“一度も訪れたことのない国でございますが、それでも私の心の中に生き続けている国でございます。”
※この記事は、日本語を学びながらITを学ぶ海外の学生としての視点から、日本語学習のモチベーションやプロセスを共有するものです。
はじめに
私はインド出身で、工学大学にて情報技術を学んでおります。
ある日、ふるさとの図書館で手にした一冊の古い英語の本「Peeps at Many Lands: Japan」が、私の人生を大きく変えました。
この記事では、その本との出会いから始まった日本語学習の旅と、そこから得られた学び、将来の夢についてお話しいたします。
日本語との出会い:一冊の本が開いた新しい世界
大学に入るころのある午後、私はふるさとの図書館を訪れました。
その日、目に留まったのが「Peeps at Many Lands: Japan」という本でした。
表紙は少し古びていましたが、不思議と心を惹かれました。
その本には、日本の自然、文化、家族の絆、人とのつながり、そして“日の出の国”としての美しさが描かれていました。
読んでいるうちに、まるで日の出を見たときのような感動が私の心を満たしました。
それは知識以上に、心に届く深い感動でした。
日本語を学ぼうと思った理由
本を閉じたとき、心に小さな種がまかれたような感覚がありました。
日本語を学びたいという強い想いが生まれたのです。
日本には文化的な美しさだけでなく、日常生活における先進技術もあることを知り、
「そんな日本のことばを学びたい」と自然に思うようになりました。
叔父が少し日本語を教えてくれていたこともあり、その応援が私に自信を与えてくれました。
日本語学習で感じたこと
言葉はその国の文化を映す鏡だと感じました。
ひらがな・カタカナ・漢字の三つの文字は難しかったですが、一文字一文字に意味があり、学ぶごとに深さを感じました。
現在、私はN2レベルを学んでおり、文法・読解・会話に取り組んでいます。
「ありがとう」や「ごめんなさい」の一言にも、やさしさや思いやりが込められていることに気づきました。
教えることで学ぶ:10人の学生との経験
自分で学ぶだけでなく、大学で10人の学生に日本語を教える経験もしました。
教えることで、言語に対する理解も深まりました。
また、アニメや映画、音楽、そして日本人の友人との会話など、日常の中に学びの機会が広がっています。
私の夢:日本で働き、学び続ける
私は将来、日本の技術分野で働きたいと願っています。
さくらの花の下を歩き、地元のお祭りに参加し、富士山に登ることも夢のひとつです。
日本語を学ぶことで、忍耐力、意欲、そして他者への思いやりを育てることができました。
この道を進む勇気をくれたのは、一冊の本との出会いでした。
おわりに
「日本は一度も訪れたことのない国ですが、それでも私の心の中に生き続けている国です。」
この思いを胸に、これからも日本語の学びを深め、技術と文化の橋を築く存在になれるよう努力を続けてまいります。