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Agile Japan 2020 参加レポート「Power to the TEAM! TEPCOが挑むアジャイル全社大導入への道 ゼロからの変革を目撃せよ!」

Last updated at Posted at 2020-11-18

Agile Japan 2020

この記事は、2020/11/17-18に開催されたAgile Japan 2020のレポートです。
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Power to the TEAM! TEPCOが挑むアジャイル全社大導入への道 ゼロからの変革を目撃せよ!

セッションの概要はこちら

東京電力ホールディングス株式会社 システム統括室 課長 渡辺 潤 氏
株式会社テプコシステムズ ICT推進室DX推進部 部長 川上 剛 氏
株式会社オージス総研 アジャイル開発推進グループ AX(Agile Transformation)コンサルタント 山内 亨和 氏

東電HDの取り組み

アジャイルを始めた背景

アジャイル推進を始めたのは「規定・マニュアル担当」。

2017年

システム開発を成功させるためには、QCDの達成が重要。
開発前の上流を標準化し、細かくフェーズ分けして、細かくチェックする体制を整えた。

2018年

定着化に向けた研修を企画

だが、まだまだ課題は山積み。
レガシーへのリソースや、リプレース中心になっていたり。
2025年の崖を登れずに、競争に勝ち残れないと考えた。

変化の兆し

震災後、福島復興への責任を果たすために、4500円の利益水準を出さないといけない。
協働の激化、5DやUtility 3.0など、不確実性に対応していくことが重要になってきている。

アジャイルの始まり方

アジャイル開発への適応

  • 熟練した開発者の確保
  • 業務に精通し、意思決定を行えるPO
  • アジャイル開発を受け入れる風土の醸成
    • 非常事態だからこそ、やれることはなんでもやる雰囲気が働いた
    • 平時では、色々な制約があって難しかったはず

ゼロからのスタート

会社の平準運転への移行に従って、標準手法としてのアジャイル開発の定着・拡大かができなかった。
WFのQCDプロセスを定着させていく立場に戻ってしまった。

残されていた課題

  • 安定的に品質のよい電気を届けるためには、計画と手続きは重要。
  • ただ、これがアジャイルの拡大を阻害していると思われる。
  • 人材育成や標準体制の構築が出来ていなかった。

ただ、WFの根本的な欠点への対応にはアジャイルでしかできないはず。

  • 要件の確からしさはテスト工程でしか確認できない
  • ベンダー丸投げ
    • 要件の後期での変更

アジャイル推進者へ

全社展開に必要な組織の支援を目指して、一人で立ち上げをした。
まずは仲間を得るところから。
役員に"ものを言える"Y氏、CIO向けの講師をしていたO氏。

アジャイル本格導入へ

各クォーターごとに計画を立てて実施し始めた。

1年間の旅路

WFからアジャイルへ

ToBe像を描いて、進め方をアジャイルへ
標準手法を示したガイドの作成、ルール策定も実施した。
ネゴシエーションも熟知していたのが大きい。
各社COEへの説明や優先順位へのアウトプットなどを少しずつ説明していった。

Power to the TEAM!

アジャイル推進チームを整備。
多能工的に異なる役割も担っている。

標準プロセスの提示

システム開発の選択肢として、正式にアジャイル型開発プロセスを整備。
電気を責任を持って届けるために、最重要工程の企画構想は変えない。

機会を作り、価値観を浸透させる

定着させるまでの流れを作った。
まずはボトムから。
契約面など、問題をバックログ化していき、少しずつ対応していった。

次はトップマネジメント層へのアプローチ。
CIOが参加するコミッティにて施策の説明を実施。
CIO目線で意見を貰ったので、これらをフィードバックして、推進していった。

Dean氏をお呼びして、ビジネスアジリティに着目したワークショップも実施してもらった。

大きな組織の変革にはマネジメントのサポートが必須。

今後の課題

ミドルマネジメント層への効果的な実施方法を検討中。
システム開発に関心が薄い層をどう攻略するか。

アジャイル推進者として、

  • 自ら学ぶということ
  • 腹をくくって推進する
  • 山あり谷ありということを理解する
  • 時には外圧を利用する

変化に対処するためには、行動する

変えていく部分と変わらない部分がある。
成果を豊かにするサービスの提供へと努めていく。

テプコシステムズにおけるDXの取り組み

リーンXPの実施

PdM+エンジニア+ステークホルダーで進める。
tepsys labsの中にデザイナーは不在。

課題は以下の通り。

  • PdMが複数案件兼任して、関与度が低下
  • リモートワークなどプロセスが不十分

TEPCO流のアジャイル導入

PO+開発チーム+SMが参加する形態に。
POはユーザー部門からの参加を想定している。
ただ、ユーザとPOの距離を補完するために、開発プロダクトオーナーを配置。
以下の理由から部長自ら開発POを実施している。

  • 部内にプロセスを定着したい
  • 自身でアジャイルを理解する
  • 参加メンバーをアサインしやすい。

SMを配置したが、オージス総研にアジャイルコーチとして支援いただいている。

今回の特色としては、開発チームは海外拠点を含む複数社でチームを結成している。
完全リモートワークでチームを作っている。

プロジェクト管理ツールの活用としてJira Softwareを導入している。
今も、新しい案件を企画中。

今後の取り組み

組織能力の強化

  • 開発PO, SMの育成が急務

プロセスの磨き込み

  • リーンXPとスクラムの両者のいいところを取り込む。
  • 体制・役割の最適化
  • リモートワークへの体制
  • コミュニケーションツールの整備・強化
    • ユーザー部門と距離を近づけるチャンス

適用範囲の拡大

  • アナリティクスの領域
  • AI開発
  • より規模の大きい開発への適応

社内・東電Gへの展開

  • 教育活動への△
  • 他部署PJへの支援

オージス総研によるSAFe導入

SAFe Implemention Roadmap

この2年間はロードマップを走破するための助走期間。

Implementation-Roadmap_no-title-5.0.png
https://www.scaledagileframework.com/implementation-roadmap/

  • 推進者がいる
  • 推進体制がある
  • CIOや上司がSAFeに理解を示している
  • 役割の重要性を経験から確信している
  • 全員で研修を実施して実績を積んでいる
  • 実際の開発が始まってからは、検査と適応を通じて、全員で問題を解決することについて自信を深めている

これで準備はできているか?
まだ出来ていない部分がある。

3年目に向けた準備

1件目に向いた案件を見つけようとしている。

TEPCOアジャイルロードマップ

来年のAgile Japan, 再来年のAgile Japanで事例を共有したい。

質疑応答

Q. 海外拠点とのリモートアジャイルについて

そこまで影響はなかった。
時差があったので、時間帯的な配慮はあるものの、コミュニケーション的に辛い部分はなかった。

Q. 部長とPOの兼務では、オーバーフローしてしまうのでは?

仕事を外せる部分はSMやチームリーダーがサポートしてくれていた。プロダクトバックログに注力しながらごまかしやっていた。

感想

  • アジャイル推進に2年間で準備、という壮大な計画。時間をかけて、着実に進めているのが素晴らしいなと感じました。
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