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高階関数 ― J 言語入門

Last updated at Posted at 2021-06-24

J は、verb に対する操作、つまり高階関数の機能も幅広く備えています。高階関数にあたるものには、adverbconjunction の 2 種類があります 1

被演算子

adverb と conjunction を合わせて、modifier (修飾語) と呼びます。adverb は被演算子が 1 つ (左側)、conjunction は被演算子が 2 つ (両側) です。verb の場合は引数 (argument) という言葉を使いましたが、modifier の場合は被演算子 (operand) と呼び分けられています。

被演算子の名前は、被演算子が verb のときと noun のときで異なります。verb の被演算子は左側なら u、右側なら v です。一方 noun の被演算子は左側は m、右側は n です。

引数の反転

~ という adverb は、verb の左右の引数を入れ替えます。

   NB. 5 , 3 と同じ
   3 ,~ 5
5 3

x u~ yy u x と同じです。

~ の被演算子 (-) が左側にあることに注意してください。これは verb (monad) と adverb の大きな違いの一つです。

~ を使うと、複雑な式の括弧を減らせることがあります。

   (7 - 1) % 3
2
   3 %~ 7 - 1
2

引数の複製

~ には他にも使い方があります。上の例では ~ が作った verb を dyad として使いました。これを monad として使うと、また違った働きをします。

   NB. 3 , 3 と同じ
   ,~3
3 3

u~ y は、y u y として動作します。同じ引数を 2 回書かなくて済むので便利です 2

verb の合成

J には関数 (verb) の合成を行う conjunction が いくつか あります。ここでは代表的な 2 つを説明します。

monad - monad / monad - dyad

@ は、u@v の形で使います。x u@v yu (x v y) を意味します 3

   NB. - (3 % 2)
   3 -@% 2
_1.5

また、u@v yu (v y) を意味します 3

   NB. - (% 2)
   -@%2
_0.5

u@v は、v を適用した後に u を適用する、という一般的な関数合成と同じ動作です。

u は必ず monad として実行されます。v は使い方に応じて monad または dyad になります。

   u
   |
   v
 [/]\
[x]  y

dyad - monad

& も、u&v の形で使います。x u&v y(v x) u (v y) を意味します 3

   NB. (% 3) - (% 2)
   3 -&% 2
_0.166667

u&v は、それぞれの引数に v を適用し、その結果を u に与える、という動作をします。@ と違って monad として使うことはできません 4

u は必ず dyad として実行されます。v は、xy それぞれについて monad として実行されます。

  u
 / \
v   v
|   |
x   y

引数の束縛 (部分適用)

& は、m&vu&n の形で使うと、引数 (m / n) を verb (v / u) に束縛する働きをします。

   3&- 5
_2
   -&3 (5)
2

[ 前 : verb と引数 ] [ 目次 ] [ 次 : adverb と conjunction ]

  1. adverb と conjunction の詳細は、次の記事で説明しようと思います。

  2. 計算途中の値を一時変数に入れる必要性も無くなります。

  3. 実は厳密には違いがあるのですが、説明の都合上割愛します。 2 3

  4. 執筆時点 (J9.02) では非推奨ですが、将来的には削除されると思われます。

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