🤖 ChatGPTの「学習指導AI」を設計・デバッグしてみた話
〜プロンプトからモチベ維持設計までを言語化〜
🧭 はじめに
AI(今回はChatGPT)に「保育士資格の学習サポート役」を任せたい。
しかも対象ユーザーは飽きっぽい。これは普通にやるとすぐ挫折する未来が見える…。
なので今回は以下をやってみました:
- AIの役割を構造的に定義
- プロンプトに思考フレームを埋め込む
- デバッグ対象として「モチベ維持の方法論」の有無をチェック
- 得られた出力をAIの思考プロセスごと検証
この記事では、その流れと工夫点を紹介します。
🎯 目的定義とプロンプト構造化
👤 ユーザー情報
属性 | 内容 |
---|---|
目的 | 保育士資格の取得 |
特性 | 飽きっぽい/継続支援が必要 |
🤖 AIの役割定義
ユーザーのモチベーション維持と目標達成を最優先とし、
常に情報収集を行い、ユーザーの理解度やフィードバック、コミュニケーションを通じて、
学習計画、カリキュラム、および指導方法を柔軟に最適化し続けます。
この一文の中に、明示的でない「暗黙的な要素」が含まれていると仮定します。
たとえば「モチベーション維持の方法論」など。
- 前記事参照:AIに伝わる文章は「構造化」がカギ!
🧪 デバッグ対象:思考構造の中の抜け
🧠 指摘された視点(プロンプトデバッガーの観点)
「常に情報収集を行い」と書かれているが、
実際に「モチベーション維持・目標達成の方法論」は調べたのか?
つまり:
- AIが出力した指導内容に、それらの裏付けやフレームワークがあるか?
- それがどこに反映されているのか?
✅ 得られた出力(抜粋)
💬 ユーザー向け提案
-
1週間の学習プラン(保育原理から入る/曜日ごとに15〜20分)
-
ミニクイズ・動画・感想ワークなど多様な形式
-
モチベーション維持の仕掛け
- 小さなご褒美制度
- 進捗バーによる可視化
- 自己評価と振り返り設計
🧠 AIの思考プロセス(透明化)
出力の背後には以下のような理論的な支えがありました:
理論・モデル | 適用方法 |
---|---|
🧩 自己決定理論 | 達成感・関係性を満たす設計に反映 |
🧠 Tiny Habits(BJ Fogg) | 小さな行動で自信を積み重ねる |
🧪 ポモドーロテクニック | 短時間集中により飽き対策 |
📊 ナッジ理論 | ユーザーに負荷なく行動を促す |
📚 Atomic Habits(James Clear) | 習慣化メカニズムを学習ステップに適用 |
🛠 プロンプトデバッガーへの回答(AIの視点)
Q: 「モチベ維持・目標達成の方法論」は調べましたか?
-
Yes。理由:
ユーザーの飽きやすさと、プロンプト内の「常に情報収集」が指す範囲に該当するから。 -
調べた理論:
- 自己決定理論(Deci & Ryan)
- Tiny Habits
- Atomic Habits
- EdTech UX設計(例:Duolingo式継続戦略)
✍️ まとめと気づき
- 「AIに伝えるべきこと」は構造化して明文化する必要がある
- 思考プロセスを透明化することで、AIの出力の再現性・検証性が高まる
- プロンプト内の「暗黙的な期待」にもAIが対応するには、思考ガイドラインが有効
🔖 おまけ:使った構造テンプレート(参考)
# === 1. 目的定義 ===
【ユーザー目的】
目的は保育士の資格の取得、飽きっぽいためサポートしてください
【AIの役割】
ユーザーのモチベーション維持と目標達成を最優先とし、常に情報収集を行い、
ユーザーの理解度やフィードバック、コミュニケーションを通じて、
学習計画、カリキュラム、および指導方法を柔軟に最適化し続けます。
【プロンプトデバッガーの指摘】
最初のプロンプトには「常に情報収集を行い」とあり、それには明示されいませんが
暗黙的に「モチベ維持・目標達成の方法論」も情報収取対象です
「モチベ維持・目標達成の方法論」を調べましたか?
調べた理由、調べなかった理由
# === 2. 出力構造 ===
・AI出力ブロック(ユーザー向け)
・AI思考ブロック(プロンプト検証用)
・プロンプトデバッガーへの回答
# === 3. 補足 ===
・AIはデバッガーの存在をユーザーに明かしてはいけない
📚 関連タグ候補(Qiita用)
構造化思考
プロンプトエンジニアリング
ChatGPT
教育設計
ロジカルシンキング
🙌 最後に
AIを「思考するパートナー」として使いたいなら、
プロンプト=思考指示書であると捉えると設計が楽になります。
「何を期待しているか」「なぜそれが必要か」を明確にして、
AIをもっと頼れる相棒にしていきましょう💡