Scrum Fest Sapporo Day 2 「Agile Sapporo: Learn from experience and continue to repair wholeness」
2020/11/07に開催されたScrum Fest Sapporoの発表です。
https://confengine.com/scrum-fest-sapporo-2020/proposal/15056/agile-sapporo-learn-from-experience-and-continue-to-repair-wholeness
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム7人中、4人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
テーマ
もっとうまくやりたいと悩んでいる人へ私が大事だと学んだこと
伝えたい内容
- 全体を意識する
- 感情に耳を傾ける
- 人ではなくプロセスをリードする
- 練習する機会を持つ
全体を意識する
単に石を切り出す場合でも、常に心に聖堂を思い描かねばならない
会社を立ち上げた時、Rubyの会の会長が贈ってきたもの。
「そういうことやぞ」と言われている気がしていて、今でも会社に飾っている。
大事なこと①全体を意識する
自分がいきいきとできなくなる
組織がいきいきした状態にならないと、チームもいきいきしない。
自己相乗の形になっている
自分たちの秩序と、全体の秩序
全体と調和した状態になっているか?
大事なこと②感情に耳を傾ける
うまくいっているかどうかを分かるには、定期的に診断する必要がある。
ふりかえりとか、スプリントレビューとか。
今やっていることに対してふりかえるだけでなく、外側のスケールに対してふりかえることも必要。
どうやって診断するかは、「定量的な指標に従う」のか。
定量的なものだけに頼ってしまうのは落とし穴にはまることも。
コブラ効果
「コブラが多くて困っている」→「コブラを殺した市民に賞金を出す」→「コブラを育てて殺すようになる」→「施策をやめる」→「コブラが世に放たれる」
メトリクスは意図せずに、または意図的にゲーム化する可能性がある。
感情に耳を傾ける
"データが示すものは何であれ、ソフトウェアを構築するのは人であり、そうした人々のフィードバックが成功の測定に含まれていることが重要だ。"
やっていて「いいものだ」「たのしい」「なんでやってるんだっけ?」の1つ1つが重要なサイン
みんながどう感じているか
良いと感じているなら、促進する方法を考える。
1つ1つとらえて、自分たちのプロセスを修復していくのが大事。
きちんと説明できないことを恐れない
名付けようがないことで、この質が曖昧で不正確だということにはならない。名付け得ないのは、それが紛れもなく正確だからである。
えにしテックでの例
ふりかえりのやりかたの見直し
- 週に一度、みんなで会社のことをふりかえる
- 全プロジェクト横断の1枚のホワイトボードでふりかえり
当初感じていた良さ
- 全部を全員で共有してふりかえれる
当初感じていた良さを感じられなくなっていることに気づいた
- やることになっているから、やっている?
- 問題がないのは良いこと?
- いいやり方だから意見がないのか、興味がないから意見がないのか
ふりかえりのやりかたを変えていくことに決めた
毎週やりながら、XXをやめてみたら、順番をかえてみたら、、、と実験をしながらふりかえりのやり方を変えた
変えるプロセスの中で気づいたこと
- 全員でのふりかえりだと、深さが足りなくなってしまっていた
- 他のプロジェクトのことが視界に入ることに良さがあることを再確認した
- プロジェクトを横断して知見を共有し合える
今のふりかえり
- 週に一度、みんなでそれぞれのプロジェクトについてしっかりとふりかえる
- ボードはプロジェクトごと
- 他のプロジェクトのボードも視界に入る
- 気になったプロジェクトのふりかえりには自由に参加してもよい
気持ちと向き合ってプロセスを修復し続ける
定量的なものがないとよくないのか?
定量的なものはなかったが自分の中では良くなったと思っている。
ふりかえってみるとXPに影響を受けていたと思う。
コードレビュー/テスト/設計が良いことなのであれば、いつでもコードレビュー/テスト/設計すれば良い
XPは著者(ケント・ベック)自身が作り出したものなので、著者が不安に感じていることを反映している。
Embrace Change
変化しないものはない
自分たちのプロセスを修復し続けている。(とXPは言っているように感じる。)
リーダーやマネージャーは考え方が変わったことを表明することに抵抗がある。
こういうことを言うと、「前と違うこと言ってるじゃん!」って言われるかもと思う
今の情報が大事。今どう感じているかが大事なので、自分の変化とも向き合うのが大事。
ベスト・キッドの師匠「そうなんだけど、俺もまだ学んでるんだよ」
自分の気持ちと向き合おう。
気持ちを表明・共有する場を持つ
組織の中で定常的に行われていない文化になっているのであれば、ニコニコカレンダーからでもいい。
ふりかえりの中で「感じたこと」レーンを作って、感じたことをふりかえれるようにしている。
やったこと、起こったことを思い出して、「で、どう感じました?」「どう思いました?」「どうしたいです?」みたいにしていく。
自分の感情が仕事について何を訴えているのか、それに耳を傾けよう。
大事なこと③人でなくプロセスをリードする
リードっていうのは難しい、と思う時期があった。
「人でなくプロセスをリードする」は「スーパーエンジニアへの道」から。
アメとムチモデルと、有機的リーダーシップ
アメとムチ
自分自身の生き方を支配するのをあきらめてもらわなければならない
プロセスをリードする=人に反応して行動し、彼らに選択を委ね、彼らに自分たち自身を支配させること。
Elastic Leadership
チームが学んで成長していくためのプロセスをリードするモデル
翻訳当時、課題だと感じていたのがリーダーシップだった。
あるときに、この局面では前に出ないといけないのに、サーバントリーダーだから…といって、サーバントリーダーシップをシェルターにしてしまっているかもしれないと感じていた。
色んな現場を見て、スプリントを流しているときに「これでいいんだっけ?」という判断をせずに進んでしまっている現場を見てきた。
リーダーシップを勉強していく中で、この本に出合って、是非日本に紹介したいと思って、翻訳することになった。
翻訳をはじめてみると、いっぱいワインバーグが出てくる。
プロセスをリードすれば良い、と感じたら気が楽になった。
プロセスをリードする
サーバントリーダーシップと違って、足を前に出してくれる感覚を得た。
ソフトウェア、チーム、組織も有機的に作られていく。プロセスが滞らないように、様々な活動をリードしていく。
局面ごとに悩むことはあるけど、リーダーシップって何だろう見たいな悩みはなくなった。
大事なこと④手を動かすことが大事
練習することが大事。一緒にやってくれるメンバーが社内にいてくれればいいけど、そうじゃない会社もあるのでは。
Agile Sapporoはいい場。
アジャイル札幌とは
みんなが実際に手を動かして、体験するために作られたコミュニティ。
凄い人たちの話を聞く場じゃない。
アジャイル札幌のはじまり
2011/06/29 第1回。
そのきっかけは、「平鍋さんとアツく語る会札幌2011」。
東京エレクトロンソフトウェア・テクノロジーズ、Ruby札幌が主催。
平鍋さんとRuby札幌
JavaFesta2007で、平鍋さんが話した。平鍋さんの前のセッションで、札幌のコミュニティに対して心無いことを言う人がいて、しゅんとしてしまった。
そこで平鍋さんの話を聞いて、いきなり「さっきの人あんまりだね」と言い出した。
壇上で「札幌にRubyのコミュニティあるの知ってるよ」と言ってくれた。
Ruby札幌の人手を挙げて、って言ってくれて、あとで飲みに行くかって言ってくれた。
Ruby札幌の人たちのところに来てくれて、飲んでくれた。
それ以降、平鍋さんに逆らえない体に。
平鍋さんと東京エレクトロンソフトウェア・テクノロジーズ
キーパーソンは平鍋さん
ある日メールが来て、パブリックな場でイベントやりたいけどルビー札幌解くだろうからサポートしてあげて、からはじまった。
平鍋さんとあつく語る会
また平鍋さんからアジャイルジャパンの札幌サテライトやってよ!
そんな経緯でAgile Japan 2011 サテライト<北海道>が始まった。
当日は角谷さん、和田さんも来て良いイベントになった。
準備の中で、今までつながってなかった人たちが集まり話している状況がよく、
そういう場所が札幌にあるといいな。
→ 第一回アジャイル札幌として始まった
アジャイル札幌宣言
アジャイルについて
あつく話し合い
手を動かして
体験しながら学び
現場をよりよくするためのヒントを
みんなで見つけ続けます
札幌の人たちが練習するためにとても良い場所。
リモートでいろいろできる状況。
みんなでいろいろできるといいなぁと思ってアジャイル札幌の話をしました。
感想
- クロージングで、とびっきりエモく、心が温まる話でした
- こちらのセッションではふりかえりや挑戦することの大切さを教えていただきました。今後も仕事で、自分を成長させられるように、今回のお話の内容を生かしたいと思います!
- プロセスをリードする、というのがすごくしっくりきました。「スクラムマスターだから」と動けなくなってしまう人もいるのを見てきましたが、プロセスをリードするのイメージであれば、戸惑わなくて済むんだろうなと思います。
- サーバントリーダーシップをシェルターにしている、というのは新しい発見でした。ロールに囚われすぎないのも大切ですね。
- 会社全体という大きなロールでふりかえりなど行なうのは難しいが、とても素晴らしい。個々のチーム・プロジェクト単位のイベントでは効果が全体の一部のみに限定されてしまうので、変化のスピードが鈍化してしまう気がします。
- 話し方がとても安心感があり、参考になりました!