はじめに
こんにちは。デバイスソリューション部 XRチームの道下です。
前年のアドベントカレンダーではChatGPTとQuest3を組み合わせたAIとのコミュニケーションを試すという記事を書きました。
私は毎年、その年の中で一番興味を持ったことを記事にしています。
2024年は、Apple Vision Proが国内外で販売を開始し、これまでのXRという言葉がApple Vision Proと共に「空間コンピューティング」という言葉に再定義され、認知され始めた年だったと感じています。
Apple Vision ProとMacをシームレスに接続し、アプリのビルド、デプロイ、起動までをApple Vision Proを装着したままで行えるようになりました。これまでのVRデバイスではゲームコンテンツが多くを占めていた中で、Apple Vision Proは日常に溶け込み、作業を効率化するための1つの答えを提示していると感じました。
Quest3にも空間上にPC画面を表示するソフトはいくつかあり、今回は最近購入したVirtual Desktopがとても良い体験だったのでそのことについて書こうと思います。
Virtual Desktopとは
Virtual Desktopは、Virtual Desktop, Inc.が開発したVR空間でPCデスクトップを表示し、操作できるソフトウェアです。リリースは2016年で、当初はOculus RiftやHTC Viveに対応したプロダクトとして登場し、その後継続的にアップデートされ、現在ではMeta Questシリーズにも対応しています。
Quest 3用のVirtual DesktopはMetaストアから購入可能で、価格は2490円となっています。
なぜ今Virtual Desktop?
同じカテゴリのソフトウェアにはImmersedやMeta Horizon Workroomsといった類似アプリがあります。
私は元々Immersedを使っており、無料で始めやすい、マルチディスプレイが可能である点に魅力を感じていました。
ただ、今回Virtual Desktopに注目したのは、リモート接続機能です。要はQuest3とインターネット環境さえあれば、どこにいても自宅PCをマルチディスプレイで操作(今年の5月にマルチディスプレイに対応)できるのではないか、と考えたからです。
またVirtualDesktopでは、VRコントローラーの入力でPCを操作できる(タッチパネルのようなイメージ)、キーボードはQuest3本体へBluetooth接続で使用できるのも良いと思い、購入しました。
実際の使用感
まず同一ネットワーク内での接続から
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仮想空間がより現実に近い
- PCディスプレイやテレビ、映画館のスクリーンが「現実的な位置」に配置されているため、「ここで何かを見る」という行動を自然にさせるデザインになっていました。
- 周辺環境を見てみると車の移動が滑らかでVR空間にいるという違和感を感じにくいというのもこの体験の良さに繋がっていると感じました。
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ディスプレイ操作UIの良さ
- Virtual Desktopでは、環境によってメインディスプレイはロックされた状態にあり、他の画面の位置変更やスケール変更は画面の上部にあり、かつ「タップ操作」をする必要があります。Quest3ではカメラが下向きについており、手を認識するエリアが増えた代わりに誤操作するケースが多かったです。VirtualDesktopでは敢えて操作を限定することで誤操作を減らしている印象でした。
続いて、リモート接続(今回はWifiが利用できるカフェでQuest3を被りました。)
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リモート接続
- まず、これほんとにできるんだ...が第一印象でした。カフェのWifiではありましたが、Quest3とBluetoothキーボード、マウス、Quest3のみで自宅PCをマルチディスプレイで操作することが出来ました。これができるならもうPC持っていかなくていいじゃん..とさえ思いました。
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スペースを取らない
- 動画撮影時は窓側の席で狭かったです。さすがに快適とまではいきませんが、キーボードとマウスを置くスペースさえあれば操作できるので場所を選ばないのでそこは利点かなと思いました。また、周辺環境は動画のようにパススルーもできますし、変更することもできますので、圧迫感なく作業できるかなと感じました。
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課題もいくつかある
まとめ
今回はVirtual Desktopに関する記事を書きました。
VirtualDesktopを購入検討している際、リモート接続やマルチディスプレイについての記事は少なく、「本当にリモート接続でマルチディスプレイできるの?」と思っていたので、同じような人の参考になればと思います。
今後もXRに関する記事を書いていきたいと思っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。