非機能要求グレードというドキュメントがある。元々はIPAによって2010年に公開されたもので、ざっくり言うとステークスホルダと非機能要件を詰めるために使えるツールで、2018年版が出たので改めて読んでみたが、なかなか便利なので紹介する。
このドキュメントの主役は「活用シート」と呼ばれるもので、下記に示すように様々な非機能要件を5段階で示している。
稼働率は99%(年に3.5日程度)か99.99%(年に1時間程度)かといった有名な指標のほか、忘れられがちな時刻同期もサーバだけ実施するか、系全体にするか、床荷重や電源までカバーされている。といっても1〜2時間もあれば目を通せる分量なので、経験の浅いエンジニアは、勘所を掴むために目を通してもよいだろう。
また、単に網羅性が高いと言うだけでない。分類もしっくりくる。プロジェクトのメンバーの分担を考える際に、そのまま使えそうなぐらい分離が良い。
- 可用性
- 性能・拡張性
- 運用・保守性
- 移行性
- セキュリティ
- システム環境・エコロジー
このドキュメントのおまけに付いてる「樹形図」は、この分類に沿って見出しをまとめたもので、6ページに収まるので手元においてプロジェクトの管理漏れをするのに適している。個人的には、この樹形図を最もよく使ってる。
全ドキュメントは英語・中国語も用意されているので海外のメンバーとのコミュニケーションにも使える。