はじめに
この記事は、以下の記事の続編です。
SSD 1TBとHDD 2TBが入っているDELL XPS 8960でのデュアルブートをしてからかなり時間が空いてしまいましたが、今回また別のPCをデュアルブートすることになったので、その備忘録もかねて公開します。
USBでLinuxをブートするための準備
Ubuntuをインストールするためのメディア(USBメモリ)を作成します。
手順としては、
-
ubuntu-24.04.2-desktop-amd64.iso
をダウンロード - balenaEtcher (あるいはRufus)を使って、ダウンロードしたisoファイルをUSBメモリに焼く
高速スタートアップの無効化
(タスクバーの検索窓に入力するなどして)コントロールパネルを開き、電源オプションを選択します。
パーティション分割
スタートメニューに、「ハード ディスク パーティションの作成とフォーマット」と入力して、アプリを開きます。
デフォルトではSSDやHDDといったハードディスクが全てWindowsで埋め尽くされている可能性があります。そのままではUbuntuをインストールするスペースがないので、パーティションを分割しましょう。
パーティション分割後のストレージはこんな感じ。
BitLockerの無効化
Windowsで設定アプリを開いて、「システム」→「バージョン情報」→BitLockerでBitLockerが無効になっていることを確認。
Secure Boot、Fast Bootの解除
WindowsでShiftキーを押しながら再起動するか、F2, F10, F12, Deleteのいずれかのキーを連打します。
UEFI(BIOS)の設定メニューが出てきたらそれでよし、ブルースクリーンにオプションの選択の画面が出てきたら「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」を選びます。
画面の指示に従って再起動をすると、設定画面が開きます。
PCのメーカーによって設定画面は異なるのですが、ASUSの場合はF7キーでAdvancedのメニューに移った後、「SETTINGS」→「Security」→「Secure Boot」を選択してDisabledにします。また、「SETTINGS」→「Boot」→「MSI Fast Boot」と「Fast Boot」を両方Disabledにします。
ブートの優先順位を確認して、USBが最上位になっていることを確認したら、設定を保存してもう一度再起動します。
デュアルブートの再構築、Ubuntuのインストール
再起動して、GNU GRUBの画面が出てきたらTry or Install Ubuntuを選択して、しばらくは画面の指示にしたがってキーボードやネットワークの設定などを行います。(出てこなかった場合はUEFIのブート設定を見直すかAIに聞いて下さい。)
うまくいけばUbuntuの画面(24.04 LTSの場合、背景が赤紫色のあれ)が出てくるので、そうすれば画面の案内に従って設定を進めるだけです。
言語設定は英語にすることをおすすめします。キーボードレイアウトはお好きにどうぞ。
Type of installationの画面になったら、誰かから指示を受けていない限りはInteractive installationを選ぶことになると思います。
以下、私の設定メニューを載せるので参考にどうぞ。
- Applications: default selection
- Optimise your computer: "Install third-party software for graphics and Wi-Fi hardware"と"Download and install support for additional media formats"を両方ともチェック入れる
- Disk setup: Install Ubuntu alongside Windows Boot Manager
- Create your account: "Require my password to log in"はチェック入れる、"Use Active Directory"はチェック外す
- Select your timezone: LocationはTokyo、TimezoneはAsia/Tokyo
- Ready to install: インストールするPartitionを再度確認しましょう。間違ってもすでに入ってるWindowsを上書きしないように。
インストールした後
インストールしたら、以下のような画面が出てくるはず。
この後、再起動をします。再起動をした後、黒い画面でUbuntuやWindows Boot Managerを選ぶ画面(GRUB)が出てきたら成功。お疲れさま。
再起動してもGRUBが出てこなかった場合の解決策(一例)
再起動したらGRUBをスルーして、Windowsがそのまま立ちあがっちゃった。
そのため、以下のことを試しました。
- UEFI設定でBoot Priorityを確認
- USBから立ち上げたUbuntuで、パーティションを確認
- UEFI設定でSettings\Boot\UEFI Hard Disk Drive BBS Prioritiesを確認
- ハードディスク(SSD)にインストールしたUbuntuで、
/etc/default/grub
を編集
UEFI設定でBoot Priorityを確認
UEFI設定画面を開いて、ブートの優先順位を確認します。Windows Boot Managerよりもubuntuが上位に来ていないと(あるいはWindows Boot Managerが見かけ上存在せず、ubuntuがある状態でないと)、GRUBで起動するOSを選ぶ画面が出てこないそうです。
メーカーによってUEFIメニューは異なりますが、番号が小さく上あるいは左にあるものが、ブートの優先順位高いです。
パーティション確認
USBメモリ(インストールメディア)を挿したまま、PCを(再)起動します。Try or install Ubuntuを選んで、Ubuntuをインストールするのではなくメディアに入っているUbuntuを使います。(Try Ubuntu)
そして、以下のコマンドを実行。
sudo fdisk -l
sudo fdisk -l > partition.txt # ChatGPTに尋ねるときに添付するファイルを生成
以下は、sudo fdisk -l
の結果をChatGPTに投げて、実行結果やコマンドの解説を受けながら実行すると良いかも。
次に、マウントをしてハードディスクにインストールしたUbuntuに入ります。
sudo mount /dev/nvme0n1p5 /mnt #nvme0n1p5の部分は各自の環境にあったものを指定してください
sudo mount --bind /dev /mnt/dev
sudo mount --bind /proc /mnt/proc
sudo mount --bind /sys /mnt/sys
sudo chroot /mnt
そして、GRUBをインストールした後再起動します。
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=ubuntu
update-grub
exit # このコマンドで、ハードディスクのUbuntuからインストールメディアのUbuntuに戻ってくる
sudo reboot
この時点でGRUBのUbuntuやWindows Boot Managerを選ぶ画面が出てきたらデュアルブート成功。お疲れさま。
UEFI Hard Disk Drive BBS Prioritiesの設定
今回の私のケースのように、物理的に単一のハードディスク(SSD)に複数のパーティションを設けて、単一のSSDに複数のOSを入れる場合は起動するディスクの優先順位だけでなく、ディスク内のOSの優先順位を決める必要がありそうです。
設定が終わったら再起動します。
/etc/default/grubを編集
再起動したら、私の場合はGRUBでOS(あるいはブートマネージャ)を選択する画面が 現れず 、直接Ubuntuが起動されました。そのため、SSDにインストールしたUbuntuで以下のコマンドを実行します。
sudo nano /etc/default/grub # デフォルトでvimは入ってないらしい。Clineに全部賭けてしまった?残念です、その賭けはあなたの負けです。ターミナル上でテキストを編集する方法を覚えて下さい。
etc/default/grub
に追記をします。該当する項目がすでにある場合は、=
よりも右を修正してください。
GRUB_DISABLE_OS_PROBER=false
GRUB_TIMEOUT=10
GRUB_TIMEOUT_STYLE=menu
編集が完了し、etc/default/grub
を保存したら、
sudo update-grub
を実行して再起動。
起動成功!
デュアルブートの環境構築が成功したら、GRUBのメニューが表れてどのOSをインストールするかが選べるようになります。
デュアルブート構成後
お疲れ様でした。あとはUbuntuの表示設定とディレクトリの名前を英語にしたまま、日本語入力できるようにMozcを入れましょう。
デュアルブートの後、Windowsの時刻がズレることがあります。
タイムサーバを設定している場合は、設定アプリで「時刻と言語」→「日付と時刻」から「今すぐ同期」をクリックするだけでOK。
参考文献