この記事はモチベーションクラウドシリーズアドベントカレンダー2021の20日目の記事です。
モチベーションクラウドシリーズの開発チームでエンジニアリングマネージャーをしている江上です。
弊社開発チームでは、モチベーション向上に関わる様々な施策を実施しています。半年〜年に一度、若手個人のキャリアを考える「輝かしい未来を考える会」もその一つです。
本記事では、「輝かしい未来を考える会」で解決できることや、そのやり方を紹介していきます。
強くなりたい、成長したいと願う方々が、一人でも多くステップアップするための一助になれば幸いです。
成長したいけど、どう成長したらいいのかわからない
これは、誰しもが抱く悩みではないでしょうか。特に若手の頃は顕著だと思います。「仕事はできるようになりたい。一人前になりたい」と思っているものの、仕事ごとに求められることが変わり、何ができるようになれば正解なのか?どう成長したらいいのか?がわからなくなることはよくあります。
この会を実施するきっかけになったのも、若手エンジニアが日々の仕事に忙殺される中で、これらが、自分の未来の何に繋がっているのか?を描けず、結果的に目の前のことに集中できなくなったことでした。
そこで、上司や先輩と共に個人のキャリアを考えて未来を描く会を定期的に実施することにしました。
輝かしい未来を考える会とは
「輝かしい未来を考える会」は上司・アドバイザー・若手の3人で、若手本人のサクセスストーリーを作るワークです。このワークは、モチベーションの公式(※1)とストーリーを魅力的に伝えるためのSTAGEの法則(※2)を参考にして作成されています。
未来を描くことで、若手としては今やってることと未来を接続でき、目標の魅力も高めることができます。
また、上司としても本人と合意した未来があることで、挑戦的なアサインができたり、目標のすり合わせがスムーズになるなどの効果があります。
挑戦するタスクを決めるところまでやるためには、参加者に上司を含むのがベストですが、先輩だけでも構いません。一人でキャリアを考えるときにも幾分かの参考にはなるかと思いますので、ぜひ目を通していただければと思います。
以下で、具体的なやり方を示していきます
会の枠組み
ゴール
本人が納得する、3-5年後を意識した1年後の魅力的な目標が設定できること
です。本人の納得感が何よりも大事です。
対象者
若手社員
中途社員も含みます
参加者
自分・上司・アドバイザー
アドバイザーは自分が選びます。もし、直属上司に仕事のアサイン権限がない場合は、アドバイザーにアサイン権限のある人をいれます。
実施時期と頻度
半年〜1年に一度
ここで、注意点が最初の実施時期です。本人の将来を左右する大切な話をするため、参加者間に一定の信頼関係が構築された状態でなければなりません。また、ある程度どういう仕事があるのか?本人も知っている必要があります。そのため、配属や中途入社から半年ほど経ってからやるのが有効です。
実施時間
1~1.5時間
特に、初回は前提の共有などもあるので、1.5時間確保しておくことをおすすめしています。
会のアウトプット
モチベーションの公式の要素である「目標の魅力」「目標の達成可能性」「危機感」を最大化するように、STAGEの観点「Situation(状況)」「Trouble(困難・挑戦)」「Action(行動)」「Goal(結果)」「Epilogue(意義)」に沿って、ストーリーを表現します。ホワイトボードやdraw.ioに書くことが多いです。
会の進め方
step1. Epilogue, Goal ~ 未来を描く ~
3-10年後の未来としてのEpilogueと1年後のGoalを記載していきます。
ここで大切なのは、『輝かしい』未来を設定することです。達成可能性よりも自分が強く願っているか?を重視してください。全部うまくいった前提くらいで書いておくと良いです。また、「他の人からどう思われてる状態か?」「何ができてる状態か?」などの観点も含んでいるとより目指したい未来を作れると思います。
こうして作られた未来で「目標の魅力」を最大化します。
上司・アドバイザーのPOINT
step2. Situation ~ 現状を把握する ~
自分が今できること、できるようになったことを書き出していきます。
上司・アドバイザーのPOINT
step3. Trouble ~ チャレンジを設定する ~
SituationとGoalの差分を書き出します。その中から、頑張れば達成できるようなチャレンジを設定します。
いつ、どういう風に凹むのか?まで描けていると最高です。
こうして作られたチャレンジは、これを超えないと未来を達成できないという「危機感」と、もうすぐ大変になりそうだという「危機感」を醸成します。
上司・アドバイザーのPOINT
step4. Action ~ チャレンジの乗り越え方を定める ~
Troubleに対して、どういう行動をすれば乗り越えられるか?を書いていきます。Troubleで設定したチャレンジは今の行動を変えない限り達成できない難易度の高いものです。上司・アドバイザーの経験から、予め起きうることとその対策を聞いておくことで、迷子になる確率を減らすことができます。
こうして作られた行動リストは、「目標の達成可能性」を高めます
step5. アウトプットの公表
出来上がったストーリーを公表します。Slackにアウトプットの画像を投稿したり、グループの定例で発表したりします。これにより、コミットメント効果もえられます。
最後に
本記事では、弊社開発チームで実際に行っている育成施策について紹介をしました。
この施策を実施した若手エンジニアからは
「『MUSTをこなす自分に満足』していた状態から抜け出し、新たな取り組みを提案したりチームをリードするきっかけになった」
「改めて自分の目指す先が見えた!次の挑戦もきまったので頑張りたい」
などポジティブな声をよく聞きます。
また、「言われたことが出来る」から「上司の仕事を奪える」になりたい新人に必要な守破離などを読むとより実態がわかると思います。
そして驚くことに、振り返ってみると描いた未来が実現しているというケースは非常に多いです。
実際、描いた通り果敢にチャレンジし、新卒3年目で1プロダクトのテックリードを任せられるまで成長した人もいます。
この記事をきっかけに、それぞれの輝かしい未来が多く実現されることを願っています。
参考文献
※1 モチベーションの公式: モチベーション向上の鉄則とは~モチベーション向上の公式~
※2 STAGEの法則: トップ人事コンサルタントが明かす いる社員、いらない社員