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Entra IDでゲスト招待の制限を設定する方法

Last updated at Posted at 2025-08-27

はじめに

Microsoft Entra ID(旧称:Azure Active Directory)を利用する組織では、「気づいたら多数の外部ユーザーがテナントに招待されていた」といった事態が発生することがあります。特に組織規模が大きくなると、「誰が」「いつ」「どのような権限で」招待を行ったのか把握するのが困難になります。

Entra IDの初期設定では、一般ユーザーはもちろん、ゲストユーザー自身にも新たなゲストを招待する権限が付与されています。これはコラボレーションの自由度を高める一方で、セキュリティやガバナンスの面で課題となることがあります。

本記事では、Entra IDにおけるゲスト招待の制限設定について、初級者でも理解しやすいよう段階的に解説します。適切な制限を設けることで、組織のセキュリティを維持しつつ、安全な外部コラボレーションが可能になります。

Entra IDにおけるゲスト招待の仕組み

ゲスト招待とは

Entra IDのゲスト招待(B2Bコラボレーション)機能を利用すると、組織外のユーザーを自社テナントに招待し、SharePointやMicrosoft Teamsなどのリソースへアクセスを許可できます。招待された外部ユーザーは「ゲストユーザー」としてディレクトリに登録されます。

初期設定での問題点

Microsoft公式ドキュメントによれば、Entra IDの既定設定では以下のようになっています:

既定では、組織内のすべてのユーザー(B2B コラボレーションのゲストユーザーを含む)が、外部ユーザーを招待できます。

参考:外部コラボレーションを構成する - Microsoft Learn

つまり、次のようなユーザーすべてにゲスト招待の権限があります:

  • 組織の一般ユーザー(メンバー)
  • 既に招待されたゲストユーザー
  • 管理者権限を持たないユーザー

この状態では、意図しない招待やリソースアクセスの拡大が発生しやすく、情報漏洩や管理負荷の増加につながるリスクがあります。

ゲスト招待制限の設定手順

1. Entra管理センターへアクセス

  1. Microsoft Entra管理センターにアクセス
  2. 全体管理者またはユーザー管理者のアカウントでサインイン
  3. 左側メニューから「Entra ID」→「External Identities」を選択
    20250721_8.png

※ 設定変更には全体管理者またはユーザー管理者の権限が必要です。

2. 外部コラボレーション設定の変更

  1. 「External Identities」メニューで「外部コラボレーションの設定」を選択
  2. 「ゲスト招待の制限」セクションを確認
  3. 設定の現在値を確認し、適切な制限レベルを選択
    20250721_9.png

ゲスト招待の制限レベルと特徴

以下の4つのオプションから、組織のポリシーに応じたレベルを選択できます:

設定項目 招待可能なユーザー 説明 制限レベル
ゲストと非管理者を含む組織内のすべてのユーザーがゲスト ユーザーを招待できる 全ユーザー(ゲストユーザーも含む) 組織内のゲストが他のゲストを招待可能 最も制限が少ない
メンバー アクセス許可を持つゲストを含むメンバー ユーザーと特定の管理者ロールに割り当てられたユーザーがゲスト ユーザーを招待できる メンバーユーザー + 特定の管理者ロール 一般ゲストは除外、メンバー権限を与えられたゲスト、メンバーと管理者が招待可能 中間レベルの制限
特定の管理者の役割に割り当てられているユーザーのみがゲスト ユーザーを招待できる ユーザー管理者、ゲスト招待元ロールのみ 管理者ロール保有者※1のみ招待可能 より制限的
管理者を含む組織内のすべてのユーザーがゲスト ユーザーを招待できない 誰も招待不可 組織内の全員がゲスト招待不可 最も制限が厳しい

※1 ユーザー管理者またはゲスト招待元のロールが必要です。

3. 設定の保存と反映の確認

  1. 設定を選択後、「保存」をクリック
  2. 設定内容が反映されているか確認
  3. 反映には数分かかる場合があります

検証のおすすめ:
テストユーザーで招待を試行し、意図した制限が動作しているか確認してください。

招待を制限されたユーザーの動作とエラー内容

操作時の挙動

制限されたユーザーが招待を試みた場合、次のような動作になります:

  1. 「新しいゲストユーザーの招待」画面で、通常通り入力フォームが表示される

  2. 「招待」ボタンを押すと、エラーが表示されて処理が失敗

  3. エラーメッセージ例:「この操作を完了するのに十分な特権がありません」
    20250721_10.png

  4. 招待は送信されず、ゲストも作成されません

管理者によるログ確認

  1. Entra管理センターで「Entra ID」→「監視と正常性」→「監査ログ」を選択
  2. アクティビティ欄で「Invite external user」で検索
  3. 対象の操作ログを確認し、エラー理由や対象ユーザーを把握
    20250721_11.png

よくあるトラブルと対処法

問題 原因と対策
設定後もゲストが招待可能 反映に時間がかかっている場合があります。数分~数十分後に再確認してください。
管理者でも招待できない アカウントに「ユーザー管理者」や「ゲスト招待元」のロールが正しく割り当てられているか確認してください。
既存ゲストに影響があるか心配 過去に招待されたゲストには影響ありません。ただし、新規招待は設定内容に従って制限されます。
特定のユーザーが制限を回避できる 条件付きアクセスポリシーや別のロール設定が影響している可能性があります。Entra ID Governanceとの整合性を確認してください。

まとめ

Entra IDにおけるゲスト招待の制限は、セキュリティガバナンスの基盤として非常に重要です。本記事の手順に従って設定を見直すことで、以下の効果が期待できます:

  • 不要な招待の抑止によるセキュリティ強化
  • 招待経路の明確化によるガバナンス強化
  • 内部統制・コンプライアンスへの対応
  • データ漏洩や不正アクセスリスクの低減

設定変更後も、定期的な見直しとユーザーへの周知・教育を継続することで、安全かつ効率的な外部コラボレーション環境を維持できます。

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