0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

地獄の幕開け

ノートパソコンの裏面のネジが、外れていた
――ただそれだけの、小さな、小さな出来事だった。

だが、それがすべての始まり。
まさかそこから地獄が展開するとは、誰が予想できただろうか。

結論から言っておく。
この記事はまだ完結していない。解決編ではない。
そして、ROMライターによる復旧記録を期待している人は回れ右だ。

イキった代償

事件は、ささいな「仕様変更」から始まった。

ノートパソコンを開け閉めするだけで、電源ボタンが物理的に押されるようになっていたのだ。
ボタンがケースに干渉し、パカパカするたびに電源がON/OFFされるという謎機能が爆誕。

当然、普通なら即修理すべき案件だ。
しかし、私はそれを面白がってしまった

「馬鹿みたいだろw」
と、友人に見せながら、笑っていた――そのときまでは。

次の瞬間、パソコンは沈黙した。
画面は映らず、ファンは全力で唸り、光るのはキーボードだけ。
完全に、死んだのだった。

機種

  • MSI GF63 Thin 10UC-629JP

最低限のゲームができる、薄型でコスパ良いやつ。
それが――死んだ。

症状

  • ディスプレイ出力が来ない(=画面真っ暗)
  • ファンが全力で回り続けている(うるせえ)
  • キーボードだけは点灯している(ここだけ元気)

電源は入る、ファンは回る、でも何も映らない
誰かのせいにしたいが自分の顔しか映らない

原因推察

この症状、どこかで見たことがある。

自作PCでCPU補助電源を挿し忘れたときのアレと瓜二つなのだ。

PCの起動プロセスはだいたい共通していて、めっちゃざっくり言うとこんな感じ

  1. CPU
  2. BIOS読み込み
  3. DRAM
  4. VGA(GPUとか)
  5. Boot

この順番でハードウェアに異常がないかチェックされながら進行する。
この一連の流れを「POST(Power On Self Test)」と呼ぶ。

POSTのどこかでコケると、ブートデバイスが選ばれず、OS起動には至らない


で、今回の状況を振り返る。

  • ファン → 全力で回っている
  • ディスプレイ → 完全に無反応
  • キーボード → 元気に光散らかしている

この時点で、マザーボード全体が焼き尽くされたわけではなさそうだと判断できる。
電源ラインや組み込み系はまだ生きている気配がある。

しかし、ファンに制御信号が行かず、最大電圧で回り続けるというのはPOSTの初期段階、
具体的には「CPU or BIOSが読めてない」時に起こりがちな現象。


つまり──

BIOSチップが論理的に死んでるんじゃね?

という結論に至った。

いや、マジで。
電源パカパカしてただけなのに、
罪、重すぎませんか?????

やったこと

さすがにBIOSチップを直接触った経験はない。
なので、まずは「ほんとにBIOSが死んでるのか?」を確信するために、いろいろ試してみた。

やったことは主にこの2つ:

  1. CMOSクリア
  2. M.2 SSDの確認

CMOSクリア

CMOSクリアってなんぞ?という人のために、ざっくり解説。

CMOSとは、**Complementary Metal-Oxide Semiconductor(相補型金属酸化膜半導体)**の略。
トランジスタ構造の一種……らしい。正直詳しくはよくわからん。


CMOSに保存されているもの

  • BIOSの設定情報
    (ブート順・CPU設定・セキュリティ・ファン回転数など)
  • 時刻情報
    (Windowsの右下にあるアレ)

この時刻情報がズレてると、通信エラーや証明書エラー、ファイルの保存時刻が逝かれるんじゃ。
1970年1月1日によくタイムスリップしたことない?
時刻情報が吹っ飛んだとき、UNIX系だと1970年1月1日を起点としてるんからなんだよね

まぁWindowsの起点は1601年1月1日なんだけど
グレゴリオ暦の整合性とか、VMS系の影響とか、大人の事情があるらしい。

時刻リセットしてるときは覚悟決めてマザボ弄ろうな!!先生との約束だぞ


CMOSは低消費電力型のRAM

CMOSは電源が切れたら内容が消えるRAMなんだけど、めちゃくちゃ低電力で動く。
なので、常時電流を供給するために**ボタン電池(CR2032など)**が使われてる。


つまり、CMOSクリアとは?

「ブートおかしいから、一回電池抜いて初期化しとくか」

ボタン電池を抜いてから電源ボタンを連打すると、トランジスタが放電されて初期化される。
最近のマザボは全部がRAMってわけでもなく、一部はFlash ROMで保持されてるけど、
それでも「おまじない」的に使われ続けているのがCMOSクリア。

昔からの名残で、「BIOS設定保存領域」=CMOS って呼び続けられているわけ。


で、結果どうなったかというと?

意味なかった

知ってた!!!知ってたけども!!!


...私は……楽をしたかった!!!!


M.2 SSDの確認

次に疑ったのはストレージ。
M.2 SSDをUSB化できるケースにぶっ挿して、他のPCで読み込めるかをチェック。

結果:

  • データは全部残ってた
  • 別デバイスから普通にブートできた

つまり、SSDは無罪。
「メモリコントローラが死んでたらブートすらできんから……(1敗)」


小まとめ:

BIOS → 死亡疑惑濃厚
CMOS → お祓いしても効果なし
SSD → 生存確認済み
残る道はひとつ……

ROMライター、出番だ。

これからやること

いよいよ次のフェーズ――
ROMライター、出陣。

無題.png

クソ雑魚駆け出し赤ちゃんが、なぜかROM焼きに手を出そうとしています。
誰か止めてくれ


BIOSチップの型番特定は済んでいるので、あとは読み出して書き戻すだけ……
のはずなんだけど、ROMライターって意外と罠が多い。

特にクリップミスや電圧設定ミスで、BIOSチップを物理的に壊す可能性もあるので、
本当にやる場合は自己責任でお願いします。

私も一歩間違えば焼き殺しかねないので、記事にできるようがんばります……

誤りや指摘があればめっちゃありがたいです!!!

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?