50GBの仮想マシンを各ノードに4VMずつ用意し、以下のパターンのバックアップのスループットを比較します。
① SimpliVity 1ノードのバックアップ(1VM→2VM→3VM→4VM)
② SimpliVity 2ノードのバックアップ(2VM→4VM→6VM→8VM)
③ SimpliVity 3ノードのバックアップ(3VM→6VM→9VM→12VM)
NetBackupの特長的な機能の1つである"アクセラレータ"を有効にし、2回目以降は非常に高速なフルバックアップが期待できます。
検証結果と考察
※ 検証結果に関しては、環境固有のものであり、あらゆる環境で同等の動作や性能を保証するものではないことにご注意ください。
※ 本記事の第二弾公開と共に配布予定のホワイトペーパーには、より詳細な数値を記載しておりますので、ぜひご確認ください。
今回の検証は、SimpliVityから仮想マシンをバックアップしてくるネットワークが1Gbpsのため、ボトルネックはネットワーク帯域にあります。
しかしながら、SimpliVityのハードウェアベースの重複排除技術と、NetBackupのアクセラレータ技術によって、1Gbpsの帯域でも十分に高速なバックアップを実現できることを証明しました。
初回のフルバックアップでは、SimpliVityのノードあたりでバックアップする仮想マシンの数を増やし、バックアップジョブの多重度をあげるほど、全体のスループットが向上しています。今回の検証ではネットワーク帯域にボトルネックが生じているため、ノードあたり2VM~3VMで頭打ちになっていますが、同時にバックアップするノード数を増やせば増やすほど、全体のバックアップスループットが段階的に上がっていくことを確認できます。
*今回の検証ではほとんど変更がない状態で2回目のフルバックアップを取得しています。
2回目以降のフルバックアップでは、NetBackupのアクセラレータ機能が非常に効果的でフルバックアップの高速化を実現しています。
アクセラレータについて簡単に解説をすると、変更ブロックだけをバックアップし、重複排除し、NetBackup側で過去のバックアップイメージと組み合わせた仮想合成フルバックアップを作ってくれる、非常に優れた機能です。ホワイトペーパーでも機能解説をしておりますので、ご存知のない方は一読頂けますと幸いです。
結果の考察に戻ります。
まず、ノードあたりのバックアップを確認すると、バックアップする仮想マシンの数を増やすほど、多重度が増し、スループットが向上していきます。さらに、ノード数も増やせば増やすほど、バックアップ全体の多重度が増し、合計のスループットが大きく向上しています。今回の検証環境だと、ノードあたり4VMで3ノード構成のため、最大12VMを、同時に12多重でバックアップしていますが、頭打ちにはなっておらず、まだまだ余力があることを読み取れます。
ネットワーク帯域としては1Gbpsですが、NetBackupのアクセラレータ技術によって、変更ブロックのバックアップのみでフルバックアップ分(今回だと50GBの仮想マシン)をバックアップしたことになるため、見かけのスループットは非常に高速にです。
SimpliVityは標準で重複排除されたデータを保持しているため、バックアップする際に、重複排除を紐解き、実データにした上で、NetBackupの重複排除エンジンを使って、再度重複排除をし、バックアップをしてきます。本来、重複排除の紐解きには、それなりの時間を要し、パフォーマンス劣化も起こりがちですが、SimpliVityの場合はハードウェアベースの重複排除技術のため、重複排除の紐解きを感じさせないほど高速で、性能劣化もなくバックアップの実行ができました。
繰り返しになりますが、SimpliVityのハードウェアベースの重複排除技術と、NetBackupのアクセラレータ技術によって、仮想化環境のワークロードを非常に高速にバックアップすることができるという結果になりました。
おわりに
次回はSimpliVity環境において、NetBackupが必要になるシーンをユースケースごとに紹介致します。
また、今回の検証結果も含めたホワイトペーパーを公開予定です!
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