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2種類のインセプションデッキ

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はじめに

この記事はインセプションデッキ Advent Calendar 2019の8日目の記事です。
この記事の中では、「2種類のインセプションデッキ」と題して、用途別に異なるインセプションデッキの作り方を共有します。

インセプションデッキとは

12個の質問に答えていくことで、プロジェクト/プロダクトに関する共通認識を作り上げるものです。使う人によって質問の数が8個~12個だったりしますが、大差はありません。
便利なテンプレートも公開されているので、それを使いながらやるといいでしょう。
https://github.com/agile-samurai-ja/support/tree/master/blank-inception-deck

今回は説明上、上記のリンクの質問数に基づいて話を進めていきたいと思います。

  • 1. プロジェクトの名前
  • 2. 我々はなぜここにいるか
  • 3. エレベーターピッチ
  • 4. パッケージデザイン
  • 5. やらないことリスト
  • 6. プロジェクトコミュニティは…
  • 7. 技術的な解決策の概要
  • 8. 夜も眠れなくなる怖い問題は何だろう
  • 9. 俺たちの"Aチーム"
  • 10. 期間を見極める
  • 11. トレードオフスライダー
  • 12. 初回のリリースに必要なこと

2種類のインセプションデッキ

私がインセプションデッキを作るとき、以下の2つの目的別に進め方を少し変更しながら行っています。

  • プロダクトの合意形成として
  • チームビルディングとして

それぞれについて、詳細を述べていきます。
詳細については私なりの進め方ですので、正しいものではありません。
もし真似する場合は、皆さんの現場にアジャストさせながら使ってみてください。

プロダクトの合意形成としてのインセプションデッキ

これは、プロダクト開発をするためのチーム全員での共通認識を持ち、合意形成をするための活動です。一般的に「インセプションデッキを作ろう」というと、こちらの目的が主になります。
このインセプションデッキでは、プロダクトオーナーや顧客など、プロダクト開発における重要なステークホルダーから発せられたミッション・ビジョンをベースに、チーム全員で共通認識を作りながら肉付けを行っていく、というような進め方を行います。
最初に「我々はなぜここにいるのか」の質問に答えていくのですが、質問に答える前にプロダクトに対するミッション・ビジョンを共有してから質問に答えます。
プロダクトの進む方向をある程度明確に示したうえで、チームメンバーの意見を組み込みながら、チーム全員にとって1つの「現時点の」ビジョン・ミッションを作り上げます。

チームビルディングとしてのインセプションデッキ

一方、チームビルディングとしてのインセプションデッキは、チームとしての合意を取らず、「各々がどう思っているのか」を自由に表明することで、チームメンバーの価値観や考え方に触れていきます。この場合は、プロダクトオーナーからのミッション・ビジョンを聞く前に、「我々ななぜここにいるのか」を聞きます。これにより、チームメンバーの考えていることが分かるようになります。
このとき、インセプションデッキの開始前時点でチームメンバーへミッション・ビジョンの共有が不十分な状態であれば、「我々はなぜここにいるのか」の理由として「アサインされたから」「お金のため」というような後ろ向きな理由が出てくることもあるはずです。チームメンバーのモチベーション・エンゲージメントに関する素直な話が聞けるのも、この「チームビルディングとしてのインセプションデッキ」の特色です。
「我々はなぜここにいるのか」や、「エレベーターピッチ」に関しては、全員で1つの答えを作り上げることはしません。あくまで、各々の答えや想いを共有し、お互いを知るところから始めるのです。
チームビルディングとしてのインセプションデッキ」を作って、それぞれの思いを共有したうえで、「プロダクトの合意形成としてのインセプションデッキ」を作ることも可能です。

  • ①全員の意見を引き出す
  • ②互いの価値観を認め合う
  • ③プロダクトオーナーから改めてミッション・ビジョンを説明する
  • ③全員の意見を引き出す
  • ⑤1つのステートメントを作る

といった流れで行うことで、チームビルディングとプロダクトの合意形成の2つを同時に行えます。

なぜ、2種類を使い分けるのか

仕事においては、全員がそのプロダクトに対してモチベーションが高い状態でスタートするとは限りません。また、ステークホルダーの構造が複雑であったり、(あまり望ましくはないですが)顧客とチームが対等でない場合、そしてステークホルダーごとに思惑が異なる場合など、「プロダクトとしての目的」と「自分の目的」が異なる、という状況もあり得ます。
こうした状況のとき、「プロダクトの合意形成としてのインセプションデッキ」のみを作ると、建前と本音の「建前」で形取られたミッション・ビジョンが出来上がりがちです。実際にプロダクトを作るチームメンバーの「本音」が隠されたままプロダクト開発が進むと、その「建前と本音のズレ」が、プロダクト開発へのモチベーション低下を引き起こします。
この本音の部分を聞き出し、「あなたはどう思ったか」「どう感じたか」というのを共有する「チームビルディングとしてのインセプションデッキ」があることによって、「建前と本音のズレ」があることを認識しながら、全員がそのギャップを埋める方向へと少しずつ動くことができるようになるのです。
勿論、「チームビルディングとしてのインセプションデッキ」を作る場合は、心理的安全性の高い場で行われなくてはなりません。顧客とチームが対等な関係でなければ、チームのみで別途、「チームのためのインセプションデッキ」を作り直す、ということも考えてよいでしょう。
その結果のフィードバックは、「プロダクトの合意形成としてのインセプションデッキ」に反映されるべきです。その架け橋としてプロダクトオーナーが機能します。
プロダクトオーナーがチームとステークホルダーの架け橋になることで、双方の意見をより反映したインセプションデッキが出来上がるはずです。
勿論、プロダクトオーナーが両者のハブとなってしまっている状況は好ましくありませんが、プロダクト開発を進めながら、何度もインセプションデッキを更新していくことで、双方の意思をより近づけ、ワンチームとして機能するよう導いていくことができるでしょう。

どのように使い分けるか

私の場合は、「今回は全員の率直な意見を共有して、互いの価値観を知りましょう」「今回はプロダクト全員で1つのステートメントを作り、全員でより推進力を高めてプロダクト開発に臨めるようにしましょう」といった前置きを必ずするようにしています。目的を必ず共有したうえで、何をしようとしているのかを説明することで、全員が安心して、集中してインセプションデッキに臨むことができるようになります。

チームビルディングとしてのインセプションデッキをする場合は、事前に価値観を共有する別のワーク(価値観ババ抜きやMoving Motivatorsなど)や、期待マネジメント・ドラッガー風エクササイズのような互いのことを知り・話し合うためのワークと一緒に行うことが多いです。
うまく他のワークと組み合わせながら、徐々にチームの一体感を形成させていきます。

最後に

今回紹介した内容はあくまで一例でしかありません。
みなさんのチームのインセプションデッキは、どのようにして作られていますか?
インセプションデッキ Advent Calendar 2019はまだまだ空いていますので、是非共有していただけると嬉しいです。

明日は、及部さんのお話に続きます。お楽しみに。

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チームファシリテーター。 ふりかえり・カンバンなど、チームをよりよくするための活動を推進しています。 社内外でのイベントレポートも行います。 twitter: https://twitter.com/viva_tweet_x speakerdeck: https://speakerdeck.com/viva_tweet_x
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