キッカケ
AWSを数年間触ってると「コストが高い」という声を聞く事が多くなり、AWS以外のパブリッククラウドの採用を考え始めました。大手であれば基本機能はおよそ同じという想定の元、Alibaba Cloudの現状について調べてみました。
Alibaba Cloudとは
Alibaba CloudはAWS、GCP、Azure以外で唯一シェアを伸ばしているパブリッククラウドです。(参考)
中国経済を背景にしてシェアを拡大している印象が強いですが、基本サービスはAWSやAzureとも遜色ないようです。
下記はAWSとの簡易比較
カテゴリ | AWS | Alibaba Cloud |
---|---|---|
仮想サーバ | EC2 | Elastic Compute Service |
コンテナ | ECS | Container Service |
プログラム実行 | Lambda | Function Compute |
ネットワーク | VPC | Virtual Private Cloud (同名) |
ロードバランサー | ELB | Server Load Balancer |
データベース | RDS | ApsaraDB for RDS |
キャッシュ | ElastiCache | ApsaraDB for Redis |
リージョン数も2019年3月時点で欧米亜の12箇所、日本リージョンは2016年より開設しているので、業務に支障はないレベルかと思います。
Alibaba Cloudの疑問
中国政府にデータが漏洩されるんじゃないの?
→中国政府にデータが漏洩する事は一切ありません。(との事です)
AWSやGCPと同様の規約という事で、データは現地(日本)のデータセンターに保管され、事業者はその中身を確認しません。また下記の通り、第三者機関からも「データ漏洩はない」という旨をお墨付きされています。
Alibaba Cloudは、ISO 27001、CSA Star、PCI-DSSなど国際的な業界固有のコンプライアンス基準や、米国のHIPPA、ドイツのC5、シンガポールのMTCSなど国ごとの基準を満たしている。第三者機関によるSOCレポートも発行しており、2019年からは日本語のSOCレポートが提供されるようになった。
引用元
そうは言っても、密かにデータ流出してるんじゃないの?
→国際基準の認証認可を取得していることに加えて、Alibaba Cloudの日本リージョンは、SBクラウドというソフトバンク系列の国内の会社が提供しています。
言い換えれば、日本企業のプライベートポリシーにも準拠されているので、全く心配ないと言って良いでしょう。
サポートは中国語?中国品質じゃないの?
→サポートも日本語です。サポート品質は未確認ですが、日本語ドキュメントの充実さから見て、日本品質に近いと思われます。
中国の通貨(元)で払わなくてはいけないの?
→円払いでOKです。これは他クラウドと違い、日本のSBクラウドが主幹としてサービス提供している為のようです。
https://jp.alibabacloud.com/pricing
インフラ自動化したいんだけど?
→Terraformに対応しているので可能です。これ個人的に一番驚きました。
https://www.terraform.io/docs/providers/alicloud/index.html
資格試験は存在するの?
→存在します。Pearsonより可能です。ただ2019年3月時点で英語のみ、日本語は未対応のようです。
https://www.pearsonvue.co.jp/Clients/Alibaba-Cloud-Certification.aspx
※日本語対応したら、アップデートします
結論
というわけで、安価で”普通のクラウド”を利用するという点で言えば、Alibaba Cloudはなくはない選択肢かなと思います。
勿論AWSのネームバリューとコミュニティが圧倒的なので、パブリッククラウド未経験の方はAWSの方が学習しやすいと思いますが、「AWSたけーな」と思い始めてきた人はAlibaba Cloudを触ってみるのはアリかと思います。
補足
じゃあどれだけコスト安くなるの?って所はまた調べて、別記事で投稿したいと思います