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【Vket Cloud】デバッグモードで使える機能一覧

Last updated at Posted at 2024-06-03

デバッグモードについて

デバッグモードには、開発者が効率的に作業を進めるための便利な機能が多く含まれています。本記事では、各デバッグモードについて詳しく解説します。

本記事は、VR法人HIKKYのorganization下のQiita/Zenn両方に投稿しております。

本記事に掲載されている情報はVketCloudSDK12.3.4のものです。
バージョンにより見た目や表示情報が変化する場合がございます。

BasicSettings - デバッグモードの有効化

デバッグモードはBasicSettingsオブジェクトが持つBaseSettingコンポーネントにある、「デバッグモード」の項目にチェックマークを入れた状態でビルドすることで有効になります。
image.png

デバッグモードを有効にしたままビルドをすることで、画面上部にステータスが表示されます。
image.png

ステータスについては(こちらの記事)で解説します。

また、F2~F8の各キーを押すことでデバッグ機能を使うことが可能になります。

F2 インフォメーション表示

画面右半分にステータスやUIについての情報を表示するインフォメーションUIを表示します。

Mainタブ

image.png
GPUメモリ使用量やドローコールを確認することが可能です。
Video Memory DrawCallの文字をクリックすることで、各カテゴリの項目を展開し閲覧することが可能です。

項目 説明
Video Memory
Texture ワールドオブジェクトによるテクスチャによるメモリ使用量です。
Compressed Texture ワールドオブジェクトの圧縮テクスチャによるメモリ使用量です。
Text Texture ワールドオブジェクトにて、テキストを表示するためのテクスチャによるメモリ使用量です。
RenderTarget レンダリングによるメモリ使用量です。
VertexBuffuer 頂点バッファによるメモリ使用量です。
IndexBuffer インデックスバッファによるメモリ使用量です。
GUI Texture GUIのテクスチャによるメモリ使用量です。
GUI Compressed Texture GUIの圧縮テクスチャによるメモリ使用量です。
GUI Text Texture GUIのテキストを表示するためのテクスチャによるメモリ使用量です。
Draw Call
Scene ワールドオブジェクトによるドローコール数です。
GUI GUIによるドローコール数です。

Spriteタブ

image.png
Canvasの持つGUI要素の一覧です。

項目 説明
Layer 所属するレイヤー層の名称です。
Type GUI要素のタイプです。
Image:画像です。
Button:クリックすることで動作するボタンです。
Text:テキストです。
Slider:UIを移動させるスライダーです。
html:HTML要素です。
Name GUI要素の名称です。
X GUI要素のX座標位置です。
Y GUI要素のY座標位置です。
Z GUI要素の表示順序です。Zが大きいほど優先して表示されます。
Left GUI要素の画面左端からの距離です。
Top GUI要素の画面上端からの距離です。
Width GUI要素の横幅の長さです。
Height GUI要素の縦幅の長さです。
PivotX GUI要素の横方向のピボット位置です。
PivotY GUI要素の縦方向のピボット位置です。
Anchor GUI要素のアンカー(基準点)です。
LT:左上 CT:中央上 RT:右上
LM:左中央 CM:中心 RM:右中央
LB:左下 CB:中央下 RB:右下

Textureタブ

image.png
使用されているテクスチャの一覧を確認することができます。

項目 説明
Type 画像がどこで使用されているかです。
Name 画像のrelease/dataディレクトリ以下の場所と名称です。
Width 画像の横サイズです。
Height 画像の縦サイズです。

Renderingタブ

image.png
レンダリング設定を変更することができます。

BloomとSSAOはRenderingSettingsでそれぞれ有効にしていない場合は表示されません。
image.png
↑BloomとSSAOが表示されていないRenderingタブ

Lighting

image.png

項目 説明
Light Intensity ライトの強度を変更できます。
Lightmap Intensity ライトマップの強度を変更できます。

image.png
ライト強度を強くした例

Shadow

image.png

項目 説明
Bias 丸影の表示高さです。
大きいほど高い位置に表示されます。
動的影表示状態の場合、動的影表示下限の位置を調整します。
AreaSize 動的影が鮮明に表示される範囲です。
単位はmで、1mはScale(1,1,1)のUnity標準のCubeの一片の長さと同じです。
FadeSize 動的影が鮮明に描画される範囲を出た際、徐々に表示が薄くなっていく範囲です。
単位はmです。

image.png
徐々に薄くなる動的影

Bloom

image.png

項目 説明
Threshold Bloomの閾値です。
Intensity Bloomの強さです。

image.png
Bloomを強くした、光るVketちゃん

LightScattering

光散乱(ライトスキャタリング)による簡易的なライティング表現の変更が可能です。

image.png

項目 説明
Use LightScatteringの有効/無効を切り替えます。
BetaR スキャタリングの強度です。
大きいほどスキャタリングがワールドに与える影響が大きくなります。
BetaM スキャタリングの指向性です。
大きいほどぼやけた感じになります。
G スキャタリングの重力設定です。
大きいほど遠くが青くかすんだような感じになります。
Distance スキャタリング距離です。
小さくすることで霧のような表現が可能です。
LightColor 光の色を変更します。
RGBがぞれぞれ赤、緑、青に対応しています。
SunColor 太陽光源の色を変更します。
RGBがぞれぞれ赤、緑、青に対応しています。

設定するとこのような見た目にすることも出来ます。
image6.png

また、RenderingSettingsオブジェクトのRenderingSettingコンポーネント内にあるLightScatteringの各項目と互換性があるため、お気に入りのスキャタリング設定を見つけた場合、数値をメモしてこちらに反映することで、
初めからスキャタリング設定が適用されたワールドを作成することができます。
image.png

SSAO

SSAO(スクリーンスペース・アンビエント・オクルージョン)の設定の変更が可能です。

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VketCloudSDK12.3.4現在、F2キーを押しインフォメーション表示を閉じた際、SSAOの設定は初期値に巻き戻ってしまいます。

項目 説明
Use SSAOの有効/無効を切り替えます。
Hsp AOの黒色に背景の色を乗せる(明るい部分が暗くなりすぎないようになる)設定です。
有効にしておくことを推奨します。
FakeBloom ブラーサンプルを疑似的なブルーム表現に流用したものが適用されます。
画面が若干ぼやけたような感じになります。
SelfShadowCounter AOが発生しないはずの平面が自分自身を誤検知して黒ずむのを防ぐ設定です。
Radius AO(アンビエント・オクルージョン)を行う範囲です。
大きくするとAOが適用される範囲が広がり、小さくすると範囲が狭まります。
MinZ オクルージョンとみなすしきい値の調整です。
Attenuation 柱や浮いてる看板の背後など、距離があるのにAOが出てしまう部位を抑える設定です。
小さくするとAOの発生が大きくなります。
ColBleed ライトバウンスにより範囲の色がAOに乗る現象を疑似再現する設定です。
効果は薄いです。
AORatio AOの濃さを調整します。
大きくすると濃くなります。

Lens

VketCloudSDK12.3.4で出力されたワールドでは、設定名と実際に発生するエフェクトがズレています。
将来のバージョンで修正されますが、こちらではVketCloudSDK12.3.4の時の設定に対応するエフェクトについて紹介を行います。

Film

モノクロになります。

image.png

Mono

セピア調になります。

image.png

Sepia

フィルムカメラで撮影したような、周囲が黒ずんで彩度がはっきりとした状態になります。

image.png

Scriptタブ

スクリプト関連情報が表示されるタブです。滅多に使わないかもしれませんが、以下の情報が確認できます。
image.png

  • Page Count: 生存オブジェクトクラスの数 (0以上の値になっているはず)
  • Local Frame Count: 関数フレームのスタック状態 (0でなければ異常)
  • Operand Stack Count: 演算用スタックに積まれている要素数(0以外異常)

F3: 当たり判定表示

image1.png

当たり判定を可視化します。各色の役割は以下の通りです。

  • : BoxColliderによる当たり判定
  • : クリック判定
  • : Fieldオブジェクト設置位置
  • : プレイヤーのクリック判定
  • : エリアコライダー
  • : ReflectionProbeの範囲

image5.png

VketCloudSDK12.3.4でビルドされたワールド現在では、MeshColliderは表示されません。

F4: オクルージョンカリング

オクルージョンカリングの有効無効を切り替えます。ステータスのGUIの右側に「OC」の文字が表示されます。
image4.png

オクルージョンカリングって?

オクルージョンカリングは、建物の奥に隠れている3Dモデルといった、「画面内に映り込んでいないオブジェクト」を非表示にし、動作負荷を軽減するための機能です。

Vket Cloudでは、遮蔽となるBoxColliderに対しHEOColliderコンポーネントをアタッチしコライダータイプをオクルージョンに設定した際、その当たり判定の裏に隠れたオブジェクトが表示されなくなります。
image.png

F5: Script情報表示

ステータスにScript情報を表示します。表示される内容はF2キーのScriptタブと同一です。
image7.png

F6: 当たり判定無視

当たり判定を無視して移動できるようになります。常に空中に浮いた状態となり、Rキー/Fキーで上下方向に移動することができます。VketCloudSDK12系列以降でビルドされたワールドより、前後左右に移動するとき、最初はゆっくり動き始め、徐々に一定速度まで速くなるといった、イージングがかかるようになりましたが、上下方向の移動にはイージングがかからず、常に一定速度で移動することができます。
image3.png

F8: ステータス非表示

画面上部のステータスを非表示にします。
スクリーンショットを撮る際、デバッグモードを有効にしながら、デバッグモードを無効にした際と同じ画面構成にしたいときに便利です。

まとめ

デバッグモードは、開発作業を効率化するための強力なツールです。各機能を理解し、適切に活用することで、開発プロセスを大幅に改善できます。ぜひ、日々の開発に役立ててください。

デバッグモードを有効にしたままUpload to Remote Serverを使用すると、デバッグモードが有効になったままのワールドがMyVketに投稿されてしまいます!

投稿前にデバッグモードを無効に戻すのを忘れないようにしましょう。

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