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(レポート)Scrum Fest Osaka 2020 Day2 弱虫じゃダメですか?(ダメ人間がチームビルディングをしたら最高のチームと歩めた話)#scrumosaka.mkw

Last updated at Posted at 2020-07-02

はじめに

Scrum Fest Osaka 2020は、6/26-27に開催された、オンラインでの大規模カンファレンスです。

この記事では、2日目の14:00~14:45 #scrumosaka.mkw(三河)で行われた「弱虫じゃダメですか?(ダメ人間がチームビルディングをしたら最高のチームと歩めた話)」のレポートです。

スライドは2020/06/30現在、未公開のようです。

「チーム」に向き合い始める

@eroccowaruico さん

  • いじめなどが原因で、幸福を感じにくい人生を送ってきた
  • プログラミングで「楽をするのが楽しい」を経験
  • オンザロードに転職後、10年間マネージャへ

転職した当時は、苦痛だった。

  • 数人のオフィス
  • 小学生みたいな決まり事

コツコツ作業が出来ない自分なのに、細かい仕事ばかりをやらなければならなかった。
人づきあいが苦手なので、特定の人とだけ付き合って仕事をしていたら、凄いプログラマが入ってきた。
「単純作業を押し付けられないようになりたい」
そう思って、「チームを作るぞ」というモチベーションに繋がった。
結果として、マネージャになった。

チームとは

個々の能力の足し算ではない。10+10+10=30になるわけではない。
結局、他の人とのコミュニケーションや、割り込みなどによってロスは発生する。
結果的に生み出した価値(100)がチームの能力になる
価値はどんなものでもいいけれど、本質的な価値を優先する。

これは、一人じゃできない。
弱虫だと助けが欲しい。だから、チーム。

チームの成功とは

いいチームはいい仕事を生む。
仕事が途切れない状態、仕事が楽しい状態がよい。

チームとアジャイル・スクラム

私はスクラムを強要しない。
本気でやったら大変だから。
私に、「努力」「根性」「忍耐」は無理だから。
楽して褒められたい。

だから、嫌なことは全部やめる。
無理して嫌なことをしていたら、嫌なことはだれかに押し付けてしまう。

チームと価値

アジャイル宣言にある「価値」を大事にする。
価値にならないことで消耗していないか?
みんなと同じことをやっていたら価値は低くなる。

"ドリルが売れるのはドリルが欲しいからじゃない。穴があるからだ"

あるべき論でいいのか?

正しさだけで進めたら苦しくなってしまう。
本当に大切な人がいなくなってしまう。
誰かの正義が、善意を殺す。

怒りや正義は罪悪感や劣等感を生む。
幸せを感じられる人ほど、その人の周りも幸せになる。

大事なのは、今できることをやる。
今どうするかが大事。

今の環境を大切にしよう。

自分のことを知る・相手のことを知る

自分の思考・ふるまいは自分で決められる。
自分のハンドルを握る感覚。
ポジティブに思考するのも、ネガティブに思考するのも自分。

ネガティブな感情を避けようとするともっとネガティブになる、という話もある。
日常に隠れた心地よさを探すようにしよう。

自分の中にある選択肢

人格は変えられない。
誰も変わらずにいい方向に行くためにはどうすればいいだろうか。

人が誰かを批判するとき、その人の中で「失った選択肢がある」のだと考えると、つらくなくなる
今、その人や自分は、その選択肢を「あえて」選んでいない、と考える。

「自分とは何か違うものが見えているのかも」という風に想像する。
自分の当たり前だけで判断しないようにしよう。

アジャイルをやる意義

多様性を認めよう。チームに来る人を拒まない。

世の中には天才・秀才・凡人がいる。
これらは分かり合えない。

天才は凡人に認められたい。でも、凡人は天才を排除する。
秀才と天才は互いのことを理解できない。
凡人は秀才のことを天才だと思っている。秀才は凡人のことを見下している。

これらの3人は自分の中にもいる。「分かり合えない」部分を自分で作りだして、自分の芽を自分で潰してしまっている。
それを、互いに理解したい、理解されたい。近づきたいから、アジャイルをやるんじゃないか。

ビジョンを描く

天才が見ている世界は違う。
秀才が描く未来は、顧客が(言葉で)望むものの先にある。
ただ、天才が描く未来は、それをさらに飛び越す。顧客の望むものを聞く必要がない。
馬による移動の時代で、自動車の走る未来を想像したのは天才フォードだけだった。

アジャイルを最大限に生かそう。

作り上げたものだけでなく、作り上げた世界を想像する。
ゴールを達成した時の周囲の音や空気、みんなの顔(笑顔など)までを想像する。

チームにビジョンを語ろう。
そうすると、「こうすればいい」と教えてもらえる。
それが共感を生む。
隙間を埋める。溝(幅)を狭めていく。
そうして、自分と他人のビジョンが交わって、ビジョンが大きくなっていく。

Give or Take?

3種類の人間がいる。

Giver:自己犠牲により他人に与える人。
Taker:人の成果を横取りする人。
Matcher:バランスを取る人。

学習の成績を見た時、一番成績が悪いのはGiver。
セルフマネジメントが出来ずに、自己犠牲ばかりになってしまい、自分のことが出来なくなってしまう人。

一番成績がよいのは、実はGiver。
Giverのループによって、自身の限界を超えられるから。

世の中をうまく回しているのは、下位のGiver。
多くの自己犠牲で世界は回っている。
成績だけでチームの中からメンバーを排除しようとすると、Giverがいなくなってしまう。
ただし、ここを排除してはいけない。下位のGiverと上位のGiverは見分けがつかないからだ。
一番いいのは、全員がGiverになればいい。

自分が相手に与える 5 Give が、相手にとっての 1 Take になる。
1 Give = 1 Takeの関係には、ならない。
Giverは、Takeされすぎると疲弊してしまう。
だから、1 Take をしたら、1 感謝 をしよう。
5 Give = 1 感謝。感謝は、Giveだ。
そうすることで、Give のループが回っていく。

相手にとっての 1 Take が、自分にとっての 5 Give なのか、 10 Give なのかはわからない。
自分にしかできないGiveを続けていればその価値は相手にとっても大きくなる。
だから、自分にしかできないことを、好きなことをたくさんしよう。

自分の成長の方向性

学校の授業では、すべての能力値を底上げするような学習。
プロフェッショナルや多能工と言われる人たちは、全ての能力がさらに高い。
ただ、自分もそこに行けるのか?
苦手なスキルを伸ばそうとしても、本当に伸びるのか?

実際には、できないスキルには「本人にもわからない深い溝」があって、いくら伸ばそうとしても伸びないかもしれない。
それよりも、自分がすでに持っている能力を高めれば、その周辺の能力も引きずられて向上する(砂で山を作るような感覚)。
溝も少しずつ埋まっていく。

こうすれば、自尊心を持ったまま成長できる。

他人のせいにしない、自分のせいにしない

他人のせいにしてはいけない。
「ダメ人間」がダメ人間を否定してはいけない。

そして、自分の味方は自分だけ。
自分のせいにしない。

失敗も、うまくいかない経験をしたって思えばいい。
これからも努力・忍耐・根性を割けていく。

"僕は今を生きている。"
今から理想に近づいていけばいい。

弱虫にも心理的安全性を

約束を守れればそれでいい。
一人でできないことは、チームでやればいい。

ほんの少しの約束を守ることが出来れば、働き方は自由なはず。
好きなことを仕事に持ち込もう。

自由に、適当にやっていたら、時代を先取りしたチームになっていた。
最高のチームだった。

感想

発表を見てメモに書きなぐって、Discordの盛り上がりを見て、本人のブログを見て、そしてメモを文字に書き起こしました。

これほど、優しさにあふれる発表はいままで経験したことがなかったです。
一言一言が自分やチームを肯定してくれて、頑張れる元気を貰える内容でした。

理想のビジョンを鮮明に描き、それをチームに語り続けることで、チームが自然と良い方向に向かっていく。
そして、好きなことを続けて Give & Giveしつづけることでの成長。
この考え方は、自分の心に落とし込んで、今後も活動を続けていこう、と思いました。

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