この記事はこちらの続きです。
使用するパソコンの特徴は違う
パソコンをプログラムを作って作曲して絵を描いているとよく「どれも1台のパソコンで出来るのだから安くんでいいよね」と思われる事がありますが実際はそうではありません。
現にプログラムと作曲と絵を描くパソコンはそれぞれ別々に所持しており管理が非常に面倒です。
なぜ1台のパソコンで完結させないのかを簡単に説明すると、 それぞれに求める性能が異なる ためです。
プログラムを作るためのパソコン
プログラムを作る環境をよりよくするためにコンピュータを買い換えるとしたら何を重視しますか?
自分の場合は
- CPUの性能
- 静かなこと(プログラムに集中したい)
- キーボードが打ちやすいこと
価格を考えなければこんなところでしょうか?
絵を描くためのパソコン
絵を描くパソコンはこんなところを重視しています
- 筆圧対応タブレットPCであること
- 自分が使用する筆圧対応アプリの対応OSであること
- sRGB値が可能な限り高いこと
これも価格は考えていません
映像を作るためのパソコン
絵と分離させて性能を書くと
- CPU性能が良い物(エンコード時間の短縮)
- メモリ 32Gは欲しい(制作中のメモリ不足回避)
- GPU 性能が良い物でメモリ 4Gは最低欲しい
- sRGB値が高く、残像がない表示
- メディアも高速かつ大容量が理想(素材映像がたくさんある)
音楽を作るためのパソコン
- 静かなこと(作曲の邪魔)
- インターフェイスが充実しているもの
- 標準音源に余計な機能がないもの
家庭向けPCの多くは音を良くみせようと変な効果が標準で乗ってるのも多いですがこれが非常に邪魔です。
ただこれはスペックではわからないですし、外部音源を使うのでそこまで慎重になる心配はありません。
あくまで 最終調整を一般向けPCを想定して行う 際に必要なだけです。
この条件を全て満たしていれば1台で全てが完結します。ですが・・・まあ価格を考えても無理でしょう。ただしそれぞれを満たす物は安く手に入るので複数台購入して制作しています。
#使用する周辺機器の違い
##プログラムを書くための周辺機器
マウス以外は意外と思いつきません。
絵を描くための周辺機器
- 筆圧に対応させるペン
- 左手デバイス
- スキャナとプリンタが付いた複合機
- タブレットを自分用に角度をつけるためのスタンド
映像を作るための周辺機器
- 左手デバイス
- ビデオキャプチャ
音楽を作るための周辺機器
- ASIO対応オーディオインターフェイス
- ミキサー
- ヘッドフォン
- 鍵盤(USBタイプ)
- 鍵盤(単体で発音するタイプ)
プログラムを作るためには周辺機器は不要で、意外にも音楽制作には様々な周辺機器が必要です。
左手デバイスというのはマウスを使わずにパラメータ調整や拡大縮小その他の操作が可能なデバイスです。
なくても作れますがマウス操作が複雑になります。
ペンをわざわざ書いたのはペンごとに書き心地が違うので種類を変えたりするためです。あとペン先が消耗品だったりします。
鍵盤が2種類あるのは1つは入力インターフェイスでもう1つは曲のイメージが思いついたときにさっと音を出すための鍵盤も必要なためです。
#使用するアプリの違い
##プログラムを書くためアプリ
- エディタ
- コンパイラ
- 外部ライブラリ
統合開発環境としてエディタとコンパイラが1つになったものもありますが、別々の物もありますね。価格は無料の物から20万超えのものまで様々です。
自分はDelphiとKotlinというどちらかというとマイナー系を使っています
絵を描くためアプリ
あまり知られていませんが実は大きく分けて「ベクター」と「ラスター」の2種類の系統があります。
ラスター
いわゆるピクセルを単位として描くソフトです。最初に解像度を指定して、そのキャンバス上に絵を描いていきます。当たり前ですがその解像度以上のピクセルは扱えません。
なんか当たり前のことを言っていますがそうではないのがベクターです
ベクター
解像度という指定はあくまで建前でそれ以上の解像度も扱えるのがベクターです。
割愛して説明するとピクセルではなく、直線や曲線の情報を扱って描画されるので解像度の変化に影響されません。
それならベクターで描けばいいじゃないと思いますが重いとかエフェクタとかの関係でそうはいきません。
世の中一般的にはラスターのソフトが主流です。
しかし自分はベクター派のため、ベクターで描きつつラスターに変換出来るアプリを使って描いています。
複数のソフトを使い分けるのも当たり前のため以外とアプリにお金がかかるかも知れません。
映像を作るためのアプリ
昔は高価なソフトが多かったのですが今や無料のでも十分すぎるぐらいの性能があります。
無料で有名どころとして
- AviUtl
- ゆっくりMovieMaker
- DaVinci Resolve
この辺でしょうか?
映像にセリフをつけてしゃべらせるには音声合成ソフトも必要です。
有名どころとして
- VOICEROID
- AI VOICE
- VOICEVOX
- CeVIO AIトーク
最近は無料のでも性能が良くなってきています
音楽を作るためのアプリ
DAWソフトが必須です
有名どころとして
- Cubase Pro (付属版から50,999円ぐらい)
- Studio One (10,590円ぐらい)
- FL Studio Signature(36,720円ぐらい)
意外と財布に優しくないですね
これ以外にこの音が欲しいという場合はプラグインとして購入することになります。
そして最近はボーカルをつけることも当たり前です
有料版の有名どころとして
- ボーカロイド(VOCALOID) (20,000円前後)
- CeVIO AIソング(30,000円ぐらい)
さいごに
結局、プログラムと画像や映像、音楽を作る環境を整えるとどれぐらいかかるの?となるのですが
- パソコン(プログラム用と映像制作) 198,000円
- パソコン(音楽制作) 128,000円
- タブレットPC(画像制作) 98,000円(中古)
パソコンで424,000円
周辺機器とソフトもこれぐらいかかっていますので全部で 80万といったところでしょうか?
さすがにここまでの事をしようとする人は居ないと思いますが同時に様々な事を手がけようとすると結構な金額になってしまいます。
ですがそれに見合うだけの成果物は出来ていますし経験値も増えましたので自分に投資したと思うことにしましょう。