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誤解されがちなSEO対策 7選

Last updated at Posted at 2022-08-07

前提

  • この記事で紹介する内容は、Googleの検索エンジンを対象としています。
  • SEOにおいて効果が期待できなくても、Googleによるページ内容理解の為であったり、アクセシビリティやユーザビリティなど他の面で意味があることもあります。なので可能な限り正しいマークアップを心がけましょう。
  • 記事内で何度も登場するジョン・ミューラー氏はGoogleの中の人で、SEO関連の情報発信を行なっている方です。Twitterなどでたくさんの技術者からの質問や疑問に答えたりもしていて、SEOに携わる人達はこぞって彼の発言をチェックしています。

1. h1タグは1ページに1つでなければならない

SEOコンサルタントであるサイラス・シェパード氏がTwitterで以下のクイズを投げかけていました。

GoogleはSEOのためにページの中で<h1>を1つだけ使用することを推奨しているか?

Yesが過半数を超える57%という結果になっていますが、このクイズの正解はNoです。

意外と誤解している人の多いこの問題、実際はh1タグが複数あっても1つもなくてもSEOには影響しません。
Googleはh1タグを1つにすることを推奨したことはないとしていて、SEOにとっても問題がないことを何度も明言しています。

ただ、Googleの公式ガイドには「ページ内で見出しタグを過度に使用する」ことは避けるべきとも記載されています。
個数にはこだわらなくていいが、あくまでも必要に応じてといった実装が望ましいでしょう。


"h1を1つだけ持つことは必須ですか?それとも何回でも使えますか?"
ページ上で何度でもh1タグを使用することができます。上限も下限もありません。
h1タグはページに多くの構造を与える優れた方法で、ユーザーと検索エンジンが構造の理解をよりできるようにします。なので私はページ上で適切な方法でh1タグを使うことでしょう。
しかし、SEOの観点ではh1タグが1つもなくても、h1タグが5つあっても、まったく問題はありません。

ジョン・ミューラー氏のウェブマスター向けオフィスアワーでの発言


ほとんどの人が見出しタグにこだわりすぎていると思います。Googleがページの中を見たとき、見出しタグを使用して「重要な部分」として強調していれば、他の部分より少し重視することはあります。ただ、何も強調しない場合、あるいは何もかもを強調する場合は、Googleが重要な部分を理解しようとします。

ジョン・ミューラー氏のTwitterでの発言

2. 見出しタグはh1 → h2 → h3...の順でないといけない

こちらもh1タグの有無と同様、見出しタグの順序がバラバラでもSEOに問題はありません。
Googleはページの内容を理解する為に見出しタグを使用しますが、厳密に正しい順番である必要はなく、それで評価を下げたりはしないとしています。

ただ、SEOに関係なくても正しいマークアップをしてほしいと多くのSEO関係者が発信しています。


見出しタグの順番は重要ですか?h2の後にh1を使用できるということですか?

ページの見出しやコンテンツが明確な構造になっていればGoogleがそれを理解するのに役立ちますが、順番が正しくなくても致命的な問題とは認識しませんし、検索順位を下げるという事もありません。とはいえ、理解しやすいHTMLを書くことはSEO以外でも意味があります。

ジョン・ミューラー氏のTwitterでの発言


"見出しタグ (h1、h2、hn) の順序はGoogleにとって重要ですか?"
いいえ、重要ではありません。でもそれはユーザビリティとアクセシビリティにとって重要です。なのになぜ修正しないのですか?

ペドロ・ディアス氏(元Google社員でSEOコンサルタント)のTwitterでの発言

ランキングに直接影響するものだけを改善するという考え方は嫌いです。

3. h1タグはテキストでなければならない

h1タグがテキストである必要はなく、画像でもalt属性を設定することでaltテキストはh1のテキストとして認識してくれます。

また、「画像だから」「テキストがないから」といった理由で評価が下がる事もありません。

もし不安であればテキストも実装しておくことが望ましいですが、一番やってはいけないのはCSSでtext-indent: -9999px;などとしてテキストを記述することです。
これは不正行為の1つである隠しテキストとされていて、Googleからペナルティを受け評価が下がってしまいます。


画像がリンクでもある場合、Googleは代替テキストをアンカーテキストとして使用することがあります。画像がh1として使用されている場合、同様の処理はありますか?

画像のalt属性のテキストは、画像が埋め込まれているページの一部として見られる傾向があります。それがh1タグの中の画像である場合、それはh1の一部になります。

ジョン・ミューラー氏のTwitterでの発言

4. metaにkeywordsを設定する

昔はmeta keywordsはページ内のキーワードを検索エンジンに伝える役割を担っていて、SEO対策において重要な施策でした。
しかし、無関係なキーワードを詰め込まれたりと悪用されるようになってしまい、Googleは対策としてkeywordsを無視するようになりました。

現在は検索エンジンの進化によってページ内の情報から重要なキーワードがどれか判断してくれるようになり、SEO対策としてkeywordsを設定する必要は完全になくなっています。

またmeta keywords自体をページ上から削除する必要はなく、そのままでも問題ありません。


Google は keywords メタタグをウェブ検索のランキングで使用することはありますか?
端的にいえば、使用しません。(中略)Google のウェブ検索(Google.com 検索として知られている、数多くのユーザーが毎日使用する検索)では、キーワード メタタグは完全に無視されます。現時点で Google 検索のランキングに影響が及ぶことはありません。

Google does not use the keywords meta tag in web ranking - Google Search Central Blogから引用


Google検索ではキーワード メタタグの内容は使用しません。ただし、キーワードを何かに使用する場合はキーワード メタタグを使用してもかまいません。Google検索で問題が発生することはありません。通常は、ページ全体のサイズを変更しないほど小さいです。したがって、それらをページから削除する強い理由はありません。

ジョン・ミューラー氏のGoogle公式YouTubeチャンネルでの発言

5. metaにdescriptionを設定する

meta descriptionを設定することで、検索結果一覧のページでリンクタイトルの下に表示される文章を指定することができます。
このdescriptionもkeywordsと同様にSEOには影響しません。

とはいえ、ユーザーがdescriptionで表示された文章を読んでページを訪れてくれる可能性は高いので、クリック率を上げるという意味で非常に重要になってきます。

descriptionを設定しない場合はGoogleが自動的に内容を読み取って設定してくれますが、適切な文言を選択してくれるとは限りません。
ユーザーに興味を持ってもらう為にも、descriptionはこちらで内容を考えてしっかり設定しておくほうが良いでしょう。


技術的な観点から言えば、discriptionは検索順位に関係する要素ではありません。したがって、descriptionを変更したり、長くしたり短くしたり、微調整したり、キーワードを入れたりしても、サイトの順位に影響するわけではありません。ただし、ユーザーが検索結果であなたのサイトをどのように見るか、およびユーザーが実際にクリックしてサイトにアクセスするかどうかに影響を与える可能性があります。その点では、ユーザーが検索するときに表示されるdescriptionを確認することが理にかなっています。

ジョン・ミューラー氏のウェブマスター向けオフィスアワーでの発言

6. JavaScriptで動的なコンテンツやリンクを作ってはいけない

GoogleはJavaScriptを解釈して実行することでき、JavaScriptによって生成された動的なコンテンツやリンクも認識してHTMLと同等に評価してくれます。
なのでJavaScriptを使用してコンテンツを生成してもSEOの観点からは問題ないと言えるでしょう。

しかし、JavaScriptのクロールはHTMLのクロールとは別で処理され、HTMLよりも時間がかかります。
その為新着情報やニュースなど、すぐに検索結果に反映したい場合は最初からHTMLとして実装した方が良いとしています。


JavaScriptによって生成されたコンテンツはHTMLよりも評価が下がりますか?

いいえ、JavaScriptで生成されたコンテンツ (Googlebotがレンダリング/インデックス化できる場合) はHTMLと同じように扱われます。

ジョン・ミューラー氏のTwitterでの発言


JavaScriptによって更新されるコンテンツはHTMLとは別のステップで処理され、より時間がかかります。
したがって、すぐに検索結果に出さなければならないものがあるならHTMLとしてコンテンツを作った方がいいです。

ジョン・ミューラー氏のウェブマスター向けオフィスアワーでの発言

7. ページの読み込み速度は速ければ速いほど良い

ページの読み込み速度が速ければ速いほどSEOに有利というのは誤解です。

確かに読み込みが遅いページだと検索順位に影響するのは事実です。
ですが、速いサイトを高く評価するのではなく、 極端に遅いサイトを低く評価しているだけです。

--追記 2022/08/10--
速いサイトが高く評価されないという表現は誤りでした。
失礼致しました。

2021年6月よりコアウェブバイタルがランキング要因の1つとなっています。
このコアウェブバイタルのうちの1つであるLCPがページの読み込み速度に関するもので、
検索順位に対して強い影響力を持つわけではないものの、「速くても全く評価は上がらない」ということにはなりません。

コメントにてご指摘頂きました!
ぜひコメント欄も併せてご確認ください!
--追記ここまで--

速い遅いの感覚は人によって様々ですし具体的な秒数などは明らかにされていませんが、25秒以上読み込みに時間がかかるようなレベルでは流石に影響が出るようです。
読み込みが遅くてSEOに影響が出ましたといった記事や発言などはほぼ見当たらないので、逆に言えばそのぐらい遅いレベルじゃなければ影響は出ないと考えても良さそうです。

Googleのウェブマスターブログでは、極めて遅い体験を提供しているサイトだけを落とすと言っています。昔行った以前の実験によると、読み込み速度が25秒以上かかるサイトはだいたい順位が落ちました。

AIファースト時代のSEOはどうなる?―辻正浩さんに“SEOに効く”Web制作でのポイントを聞いてみた! - HTML5Experts.jpから引用

また、Googleのウェブマスターブログの記載から、Googleはページの読み込み速度よりコンテンツの中身を重要視して見ていると言えるでしょう。

関連性の高い優れたコンテンツを含むページであれば、読み込み速度が遅くても上位に掲載される可能性があります。

Using page speed in mobile search ranking - Google Search Central Blogから引用

まとめ

SEO対策と聞くと「こうしなければいけない」などといった窮屈なものだと考えがちですが、実はとても柔軟性があることがわかります。
昔はダメだった手法も検索エンジンの進化により現在は問題なくなっているものが多く、それなりに間違っていないHTMLが書けていて、ユーザーによって有益なコンテンツを提供できていればGoogleはちゃんと評価してくれます。
コンテンツSEO時代とも言われていますね。

もちろん、SEO以外の様々な面から正しいマークアップをすることが望ましいです。
「これはSEOが関係しているから」「これは関係してないから」と考えるのではなく、ユーザーにとって良いものを提供しようという意識でサイト制作をしていきたいですね。

他にも誤解されがちなSEO対策があれば是非コメントで教えてください。

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