Scrum Fest Osaka 2021 Day 2
2021/06/26に開催されたScrum Fest Osaka 2021 Day 2のイベントレポートです。
金沢トラックの飯久保さんのセッション「マインドと組織の変革 ~北國銀行における事例~の内容」の感想を記事化しています。
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム4人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
私は一人で金沢トラックに一日いました。
この記事では、お話をきいたうえで私が感じたことをまとめていきたいと思います。
顧客:北國銀行
金沢市に本店を持つ銀行。金融系だけではなくITにもソリューションを出している。
中期経営計画
銀行業だけでなく、次世代の地域総合会社を目指している。
地域全体のイノベーションに貢献する。
ただ、地方銀行を取り巻く環境は非常に厳しくなってきている。
そこで、一般的に想像する金融業だけでなく、DXの道を選んだ。
北國銀行の考えるDX
単なるデジタルの活用だけでなく、働き方・銀行そのものをデジタルで根本的に変えていく。
テクノロジーを戦略に活用するだけでなく、人や組織を変革し、地域社会をより良い方向に変革し続ける。
そして、北國銀行ブランドの実現を目指す。
議論する組織風土
対話型の議論やプロジェクト単位の意思決定を重要視。
社内外とのコラボレーションをして、アジャイル型な組織を目指す。
従来の北國銀行
真面目・誠実。
逆に言うと多様性が足りない。
役員は神様。
内向きな思考。
何かを進めるときに、「上層部が言うことが正しい」「過去の事例が正しい」として新しいことにチャレンジしにくい
コラボレーションがなかなかない
ここから徐々に変わってきてはいる。
システム開発で起きていたこと
複雑な組織構造のため、提供されるサービスも複雑になってしまう「コンウェイの法則」が発動していた。
- 声が大きい人の仕様がそのまま採用され、フィードバックループが回らない。または一部しかない。
- 既存の業務の仕様がそのまま踏襲される。紙ベース・デジタルでないやり方をそのままデジタル化しただけになっている。
- お客様不在で仕様が決められる。なかなかお客様の意見を尊重できていない。
- 新しい発想が出てこない。
- 声の大きい人同士が並列で議論していて、意思決定スピードが遅い
- 責任の押し付け合い・部署間の言った言わない問題
- 内向的。外のことを考えないといけないときに「だれのためになんのためにやっているのか」というのを考えるようにしないといけない。
いろいろやってみた
DevOpsシミュレーション研修(フェニックスプロジェクトワークショップ)
上の方から下の方まで、多くの人に参加してもらった。
新入社員に向けてアジャイル研修
全員に向けてアジャイルってなんですか?を説明
システム子会社の設立とDX人材の採用
ITに携わる人の比率を上げていく
クラウドとアジャイル型開発の採用
ITではアジャイルの考え方は浸透していたが、IT外の人にもアジャイルの進め方を浸透
DevOpsシミュレーション研修
ダイバーシティ(部署・年齢など)をあわせて、丸1日缶詰。
ちょっとでも新しいことを体験してみて、アンチフラジャイル/アジリティを学んでいく。
昔ながらの金融だけでなく、いろんな世界を持ってやっていく意識。
部署内で対話が行われるようになっただけでなく、部署間で対話が進むようになった。
新入社員も「モノ申すのはダメだ」と思っていた人が多かったが、あっているかあっていないか関わらず発言できるようになった。
新入社員の女性が覚醒し、色々話すようになってから、「自分たちもやっていいんだ」と思う社員が増えてきた。
変化の成功要因
トップダウンアプローチ
人事部出身の人が頭取になる風潮があったが、IT出身の人が頭取になり、デジタル化がうまく進んでいる。
ミドルマネジメント層
中間管理職の人も考え方に賛同し、やらされ感ではなく進んでいく。
チーム・組織・自律性・権限移譲。
これによってコラボレーションが生まれていった
感想
私もよくお世話になっているITプレナーズさんの講演でした。
フェニックスプロジェクトの効果は私も体感させていただいている(ファシリテーター資格もいただいている)のですが、こうしたIT外の企業でもうまく変化のきっかけにつながっている、というのが素晴らしいと思います。
トップダウンからアプローチできる、のも成功要因として大事ですね。組織変革の参考にさせていただきました。