この記事は、Agile Japan 2021アドカレ!の7日目の記事です。(遅くなっちゃってごめんなさい!)
https://adventar.org/calendars/7119
Agile Japan 2021が開催されました
2021年11月16日~17日の2日間にわたって、Agile Japanが開催されました。毎年開催されているイベントであり、オンラインイベントになっても大盛況なのは変わらないようです。
私の中では、昔は企業の中で仕事として「アジャイル」「アジャイル開発」に向き合い始めた人たちが多く、エンタープライズ色濃いめのイメージのイベントだったのですが、今はアジャイルに関わる広い層に向けて行っているイベントとなっています。
そんな Agile Japan 2021ですが、私は行けませんでした(リアルで諸事情あり)。ただ、「運営のふりかえり」という形で関わらせていただいていますので、そこから見えてくるAgile Japanというものを紹介していこうと思います。
運営のふりかえりをする
ふりかえりが行われたのは2021年11月22日。イベント開催後の5日後ですね。
こんな感じのやりとりをやってスタート(軽いですね)
夜21:30に集まって、運営5人+私の計6人で約1時間半、ふりかえりを行いました。
その様子を見てみましょう。
内容は完全には明かせませんが、ふりかえりの進行やポイントなどは色々と補足して書いていこうと思います。
トーンを決める
全員集まってから、まずはどんなふりかえりをしたいのか?を話し合います。
右上に貼っているのは参加者の名前ですね。
参加者ごとに付箋の色を分けて貼るルールに運営の中では自然と決まっているようです。
(※特にこちらからお願いはしていません)。
5分くらいでざっと書いていただき、そこからは参加者に委ねて会話する様子を見ています。
この時点で、関係性が素晴らしいチームで、言いたいことを隠さずに言えているのが見て取れました。
(※一人の参加者が移動中などの関係でMiroへの書き込みが難しい、とのことでしたので、Zoomのチャットに書いていただいたものを私が転記する、といった対応をしています。)
いいところを話し合いたい、次回に向けた改善点を話し合いたいといったトーンで合意できてきたので、私から「次はこんなやり方でどうですか」と提案しています。
今回のAgile Japanについて、実現できたこと・良かったこと、理想と違っていた部分・改善点を話し合います。
まずは15分程度書きなぐっていただいて、そのあとにみんなで話し合いながら広げ・深めていくというスタイルですね。
このやり方を提案したところ、「過去のAgile Japanに関してもしっかりふりかえりたい」という声
上がり、最終的には次のような姿になりました。
(過去のAgile Japan + 今回のAgile Japan) × (実現できたこと・良かったこと + 理想と違っていた部分・改善点)
2×2のマトリックスで、過去と現在について話す形ですね。
(※私がふりかえりのファシリテートをお願いされた場合は、チームの状況に合わせてその場でカスタマイズして作り上げていく場合もあります。参加者の属性やニーズなどによって合わせていますが、今回の参加者は全員がふりかえりに慣れていて関係性もよく、普段とは違ったふりかえりを体験したいとのニーズがありましたので、私が作らせていただいています。)
この4象限について、15分程度、思い思いに付箋を書いていただきます。
書いていただく前には、「必ず良かったことから思い出しをしてみてください」とだけアドバイスをし、それ以外は参加者のみなさんに書き方などはお任せしました。
結果として集まったのが上の画像の付箋たちです。
書き終えたら、全員に好きなように話してもらいます。
時間は30分程度。自然と過去の内容から話し合われていき、その中で議論も発生し、というのを私は見守っていました。
そもそも会話が途切れることなく続いていく関係性のため、議論が横道にそれまくっていたら元の場所に誘導したり、話すことに集中していただくために議論の可視化(書かれていない、話された情報の付箋化)は私が主に行っています。ただ、参加者の皆様にも付箋を移動したり、自分で追記したり、というのは自由にやっていただいていました。
過去と現在を対比しながら見ていくことで、課題がどのように解決されていったか、残っている課題は何かが明らかになります。また、うまくいったところを次回以降にも継続させ、最大化するためのアイデアが生まれていきます。
未来の姿
最後に、残った時間で「未来のAgile Japanのなっていたい姿・理想」を話し合います。
こちらも7分程度で付箋に書いていただき、そのあとはフリートークです。
過去・現在・未来の姿をそれぞれ話し合って浮かんできたギャップから次はどう動きたいか、どんな風にしていきたいか、という行動につながる何かが見えてくる、という手法です。
これで時間いっぱい。
最後に一言ずつ今回の感想や次回に向けてのコメントを言っていただき、終了です。
ふりかえり全体を通して
私がしたこととしては、
- トーンの設定
- 進め方の提案をし、全員で進め方をFIXする
- 発散しすぎる場合のみファシリテート
- 議論の可視化
だけ。
参加者の皆さんが流れる方向へ、流れたい方向へ、その流れを抑制することなく、効果を最大化できるような下支えをしていただけです。
こうした行為だけで、参加者の皆さんであるAgile Japanの運営は自発的に考え、互いの意見を引き出し、尊重し、イベント参加者のことに想いを馳せながらふりかえりを行っていました。
彼らの話からは、イベントへの愛情と、参加者の満足度(喜んだ顔)への想い、未来への希望が止めどなく生み出され続けていました。
もしかしたら、Agile Japanに今回参加した人の中には、イベントへの不満を抱えている人もいたかもしれませんが、それらの不満はきっと運営のみんなが、少しずつですが着実に、素晴らしいイベントへと変えていってくれるであろう期待を抱けるふりかえりでした。
今回のAgile Japanのテーマは「The Heart of Agile」。これを体現している、アジャイルな素晴らしいチームでAgile Japanは運営されていると私は感じています。
きっと、これまでのAgile Japanで「なんか違うな」と感じていて今回参加を見送った人も、来年はそのイメージをいい意味でぶち壊すイベントへと進化していることでしょう。
ふりかえりを見ればチームが見え、そのプロダクトも見えてくる。
その一端を、この記事で感じることができたのであれば、私も嬉しく思います。
私はAgile Japanを応援しています。
来年のAgile Japanは、是非参加しなきゃ!と思っています。
来年のAgile Japanで、この記事を読んでいただいたみなさんとも、お会いできるとうれしいです。