はじめに
リリース前(β段階)のアプリを用いて、ターゲットユーザー層にプレイしてもらい、いくつかの観点に関してのアンケートを答えてもらう。そのアンケート結果を分析し、開発側が売りとしている内容、面白さが伝わっているか、市場のユーザーに刺さっているか という内容を定量、定性で評価し課題を抽出する事。
上記のテストのお話をします。
会社によっては、「ユーザーテスト」だったり、「モニタリングテスト」だったり、「フォーカステスト」といろいろな呼称があるのですが、ここでは「ユーザーテスト」で統一します。
何でやるの?(Why)
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開発費〇〇億円、想定DAU〇〇、想定ARPPU〇〇、〇〇ヵ月後には回収できます!
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サービス終了のお知らせ。
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UI/UXは開発工数削減の為、(自社の)アプリを流用します!
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ストアレビュー 2.X。
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IPものはここが一番有名なところだから実装しよう!
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え、全然世界観違う!原作の再現性ないけど。。。
みたいな悲しい経験ってありませんか?ありますよね?あるでしょう!
例としてあるあるを記載しましたが、開発メンバーは、どうしても作り手の視点となってしまいユーザー目線での視点が抜けてしまう場合があります。社内のレビューに関しては、Fix会/ブラッシュアップ会がありますが、チェック内容が多岐にわたっておりユーザー目線での評価や課題抽出が必ずしもできているとは言い難いです。
結果として課題を把握できないまま開発が進み、そのままリリースされてしまい、負けるべくして負けている状況に!
何をやるの?(What)
- 課題の早期発見
- ユーザー目線でのゲームの評価
この2点を目的としてやっていくことが望ましいと思います。
面白いアプリ、ユーザーが求めているアプリを作らないと売れない(継続しない)市場です。売れるアプリを出せる可能性を高める為にQA側として何ができるか。
どうやってやるの?(How)
- ユーザーテストが実施可能(ここでの「可能」とは想定のペルソナを用意できる)な外部ベンダーの選定
- 開発側と見たい内容(目的)、観点のすり合わせ
- 市場ユーザーの定義(ペルソナ)のすり合わせ
- 2ですりあわせた内容を盛り込んだアンケートの作成
- 実施日、実施回数の決定
- アンケートの結果を分析しレポート作成
※ペルソナ:ターゲットユーザー(性別、年代、課金層、ベンチマークアプリのプレイ経験などから選定)
経験談なのですが
「2」と「3」をしっかり決めないと無駄なテストになってしまいます。QA側で大枠を決めてあげると開発側もイメージがしやすく、すぐ決まる傾向でした。
「4」は見たほうが良い4つの大項目があります。
総合評価、継続意向、課金意向、事前期待
この4項目は売上に最も関わる内容です。
やろうとしても大きな壁が立ちはばかる
- ユーザーテストの有用性が提示できなくて実行に踏み込めない、上司/プロダクト説得できない
- やれたと思ったら、β終盤じゃないとゲームが動かないのでテストできない
- そのため、改善案が入らずリリースされてしまう
- 分析まで外部ベンダー依頼するとコスト高くて、「予算がない」って言われるし
- 内製でやろうとしても、分析(言葉で伝える力)はスキルいるし、工数ないし
壁ばかりです。
でも安心してください!このブログに解決方法を記載します!
解決策
- ユーザーテストの有用性が提示できなくて実行に踏み込めない、上司/プロダクト説得できない
開発側と仲良くしましょう。
市場不具合が出ることはよくあります。開発側が原因でも、QA側が原因でも、開発側全員で解決しましょう。
普段のQA業務でテストだけではなく、仕様のレビューだったり、新規の仕様を提案するなど、テストをやる人だけという概念をなくし信頼関係を築きましょう。
説得するのは上司でなく、経営層もとい会社です!
例えばリリース承認会議で経営者に訴えるのです!経営層はプレリリース結果として見てもらえる可能性が高いので興味ありです。そうすることで会社全体がユーザーテストに興味を持つようになります。
- やれたと思ったら、β終盤じゃないとゲームが動かないのでテストできない
- そのため、改善案が入らずリリースされてしまう
実施回数を増やしましょう。
1回目はコア機能だけ実施する、2回目は定常機能を実施する、3回目は全機能で実施する。
こうすることで、段階的に改修の期間を設けることができます。
- 分析までベンダー依頼するとコスト高くて、「予算がない」って言われるし
- 内製でやろうとしても、分析(言葉で伝える力)はスキルいるし、工数ないし
最初はQA側で費用もつように上司説得しよう。(ここの説得方法はみなさんにお任せ)
分析は。。。慣れ!何回もレポート作成して、何回もレビューでダメ出しされて、強くなろう。
まとめ
ユーザーテストを実施したほうが良いことは漠然とわかりつつ、実際にどのような成果があるのか、開発側にはどのようなメリットがあるのか、数値としてあらわしづらいのが現状です。
でも業界としてこのテストの重要性は広まりつつあるので、他社の状況など調査してみることも一つの手法だと思います。