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樹脂の劣化を考える 紫外線対策と加水分解

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現代の生活において樹脂製品は必要不可欠です。
しかし、成形品は、いろいろと問題が起きています。
今回は、樹脂成形に関するちょっとした戯言になります。

紫外線

これはIKEAで売っているBYSA ビィーサという物干し用ハンガー になります。
DSC_0393 (2).JPG
DSC_0394 (2).JPG
破断状況を見てください。
これは応力での破損ではありません。
最終的には、外的要因と言えるかもしれませんが、単純に劣化です。
それも紫外線と思われます。

樹脂は、紫外線に弱い性質を持ちます。
この為に、屋外で使用するものには、それ相応の材質や、塗装を行います。
これが全く皆無なのでしょう。
数年でこのような状態になってしまいました。

加水分解

つぎは、加水分解です。(塗装)
こちらは、塗装が、加水分解によりベトベトになってしまったものです。
DSC_0396.JPG
製品としては、使えても、使用には不適切という事で廃棄することになってしまう事が多いでしょう。

溶剤で拭いたりすることで落とす事が可能なようですが、非常に大変です。

靴のソールなどの柔らかい樹脂に使われているポリウレタンなども加水分解で壊れてしまいます。

材質問題

これは100円ショップの300円のUSB扇風機です。
完全な材質の問題でしょう。
使用したくても、触ると、ボロボロと折れてしまい非常に危険です。
DSC_0397 (2).JPG

材質と練り物

一例でしたが、樹脂成形は、安価ですが、材質を適したものにしないと、こういった問題が起きます。
そして、塗装の加水分解は、最悪で、加工時は全く問題なくとも10年以内にベトベトになってしまう為に
補修部品の管理すらままなりません。
こちらの塗装についても、適したものを使用すれば良いとのことですが、プロである大手自動車メーカーの製品ですら発生しており
余程化学に精通した人間でなければ、練り物の組成について把握することが難しいといえます。

塗装

アクリルなどの透明素材は、加工後に、表面のコーティングを兼ねて、塗装を行います。
UV塗装などがそれにあたります。
最近の窓ガラスが緑(エメラルドブルー)なのは、紫外線などの特定波長の遮光の為になっています。
車のヘッドライトが劣化しないようにUV塗装を謡っている製品も存在しましたね。
どこまで厳密に加工されているかによりますが、無対策よりは、効果があるので、成型時に作業をすべき項目の一つと言えますが
上記のように加水分解してしまうものもあり悩ましい問題だったりします。

製品を企画し、設計、開発したうえで、量産するときに、材質、処理は大きな問題であり
どこまで把握し、どう対策するか、知見が非常に必要な分野です。
今回は、戯言を書いてみました。

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