はじめに
今回は以下の記事で検討事項としていた、「Lifecycle Policy Rules」について少しまとめてみた。
[AWSを真似てOracle Cloud Infrastructure(OCI) で簡易 踏み台サーバーを構築してみた2]
(https://qiita.com/untitle_23/items/c7176e70ea2773a92de5#4-%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E4%BA%8B%E9%A0%85)
Object Storageとは?
Oracle Cloud InfrastructureのFAQを参照
Oracle Object Storageは、インターネット規模の高パフォーマンスで耐久性のあるストレージ・プラットフォームです。開発者およびIT管理者は、このストレージ・サービスを使用すると非常に低コストで無制限のデータ量を格納できます。
Archive Storageとは?
Oracle Cloud InfrastructureのFAQを参照
Oracle Cloud Infrastructure Archive Storageは、アクセス頻度の低い長期保存データを格納するのに最適なストレージ層です。Oracle Archive Storageに格納されたデータには、Oracle Object Storageと同じインタフェース(API、SDK、CLI)を使用してアクセスできます。ただし、Oracle Object Storageとは異なり、即時のデータ取得はできません。データを読み取るには、まずアーカイブ・ストレージからデータをリストアする必要があります。リストア・リクエストを発行してからデータの読取りが可能になるまでに、最大4時間のラグを見込んでください。取得時間メトリックは、Time To First Byte (TTFB)で計測されます。適切なIdentity and Access Managementポリシーを活用してデータ・アクセスを管理することにより、Oracle Archive StorageでWORMコンプライアンスを達成できます。
Object Storage vs Archive Storage
2019/2/8現在、価格としては以下の様になっている。
※Pay as You go、Monthly Flexどちらも現在は変わらない。
項目 | 価格 |
---|---|
Block Volume | 5.1円 (GB/月) |
Object Storage - Storage | 3.06円 (GB/月) |
Object Storage - Request | 0.408円 (10,000 Request/月) |
Archive Storage | 0.312円 (GB/月) |
Oracle Cloud Infrastructure 価格情報 参照
費用と運用を考えるとどうすべきか?
これは考え方次第なので、完全に個人の見解だが以下の方式が良いのでは?と考える。
- ログをObject Storageにアップロードする
方法はこれを参照 - 1週間したらArchive Storageに移動する
- 1年したらArchive Storageから削除する
※監査ログなどについては、最初からArchive Storageにアップロードし、削除期間を必要な監査期間とするのが良いかもしれない。今回はそれは対象外。
そして、上記の2と3に関して「Lifecycle Policy Rules」で対応をする。
Object StorageのLifecycle Policy Rulesの設定方法
「1週間でArchive Storageに移動するルールの設定」と「1年したらArchive Storageから削除するルールの設定」をするだけで問題ない。
1週間でArchive Storageに移動するルール
Object Storage
> Object Storage
> 作成したBucket名
> Lifecycle Policy Rules
と移動してCreate Rule
を押す。
[Create Rule画面]
NAME
:任意の名前
LIFECYCLE ACTION
:Archiveを選択
NUMBER OF DAYS
:7を記載
PREFIX
:今回は特に設定しない(移動させたいファイルを限定させたい場合等に使用)
STATE
:ENABLEDにチェックする
Archive Storageの注意点
ここで、一つ注意点。
上記のルールでArchive Storageに移動したファイルは、Archive StorageのBucketで確認する訳ではなく、Lifecycle Policy Rulesを有効にしたObject StorageのBucketから確認することになる。
[Object StorageのBucketの画面]
Storage Tier
が「Archive」だとBucketとしては、Archive StorageのBucketとなるが、上記の画面は「Standard」のため、通常のObject Storageとなる。
そしてObjectsの赤枠部分が、アップロードされているファイル類になる。
ここは、Lifecycle Policy Rulesを有効にして、Archive Storageに移動する設定をしていると、通常のファイルとArchive Storageに移動したファイルが混在する。
画面にもある、testopc.logとtest.tgzでもう少し説明する。
[testopc.logファイルの詳細画面]
testopc.logのDetailsを押す。
Storage Tier
がStandardのため、通常のObject Storageとなっている。
[test.tgzファイルの詳細画面]
Storage Tier
がArchiveのため、Archive Storageとなっている。
そのため、Download機能も使用できない。Downloadするためには、一度リストアをする必要がある。詳細はここを確認。
このような形で通常のファイルとArchive Storageが混在する。
1年したらArchive Storageから削除するルール
Object Storage
> Object Storage
> 作成したBucket名
> Lifecycle Policy Rules
と移動してCreate Rule
を押す。
[Create Rule画面]
NAME
:任意の名前
LIFECYCLE ACTION
:Deleteを選択
NUMBER OF DAYS
:365を記載
PREFIX
:今回は特に設定しない(移動させたいファイルを限定させたい場合等に使用)
STATE
:ENABLEDにチェックする
最後に
ここまで実施すると以下のシリーズも最低限の構築ができたのかなと思える。
AWSを真似てOracle Cloud Infrastructure(OCI) で簡易 踏み台サーバーを構築してみた1
AWSを真似てOracle Cloud Infrastructure(OCI) で簡易 踏み台サーバーを構築してみた2