社内で管理しているサーバーをAWSに構築する担当になったのでその時の調査メモを残します。
ここではファイルサーバーについて記述します。
要件
- 可能な限り高い耐久性、可用性があること(100%は有り得ないという前提)
- BCP/DR対策ができること
- 社内サーバと比較しパフォーマンスが劣化しないこと
関連サービス
ファイルサーバーを構築するに当たって関連するサービスです。
S3
99.999999999% (9 x 11) の耐久性を持つオブジェクトストレージサービス。安いが低速。
EC2
説明省略
EBS
仮想ディスクでEC2からアタッチ(マウント)して使用します。
EC2のサーバー内にも(インスタンスストアと呼ばれる)ストレージはあるが、EC2インスタンスで障害が発生したり、EC2インスタンスが停止するとデータが失われてしまうようです。
EFS
共有ファイルストレージのフルマネージドサービスです。
EBSは複数のEC2からアクセスすることができませんが、EFSは可能です。NASのイメージです。
Linux限定です。
FSx for Windows
Windowsでネイティブ接続できるEFSです。2019年3月から東京リージョンで使用可能になったようです。とても惹かれますが、情報がまだ少ないです。
Amazon FSx for Windows File Server がアジアパシフィック (東京) リージョンで利用可能に
Storage Gateway
S3をファイルストレージとして使用する場合、EC2から直接アクセスできるようにするサービスです。
SLAと責任共有モデル
AWSには責任共有モデルというものがあり、AWSとユーザーで可用性を担保するという考え方で運用されます。
SLAには気を抜くと読み飛ばしてしまいそうな条件があるので、要熟読です。とてもわかりにくい印象です。
サービス | SLA可用性 | AZ | 備考 |
---|---|---|---|
S3 | 99.9% | MultiAZ | |
EC2 | 99.9% | SingleAZ | __「地域(Region)使用不能」__の状態になった時間(単位は分)の割合 |
EBS | 99.9% | SingleAZ | |
EFS | 99.9% | MultiAZ |
稼働率別停止時間
99.99%といっても、もし連続で止まったら業務で問題になるレベルです。そのため、マルチAZ配置、バックアップを別リージョンに保存するようにします。
- 99.95%
4.38 時間/年、21.9 分/月停止 - 99.99%
52.56 分/年、4.38 分/月停止
構成1
AWSのサイトにある構成例です。これでも問題ないとは思いますが、EC2が単一障害点になっているので要件を満たせないと判断しました。
構成2
EC2をコールド、または、ホットスタンバイします。ストレージはEFSです。これで2つのサーバでファイルが同期され、EC2が冗長化されます。
まとめ
今は構成2で進めています。
書きませんでしたが、Storage Gatewayを使いS3を使用する方法もあるようです。
参考
AWS EFS の特徴を知る
Amazon S3についてまとめてみた
AWSでファイルサーバを構築する方法を比較してみた(EBS・EFS・S3)