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(執筆)技術書典5への執筆活動をふりかえる

はじめに

2018/10/08(月) に開催された技術書典5に、技術書をちゃんとした形で出すことができました。
あ09 東葛飾PM&A研究所 のサークルにて以下の本を委託させていただきました。

「ふりかえり読本 場作り編 ~ふりかえるその前に」
104p 1000円です。
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現地で107部、その後も個別に購入依頼をいただき、130部ほど配布しております。
購入いただいた方、まことにありがとうございます。
※もし購入希望の方がいれば、twitter(@viva_tweet_x)やFacebookまでご連絡ください。
※今年中に電子書籍版はリリースしたいと考えています。そちらも合わせてお楽しみいただけると幸いです。

今回技術書を書くという経験は初めて、でした。
技術書を書くに至った経緯や、モチベーション、執筆スタイルなどをふりかえり、次回につなげたいと思います。

執筆に至る経緯

コミュニティ プロジェクトマネージャー保護者会 で一緒に活動している、東葛飾PM&A研究所のオーナーである 稲山さん(@inayamafumitaka) からのお誘いでした。
稲山さんはコミケや技術書典で「カワイイ本シリーズ」や「ガルパン本シリーズ」「サーバルちゃん本」など、一見可愛い表紙ですが中身は真面目な仕事の話という技術書を色々と執筆されている方です。
電子書籍はBOOTHにて購入できるようです。

そんな稲山さんから「本、書いちゃいなよ」と軽い感じで誘われて、「よっしゃやってみっか」という軽い気持ちで始めたのでした。
まずは、夏コミに向けて、何かしらの本を出す。
そして、それが完了したので技術書にはもっとちゃんとした本を出す。
そんなふんわりとしたイメージのもと、技術書執筆生活が始まります。

執筆の目的と優先順位を決めて初出版を目指す

執筆をする、といっても、普段の業務や社内外での講演活動(資料書いたり)に日々圧迫されているので、時間を作ることが急務でした。また、「サークル受かったけど出版間に合いませんでした」というのはよく聞く話で、「やる」といったものの目標未達成となりたくありませんでした。そのため、執筆にあたり以下の優先順位を付けました。

コミケ(初出版)に向けた優先順位

  1. 何ページでもかまわない、コピー本でもいいのでとにかく読めるモノを「出す」
  2. ふりかえりの場作りの目的を紹介する
  3. ふりかえりのアクティビティを3つ以上紹介する
  4. 20p以上書く
  5. 印刷所で印刷して出す

初執筆、ということでどこに問題が潜んでいるかわかりません。
私自身もモチベーションが続くかどうかが非常に不安で、かつ、執筆活動自体に非常に高いハードルを感じていたため、まずは「出す」ことだけを目標に考えていました。
ということで1.までがMust、それ以降はShouldくらいの感覚で。
執筆にあたり、「ふりかえりの場作りの大切さを知ってもらいたい」「ふりかえりが楽しい活動だということを広めたい」というビジョンのもと進めていたのですが、世に出さなかったらそもそも伝わらないし意味がないだろう、と。
Qiita記事やSpeakerDeck、ワークショップや講演で発信するという手段もありますが、自分の現時点の断面として「手に取れる、形あるもの」としての書籍を作りたかった、という想いも強かったのもあります。
そんなこんなでコミケに向かって約2ヶ月の執筆期間が始まります。

まずはアウトラインをつくり、どこにどの内容を記載するか決めます。そして、「ふりかえりとは」「ふりかえりの3つの目的」「ふりかえりの場作りの手法」の順に、2週間ほどかけて、ベースを書き上げました。体裁は度外視して、伝えたいことを書きなぐった、というスタイルでした。この頃から、週3(火水木)で名古屋に行き、週2(月金)は横浜という生活に切り替わっていたため、執筆時間はホテルにいる時間が主でした。
水木の朝5:00〜8:30と、火水の夜19:00〜22:00といった時間を使って執筆に向かっていました。
そんなこんなで、2週間ほどでベースとなる20ページほどは書き上げます。(今思うとかなり遅筆ですね)

そして、そこから体裁を整えたり、内容を何度も読み直して書きなおす、という作業に2週間ほど。また、一度稲山さんに内容を見ていただき、構成に関するアドバイスを貰って修正もかけました。最後の1週間でふりかえりの手法を3つ追加し、計36pが出来上がりました。

内容自体は普段から色んなところで講演、ワークショップをしている内容をそのまま文章に落とし込んでいったため、自分自身で違和感なく進めることができたかと思っています。ただ、構成の練り直しや、スライドには現れない細かな内容を記載するという点で、執筆がうまく進まなかったと記憶しています。

そんなこんなでコミケ前々日。20部売ろう、と決めていたので、まずは名古屋のコンビニでプロトタイプを印刷。製本どうしよう...と悩んでいたところに、稲山さんから「製本手伝うよ」とのお声をいただき、手伝ってもらうことに。

手伝っていただいたのは、コミケ前日の夕方から夜にかけて、でした。

初印刷、初出版、完売

秋葉原駅のドトールに集まり、内容を見ていたき、印刷時の見栄え等を考慮しながら、ページを修正していきます。30分くらいかけて修正を手伝ってもらった後、秋葉原駅の近くにある印刷所Kinko'sに行き、紙質やサイズを決めてから入稿。サンプルを何度か印刷してもらい、紙質のイメージを固めながら、でしたので、結局3回の手直しを掛けました。
また、サンプル印刷後に誤植を見つけ、その場で原稿を直して再度入稿したり...とかなりバタバタしながら、なんとか25部の印刷に成功します。

そのときの本がこちら。
B5サイズで結構大きめで、表紙もword感たっぷりの手作り感満載。
ただ、私にとっての初めての技術書の印刷と、初めての本だったのもあり、愛情をこれでもかというほどたっぷり注いでいます。


当日はコミケに行くことが難しかったため、献本用に5冊手元に置き、稲山さんに20部を託し、初委託が終わりました。
コミケでは無事20部完売し、胸を撫で下ろしました。この20冊を手にとっていただいた方、本当にありがとうございます。
ここで、「もっと書きたい内容がいっぱいあった」ということを自覚します。ほかの人たちのように、しっかりとした厚みのある、内容やコンテンツも充実した本にしたい、と。
次は技術書典に出したい、と。

そして、技術書典へのチャレンジが始まります。

技術書典へのチャレンジの意欲

技術書典は、エンジニアがたくさん集まる、技術書のための見本市。年々参加人数が増えており、今年は1万人を動員したそうですね。コミケでは表紙が無骨なコピー本だったのもあり、技術書典ではしっかりとした表紙で、それなりの厚みのある、電車の中で読んでいても疑問を持たれないような、ちゃんとした「ふりかえりの本」にしたいな、という気持ちが強かったです。
そのため、技術書典に向けては以下の優先順位を決めます。

  1. 表紙を付けて、印刷所で事前に印刷する
  2. 50p以上書く
  3. ふりかえりのアクティビティを10以上紹介する
  4. 100p以上書く
  5. ふりかえりの場作りのアクティビティで知っているものを全て紹介する

今回は、3.まではMust, それ以降はShouldとしました。
この目標に向けて進んでいきます。執筆期間は今回も約2ヶ月です。

「読本」としての意義を決め、作る

ふりかえり「読本」と付けている以上、読んでHow toが分かるくらい、しっかりと書き上げたいと思っていました。今回は、ふりかえりには色んな種類があることや、チームのふりかえりの進め方など、コミケ版では述べられなかった前段の部分から書き上げました。

日本ではふりかえりの本として「アジャイルレトロスペクティブズ」や、「これだけ!KPT」が発行され、IT業界(特にアジャイル界隈)では非常に有名です。ただ、「アジャイルレトロスペクティブズ」や各種Webサイトをもとに、私自身がふりかえりを実践していったときに、「ファシリテーターとしてどうやって動けばいいのか」「どういう意図があってこのアクティビティが構成されているのか」というのがわからず、苦心・試行錯誤しながら自分なりの形を作り上げていった、という経験がありました。「これだけ!KPT」ではKPTについて非常に深く洞察され、手法も書いてあるのですが、ほかの手法に何かしら活かせるものはないだろうか、ということを考えながらふりかえりをやっていたりしました。

そうした自分自身の経験から、「ふりかえりをこれから始めたい」「ふりかえりがうまくいっていない」人を明確なターゲットとして、ふりかえりの参加者、ファシリテーター両方の側面から、どのようにふりかえりへアプローチすればよいのか、という視点を盛り込み、計20のアクティビティを記載することを決めました。
一度本を完成させているのもあり、執筆のリズムも出来てきたのもあって、今回はスムーズにコンテンツが揃っていったように思います。

表紙を作る

こちらは同僚のデザイナーである佐々木さんにお願いしました。以前より懇意にしていたこともあり、今回の依頼を快諾していただき、非常に助かりました。

イメージだけ伝えて丸投げ状態…だったのですが、すばらしいデザインに仕上げていただきました。

私の(対外での)イメージカラーである黄色と、ふりかえりによる成長をイメージする緑色や木々、そしてカイゼンのループを表す矢印、という3つのコンセプトの盛り込まれたデザインに仕上げていただきました。表紙があるのとないのとで、本の見栄えやイメージがガラリと変わる、というのを身をもって経験しました。

そして出版へ

技術書典5では稲山さんに教えていただいたpoplsというサイトから入稿しました。
こちらの使い方も丁寧に教えていただきました。圧倒的感謝…!
色々poplsの担当者とメッセージや電話でのやりとりはあったものの、問題なく入稿でき、本が仕上がりました。
技術書典向けに150冊を送り、私の手元にも50冊。
届いたときには、本を手に取っただけで感動しました。
コピー本とはレベルの違う達成感です。
そして、技術書典当日…!!

いろんな方に手にとってもらえた

いろんな方に手にとっていただき、戦利品としての写真をupしていただきました。当日行けなかったのが本当に悔やまれるレベルです。
現時点でもいろんな方にtwitterやブログ等で書評をいただいており、うれしい限りです。
読者の声が力になる、というのを体験できました。

今回の執筆活動をふりかえって

ふりかえると、アジャイルなやり方を意識的に取り入れながら執筆をしていました。

  • Fail Fast
  • スモールバッチ
  • インクリメント
  • 持続可能なペース

などなど。また、本を書くことによって、自身のこれまで作ってきた講演資料(ppt)を読み直したり、手元にまとめていたアクティビティの資料を読み直して最新化したり、twitterの発言を見返したり、と、自分自身がたどってきた道をふりかえる機会にもなったと思っています。
体系的に知識がまとまることで、今後いろんなところでワークショップをしたり、研修をしたり、講演したりする際にも厚みが出るかな、というのもいい点でした。
また、周りで本を出版されている方々のモチベーションの源泉やすごさ、というものの一端も垣間見えたかな、と思います。
本当に、「書いてよかった」と思っています。

こうして私も執筆沼へと一歩越境しました。
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皆さんも、1冊、まずはコピー本からでもいいので、自身の経験や知識をまとめてみる、というのはいかがでしょうか。
きっと、今まで知らなかった世界が開けるはずです。

次に向けてのモチベーション

場作りの話はひとまずは書ききったので、次はふりかえりのアクティビティを紹介する本を書きたいなぁ、と考えています。本当にいろいろな、私が経験しただけでも60近くのアクティビティがあります。それぞれに特性があり、使いどころも違うため、いろんなふりかえりのやり方を知っていただき、「やってみよう」と思えるような本を作りたいなぁと。
本業や講演等の頻度が下がってしまうのはあるのですが、名古屋にいる間は執筆に集中できる状態は作れそうなので、早いうちから着手していきたいな、と思う次第です。

ゆくゆくは、ふりかえり図鑑的な、ふりかえりのやり方をまとめた本を出版できれば、というのが今後の目標です。

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