この記事は alibabacloud Advent Calendar 2019 6日目の記事です。
目的
マルチクラウドの実現に向けて、Alibaba Cloudの特徴および特色をAWSに準じて説明します。
読者に「へーAlibaba Cloudってこんな感じなんだー」と思ってもらうのが目的です。
対象
AWSを知ってる人
Alibaba Cloudを知らない人
Alibaba Cloudで何が出来るか知りたい人
特徴・特色
AWSと似ている
IaaS製品の名称がほぼ同じです。
ECS - EC2
VPC - VPC
ELB - SLB
EIP - EIP
AWSをIaaSとして利用しているユーザは、Alibaba Cloud(以下ALBB)も余裕で使えます。
アジアの領域に強い
日本と中国の間でVPNネットワークを簡単に構築出来ます。Greate Firewallなんて一切気しません。
日米と同じ感覚で、日中を繋げられるのはもはやチートです。
加えてアジアリージョンの国数で言っても、ALBBが強いです。
AWS | ALBB | GCP | Azure | |
---|---|---|---|---|
東京 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
大阪 | △ | × | ◯ | ◯ |
中国 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
シンガポール | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
インド | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
オーストラリア | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
韓国 | ◯ | × | × | ◯ |
インドネシア | × | ◯ | ◯ | × |
マレーシア | × | ◯ | × | × |
プロダクトのリリースもまずはアジアから行われます。これが地味に嬉しいです。
SIチックに頑張る文化
ALBBのプロダクトは中国で実際の顧客へ提供したサービスを汎用化させてプロダクト化させています。
この文化は今も健在で、例えば、売上規模が大きい場合にはAPIの仕様をカスタマイズした独自APIを、Alibaba Cloud本社にエンジニアに作ってもらい提供してもらえます。AWSではいくらお金払っても全く特別扱いしてもらえず、せいぜい修正パッチを提供してもらう程度です。
AI・ビッグデータ関連がヤバイ
シリコンバレーのスタートアップが軒並み卒倒するくらいのプロダクトラインアップがあります。
ImageSearch
オブジェクトストレージに教師用の画像を入れておくだけで、問い合わせ画像をAPIに食わせると、類似画像をミリ秒で返してくれます。
FaceRecognition
人の顔を認識するだけで年齢、表情、人種などの情報を、同一人物の重複排除をしながら得られます。例えば、年齢:28〜29歳 表情:やや怒っている 人物キー:00001という情報を得られます。アジア人以外の精度も高いです。
DataV
CSVやJSONを食わせるだけで簡単にリッチなデザインの可視化が出来ます。例えば、エンドユーザ向けのレポート作成の手間を大幅に省けます。APIで定期的にJSONを発行すれば、それに応じてDataVの画面もリアルタイムで遷移します。
LogService
言うなればCloudWatch logsです。ただOSエージェントやSDK、JDBC等インターフェイス一通り用意されているので、Splunkの代替としても利用できます。
機能として、ログハブとしてのログ取集は勿論、収集したログ全体にSQLクエリを投げたり、機械学習機能を用いて予兆検知からアラート発砲まで行ってくれます。
これらの機能を全てデフォルトとして備えており、おおよそ「0.34円/GB」と「3.45円/100万APIコール」で利用できます(詳細)。頭おかしい。
分析系プロダクト
以下の全てがALBBのプロダクトとして利用可能です。つまりGUIからポチーと作れます。
黒色文字と水色がマネージド型のプロダクトで、オレンジ色がHadoop YARNクラスタサービスであるE-MapReduce上で稼働するミドルウェアです。
機械学習
機械学習について、Machine Learning for PAIというプロダクトを展開しており、初心者にも機械学習できる易しい環境を提供しています。
つまりALBBを採用することで、機械学習の最大の課題である人材不足を解決できます。
中国以外での実績に乏しい
少しネガティブな所も記載しておきます。
そもそもAlibaba Cloudは中国で十分に成功しているので、世界に向けての活動はあまり積極的ではなかったです。近年は思考を転換して能動的に動いているといっても、2019年12月現在実績がそこまで多いとは言えません。上記で紹介したサービスでもFace RecognitionとPAIは日本リージョンではまだG/Aされていません。
日本市場の実績を重視する文化の企業では採用が難しいかもしれませんが、逆にいえば、日本市場で活用されていない上記技術を先行利用するチャンスでもあります(無理やり
データは日本にあり、日本法の準拠です。
大手メディアですら未だに誤解して記載していますが、AWSと同様に、Alibaba Cloudのデータ管理は日本準拠法が適用されます。
セキュリティプロダクトがやたら多い
中国からのDDoS攻撃に苦労したユーザはいませんでしょうか。ALBBは中国国内から文字通り桁違いのDDoS攻撃を毎日のように受けています苦笑
それゆえにセキュリティプロダクトもやたら多く、それらはSecurity Centerから統合的に確認できます。
ちなみに明示的にセキュリティプロダクトを利用していないのに、Webサーバを公開するだけで、OSレベルまで勝手に脆弱性テストを実施してくれて、Email送信通知までしてくれました。神か。
ダブルイレブンの恩恵を受けられる
毎年11月11日に意味分からないほど安くなります。
2019年は仮想サーバが条件を満たせば99%オフ、無条件でも50%オフになりました。
勿論サブスクリプションで買えます。例えば、m5.2xlargeが通常の価格だと$230/年、ダブルイレブンだと$115/年になります(は?
まとめ
あれ、ALBBってすごくね?