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(レポート)Management 3.0 〜良いフィードバックと給料を与える方法〜

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はじめに

Management 3.0 〜良いフィードバックと給料を与える方法〜 に参加してきました。

チームや個人へのフィードバックによいやり方はないかな?というモチベーションのもと、タイトルに釣られて行ってきた次第です。

ワークショップの概要

このワークショップでは、Management 3.0の目的・概要と、Management 3.0で取り上げているモジュール(プラクティス)の3つを実体験することができました。メモについてはいつものようにグラフィックレコードで取っています。

Management 3.0 とは

スクラムでいう「自己組織化」した組織を作るための概念であり、その概念を実現するために様々なモジュールが提供されています。1.0⇒2.0⇒3.0と概念が変わっていきますので、それぞれ紹介します。
(あくまで私の理解を記載しています)

Management 1.0

「トップダウンの組織構造」により、人を機械(≒リソース)のように扱う考え方です。このやり方では、責任を持つのはトップであり、ボトムになればなるほど、「言われたことをやる」状態になります。そのため、どんどんモチベーションは下がっていきます。

Management 2.0

Management 1.0で課題となっていたモチベーションの低下を抑えるためのアイデア(たとえば、残業規制など)
を盛り込んだものです。結局、根本的な改善はされていません。現代日本のほぼ全ての大企業がこの組織だと思われます。

Management 3.0

組織が人をマネジメントするのでなく、人が組織(システム)をマネジメントする概念です。
人同士が相互に協調しあい、お互いのよさを引き出す、いわゆる自己組織化の状態を目指します。モチベーションはアップし、成長が続くことにより成果もより出やすくなります。

Moving Motivators

価値が記載されている10枚のカードを使ったゲームです。自分が大事だと思う価値を選び、それを他の人に共有することで、様々な価値観があることを学び、認め合います。
アジャイル開発では、「インセプションデッキ」などでゴールや価値観の共通認識を持ちますが、Moving Motivatorsではより本質的な「価値感」を共有することが出来るため、チームビルディングにて大きな力を発揮すると思われます。ふりかえりのチェックインとしても有効活用できそうです。
Moving Motivatorsのカードはダウンロードできるそうです。詳細は 日本ではムービングモチベータース・ゲームがリリースされました! の記事をご参照ください。

フィードフォースにおける取り組み例 (Experience Report)

スライド

内容

@hapicky さんによる、社内での取り組み事例の話を聞かせていただきました。自発的な学びを推奨するために、勉強会の開催や、社外活動の支援を行っている、という内容でした。
「自発的な学び」「ADKARモデル」は是非持ち帰り使いたい考え方の1つです。
ADKARモデルとは、自身が変革を根付かせるために必要な5要素

  • Awareness(認識)
  • Desire(欲求)
  • Knowledge(知識)
  • Ability(能力)
  • Reinforcement(補強)

を定義したものです。どこで詰まってしまっているのかを分析するのにもよい手法です。
社内外でのスクラム・カンバン・ふりかえり等の普及活動をする際に、自身に何が足りていないのか、を分析するとよさそうです。

ワークショップ

「良いフィードバックを与える方法(Feedback Wrap)」「Salary Formula」の2つのモジュールをワークショップで2グループに分かれて学びました。
ワークショップの構成はざっくり以下のとおり。

  • 2グループに分かれる(好きなテーマでよい)
  • モジュールの概要を学ぶ
  • モジュールの流れを知る
  • 事例にしたがって、モジュールの流れに沿ってロールプレイする
  • 別グループに伝えるためのプレゼンテーション資料を作る
  • 共有しあう

私はFeedback Wrapのグループに参加しました。ワークショップの構成は協調学習の「エキスパート活動」を意識して作っているものと思われます。随所に学びのための工夫がちりばめられており、参考になりました。

Feedback Wrapの考え方

ファシグラさせていただきました。
FeedbackWrapでは以下のステップでフィードバックを行います。

  1. コンテキストをface-to-faceで話す
  2. 良かったこと、悪かったことをリストアップして話す
  3. 感情を伝える
  4. 行動による悪影響を話す
  5. 行動を変えることによる良い影響を話す
  6. アクションを提案する

よくありがちなのは、1と6だけ一方的に伝えて、「直せよ!」で終わるパターン。または、1と3だけ一方的に伝えて「私はこう思ったんだけどなんとかしてよね!」で終わりのパターンかと思います。
チーム内でのコミュニケーションはもちろんのこと、家庭内でも(頑張れば)使えそうです。スクラムマスターとしてのティーチング・コーチングスキルの向上にも役立つ考え方であり、明日からでも実践しようと思いました。

Salary Formulaの考え方

会社の従業員全員の価値観を話し合い、どんな価値を出すとどの給与になるのか、を明確な数式としてあらわしたものです。この数式は公開され、新規雇用の際にも役立ちます。新規参入者からすれば、あらかじめ文化や価値観が見えるため、入りたい企業を選ぶことがしやすくなります。雇用側からすれば、価値観の合わない人間は募集に引っかかりづらく、かつ、一度企業に入れば離職されづらい、というメリットがあります。
最初から全員で計算式を決めるのは難しいため、小さなチーム(人事など)から徐々に枠を広げていき、最終的にメンバー全員がある程度納得できるものを作ればよい、と述べていました。

ワークショップを通じて

Management 3.0にかなり惹かれました。スクラムにも取り入れやすい要素が多く、チームで働くうえで必要な要素がいっぱい入っていると感じています。近いうちに認定ワークショップも行ってみたいですね。
また、講師のステファンさんのファシリテーションが素晴らしいですね。場の様子を見て、時間切りにするか、時間を延ばすか都度判断しながら進めていたほか、参加者が多い中、困っていそうなところがあれば助けにいくなど、ファシリテーションテクニックとして学べるところが多かったです。

後日談

今回学んだ内容は、翌日にチーム内にすぐに展開しました。Feedback Wrapの考え方は皆共感してくれた様子。チームの自己組織化への布石を投じれたかと思います。

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