はじめに

aws-sam-cliを利用すれば、手元の端末内にLambdaの実行環境を再現して、動作検証できる。
手元でコードを修正しながらその場で動作確認できるため、ディプロイの手間とLambdaの費用を削減できる。
nodejsとpythonの導入手順は多い中、Golangのドキュメントが少ないように感じたため、ここで纏める。

やること

開発用にarm版Golangをローカル環境にインストールする
aws-sam-cliでローカル環境にLambdaとAPIGatewayを構築する

前提

arm版(M1チップ)のmacOS環境をベースに説明する (goenv導入部分以外は大差ないはず)
Z shell (zsh) をベースに説明する (環境変数の通し方以外は大差ないはず)
Dockerは既にインストールしてあるものとして説明する

もくじ

Golangをセットアップする

aws-sam-cliをセットアップする
ローカル環境でLambdaを起動する

1. Golangをセットアップする

1-1. goenvをインストール

brewでそのままgoenvをインストールすると、古いバージョンしか落ちてこない。
したがって、下記コマンドで強制的に最新版を取る。

macOSでgoenvをインストール.

% brew uninstall goenv && brew install --HEAD goenv
% goenv -v
goenv 2.0.0beta11

下記はarm版(M1チップ)のmacOSでarm版Goを取得するための設定。
必要なければスキップしても良い。

zshrcに環境変数設定を追記(bashを使っているなら適宜読み換え).

% echo 'export GOENV_ROOT="$HOME/.goenv"' >> ~/.zshrc
% echo 'export PATH="$GOENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
% echo 'eval "$(goenv init -)"' >> ~/.zshrc
% cat ~/.zshrc
export GOENV_ROOT="$HOME/.goenv"
export PATH="$GOENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(goenv init -)"

1-2. Golangをインストール

インストールできるバージョンの一覧を確認.

% goenv install -l
Available versions:
  1.2.2
  1.3.0
    …
  1.17.5
  1.17.6
  1.18beta1

arm版macOSに対応しているのは1.16.0以降のみなので注意。

stableな最新版をインストール.

% goenv install 1.17.6

使いたいバージョンを指定する.

% goenv global 1.17.6

↓ (amd版/arm版含み)意図通りのバージョンを参照できるようになったか確認。

ターミナル再起動後、参照バージョンを確認.

% exec $SHELL
% go version
go version go1.17.6 darwin/arm64

2. aws-sam-cliをセットアップする

2-1. aws-sam-cliをインストール

macOSの場合、brewでaws-sam-cliをインストールできる。

↓ macOS以外の環境でセットアップする手順

macOSでaws-sam-cliをインストール.

% brew tap aws/tap
% brew install aws-sam-cli
% sam --version
SAM CLI, version 1.37.0

2-2. aws-samの公式サンプルを取得

dockerがインストールされているか確認.

% docker --version
Docker version 20.10.12, build e91ed57

下記コマンドでAWS公式のサンプルファイル群を取得できる。
単に% sam initで実行すれば、対話的に各種設定を進めることもできる。

AWS公式サンプルを取得.

% mkdir lambda_go_test
% cd lambda_go_test
% sam init --package-type Image --base-image amazon/go1.x-base --name golang-sam-sample

3. ローカル環境でLambdaを起動する

生成されたサンプルファイル群のルートディレクトリに入ってDockerImageを焼く。

Dockerfileを読んでImageを焼くコマンド.

% cd golang-sam-sample
% sam build

Imageが焼き上がったらLambdaとAPIGatewayを動かしてみる。

aws-sam-localを起動するコマンド.

% sam local start-api
Mounting HelloWorldFunction at http://127.0.0.1:3000/hello [GET]
You can now browse to the above endpoints to invoke your functions. You do not need to restart/reload SAM CLI while working on your functions, changes will be reflected instantly/automatically. You only need to restart SAM CLI if you update your AWS SAM template
2022-01-30 18:31:58  * Running on http://127.0.0.1:3000/ (Press CTRL+C to quit)

curlで叩いて、挨拶してもらえたなら成功。

もう1つターミナルを開いて疎通確認.

% curl http://127.0.0.1:3000/hello
Hello, xxx.xxx.xxx.xxx

このあとは適宜main.goを編集してLambdaの処理内容を変えたり、template.yamlを編集してLambdaの数を増やしたりして遊ぶ。

トラブルシューティング

何度やり直してもArm版Golangが落ちてこない

TerminalをRosetta2経由で起動していませんか (私はしていました)。