概要
「抽選で〇名様に,100万円あげます! 応募方法はいいねとリポストで…」
「ホワイト案件 日当10万 詳細はDMで」
1つ目の投稿を,あなたはきっと「明らかな詐欺じゃん」と笑い飛ばすことでしょう.(もちろんこの形の詐欺が流行ったということは騙される人も一定数いるのでしょうが.)
2つ目の投稿を,あなたはこう思うのではないでしょうか?
「きっと犯罪絡みだ.闇バイトに違いない.」
そして愚か者はこう思います.
「お,これ報酬いいな.話聞いてみよう.」
1つ目の投稿は "嘘の" うまい話だと思った.しかし2つ目の投稿は "真実の" 犯罪への勧誘だと思った.この信頼性の違いが闇バイト,ひいてはインターネット上の犯罪を撲滅する方法につながると考えます.
闇バイト勧誘の信頼性
市民vs犯罪者
1つめのような投稿は,市民に対する犯罪者の攻撃です.情報の受け手となる市民を騙して金を稼ごうとする犯罪者の攻撃です.
一方で闇バイト募集や,麻薬の密売などは,情報の受け手も犯罪者側です.市民の目をかいくぐって犯罪をしてやろうという仲間なのです.仲間は騙す必要がない.だから情報には信頼性があります.
報道による信頼性
1つ目の様な投稿は,様々なメディアや警察に「詐欺であり,犯罪の共犯にされる危険性さえある」と "嘘であること" を信頼できる情報源が保証しています.
一方で闇バイトについてはどうでしょうか.闇バイトは連日,闇バイトによる犯罪被害がメディアに取り上げられています.つまり "本当の犯罪求人募集" であることを信頼できる情報源が保証しています.
つまり犯罪してでもお金が欲しい人にとって,こういった投稿は「犯罪ノウハウのある組織と繋がれて,かつ仲間もできる」信頼性の高い求人情報なのです.
うまい話には裏がある.ならば…
常識的に,うまい話には裏があります.ただより高い物はありません.
でも闇バイトはそうでしょうか? 犯罪を行うというリスクがあります.うまい話ではなく報酬に見合ったリスクがある話なのです.だから信頼できます.
どうすればいいの?
「インターネット上の犯罪情報の信頼性を地に落とす」これが即応性,汎用性のある有力な方法だと思います.2つ目の投稿の信頼性を,1つめの投稿のレベルまで落とすのです.
AIを使って架空の犯罪情報をばらまきます.
・闇バイトに応募したのに待ち合わせに誰もこなかった
・麻薬を買ったのに何も届かなかった
こういった経験が犯罪者に積み重なったら,「闇バイト? あれほとんど嘘でしょ.全部AIだよ」となるんじゃないでしょうか? N倍の偽情報をばらまけば,犯罪契約が成立する確率は1/Nに.そしてそもそも母数が0になっていくでしょう.
なんで犯罪者ばっかり詐欺広告だしてるの? こっちからも攻撃してやろうぜ
「麻薬 売買 本物 見分け方」検索
この検索結果にでてくる,まとめサイトさえも,AIで偽造してしまいましょう.そうすれば誰が犯罪組織と接触できるでしょうか? やくざ公式Lineとかですか?
言論統制ではないか?
確かに,政府がやればそれは言論統制でしょう.しかしインターネットや検索エンジンの管理者でもない,いちユーザーがやれば,だれがそれを言論統制というでしょうか?
むしろそれらサービスの正常ではない使い方をする攻撃者,不正ユーザーの類でしょう.サービスの正常性を保つための必要悪,悪の犯罪者vs正義の犯罪者という感じでしょうか.
警察について
闇バイトに対する法改正や,警察の方々の並々ならぬ努力によって,いずれは闇バイトは撲滅されるでしょう.しかし犯罪組織は新たな犯罪を考えついて実行するのではないでしょうか.そのような場合でも,この方法はきっと有効だと思います.
サイバーパトロールについて
きっと警察組織との協力なしにこれを行えば,サイバーパトロールは破綻してしまうでしょう.偽の犯罪情報に暗号を含めるなどしてサイバーパトロールを邪魔しないような施策が必要です.
なるほど、完璧な作戦っスねーーっ
不可能だという点に目をつぶればよぉ~~.ジョジョ読んだことないけど引用させてもらいました.
この方法に必要なものは
・AIがSNSと連携して架空の犯罪広告を行い,応募者を匿名性の高いメッセージアプリに誘導し,待ち合わせを指示する.この一連のタスクを遂行できるシステム
・上記を開発,維持する経済力
そして何より,これはビジネスになりません.これらの点を鑑み,イーロンレベルじゃないと無理かな.ひろゆき…(金を)いれてもらうことはできるか?
最後に
もし既に同じことを考えていた人がいたらごめんなさい.思い付きで書いてるので先行研究とか調べてないです…