今回は Qitta Conference 2024 Autumn の講演を聞き、その感想を書いていこうと思います。Qitta が主催するイベントの感想を Qiita に投稿するのは不思議な感覚ですが、暖かい目で見ていただけると幸いです。
目的
新しい事柄を知ることです。
私は入社半年なこともあり、IT 業界の実態に詳しくありません。なので、講演のタイトル一覧を見たとき特別何かに惹かれるということはありませんでしたが、技術・キャリア・マインドなどのジャンルを問わず、新たな気づきを得られることを期待してカンファレンスに参加しました。
講演内容は Qiita の公式 YouTube に上がっているので、ここでは内容の要約は最小限にし、感想メインで書いていきます。
Qiita Conference 2024 Autumn Day1
https://www.youtube.com/watch?v=jyjMyh6aKiY
Qiita Conference 2024 Autumn Day2
https://www.youtube.com/watch?v=nA08tp5BuI8
特に学びを得られた講演
全ての講演に学びがありました。今回記載するのはその中でも自分の経験と結びつけられてアウトプットの言語化ができたものだけに限定しています。(特にスキル系の)経験をもっと積められればまた違った感想が出てくるかもしれないので、今後もカンファレンスには参加したいと思いました。
Day1
大企業の人事業務を20年以上支えてきた「超巨大ソースコード」の保守改善を支える技術の数々
株式会社Works Human Intelligence 工藤雅人 氏
感想
数千行のコードからなるシステムに、新たな機能を追加するなどの保守運用をするために必要な技術を解説されています。保守担当者による、開発者に対する感謝の言葉が聞けて、私もこう言われるようになりたいと思いました。
機能の追加などを重ねていくとシステムはどんどん膨らんでいくので、どこかのタイミングでコードの統廃合のプロセスが必要になります。なので、プログラムの分割も含めてリファクタリングしたいと思いました。
今私がアサインされているプロジェクトでは、使われていないメソッドが書かれていたり同じコードが繰り返し使われていたり、品質が高いとは言えない状態です。機能単位など基準を以て適切にプログラムを分割することやソースコードを削減することを実践してみたいです。
EM、DevRel、技術広報、プリセールスエンジニア:技術×新たな挑戦で広がる働き方
株式会社セールスフォース・ジャパン 山本学 氏
感想
技術を軸にして生きていく方法を解説されています。技術の組み合わせで市場価値を発揮したい・そういうキャリアを歩みたい人にとってためになる講演だと思いました。
仕事の中で新しい技術に挑戦している最中はその技術に対して未成熟であると言えます。なので、チームの中では過去に身につけた技術で貢献すると良いそうです。そうなると、新しいものに手を伸ばす前に、今扱っている技術をしっかり身につける必要があると考えました。
新しいことに挑戦するときは、その粒度を把握すると良いと思いました。例えば、「EM → DevRel」は職種の中の変更であり、「フロントエンドエンジニア → インフラエンジニア」はエンジニアの中の変更であり、「Python → Java」はバックエンド言語の中の変更と言えます。このような粒度を捉えることはキャリア形成の参考になるかもしれません。
東京都知事選出馬!安野さんと考える『キャリアの転機と意思決定の思考法』
合同会社機械経営代表、AIエンジニア、起業家、SF作家 安野貴博 氏
感想
安野さんは、講義の実況をSNSでやっていることや、シリコンバレーでたくさん会社が立っていることを見て、やりたいことを見つけ行動しています。そのアウトプットのフォーマットとして起業やSF小説執筆などがあるそうです。この行動力の要因はやりたいことを発想する能力だと思っていて、それを身につけた方法やきっかけがあれば深掘りして聞いてみたかったです。
エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案
株式会社べリサーブ 松木晋佑 氏
感想
エンジニアに求められるスキルには、テクニカルスキル・ヒューマンスキル(対人関係能力)・コンセプチュアルスキル(概念化能力)があり、テクニカルスキルを土台にしてその上にヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルがあるようにイメージだそうです。役割が異なると、それぞれのスキルの割合が異なるような印象を受けました。
私は技術的なものが好きなので、テクニカルスキルの比重が高いテックリードの道に興味がありますが、年次が上がるとマネジメントが求められると同期から教わりました。自分がどのキャリアを歩むにせよ、役割ごとに3つのスキルとその比重は意識したほうがいいと思いました。
探索型キャリア設計では、市場の変化に応じて身につけるスキルや知識を選択していくことが重要です。これから伸びるであろうモダンなスキルを習得することは夢がありますが、私の場合スタンダードな技術(DockerやAWSなど)すら身に付いていないので、まずは市場で通用するスキルセットを整えようと思います。
Day2
エンジニア創業者が語る、ユーザー中心のプロダクトづくり
株式会社microCMS 柴田和祈 氏
感想
プロダクトを開発するときの様々な戦略を解説しています。今私が携わっているのは toB のシステム開発なので、toC のプロダクトで必要になる点は全て新鮮なものに感じました。
基本無料にして入口を広く取り、ユーザーが必要に感じたら課金するという流れはスマホのゲームに似ていると思いました。確かに最初から有料のサービスは今時抵抗を感じますね。
私も何かしら開発することに興味があり、それに必要なスキルセットを習得中です。有料プランを設定するときは、指標となるバリューメトリクスが必要にあることは今後参考になると思いました。
グローバルテック企業から学ぶ、生成AI×開発生産性・開発者体験の最先端と未来
ファインディ株式会社 稲葉将一 氏
感想
DPE Summit 2024 で登壇した Google、Microsoft、Atlassian が各々の企業で行なっている、開発生産性の可視化について解説しています。どの企業も何らかのフレームワークで開発生産性を定量的に評価しています。そして、生成AIの登場によってこのフレームワークをどう変化させるか、させないかといった考えを知れます。AIを使って効率的に開発生産性を評価する内容というよりは、AIによってどうフレームワークが変化するかといった内容でした。
確かに ChatGPT などの生成AIのお陰で機能開発の時間は大幅に短縮できていますし、これがなかったら私は大学院を卒業できなかっただろうと思うぐらい、お世話になっています。しかし、命令が複雑になると生成AIでも解決できないことは普通にあります。なので、エンジニアを評価するときに本人のコーディングスキルやパフォーマンスは指標に残っていて欲しいと思いました。
リモートワークでもチーム力を活かして開発:コネクテッドカーソリューションをAWSサーバレスで実現した舞台裏
NECソリューションイノベータ株式会社 志田隼人 氏
感想
コネクテッドカーソリューションを提供するためにAWSサーバレスを用いたことと、その裏側のメンバー間コミュニケーションのことに関する内容です。AWSかコミュニケーションか、人によっては興味がわかれそうな講演だと思いました。
私はメンバー間コミュニケーションの方を興味深いと感じました。リモートワークだと通勤時間がないことや最適なデスク環境で仕事ができるなどのメリットがありますが、一方でコミュニケーションがしづらいというデメリットもあります。何となく文面での質問はしづらいと感じていましたが、よく知らない技術について質問するのにその疑問を言語化することにコストを感じていたのだと自覚しました。私に部下ができてPJにアサインされたら、講演にあったように、小さなサンプルを作成してもらって、PJで使用しているツールの用語を知ってもらうようにしたいです。
同時に、対面や通話でのコミュニケーションのほうが楽だとも思いました。メンバー1人1人に応じた対策を講じていきたいですね。
異色のキャリアを経てグローバルベンチャーに入ったふたりが学んだ、日本と世界をつなぐ視点
Vercel Inc.エンジニア / 『FACTFULNESS』(日経BP)共訳者 上杉周作 氏
Vercel Inc.APJ カスタマーサクセスチームリーダー 石原ニコラス 氏
感想
Vercel 社の2人による、異色のキャリアを経て得られた視点を共有する内容でした。2人ともなかなか濃い経験をされていて興味深かったです。
「友人から声がかかった」「Vercelと運命的な出会いをした」など、さも偶然キャリアができたように話されていましたが、その背景には自分から行動したことがあると思います。Day1 の安野さんもそうですが、成功している人は主体的に動いているという共通点があると考えられます。機会を得られたのが偶然にしても、積極的に動くことでその偶然が起きる確率を上げられるのかなと思いました。