2025年4月15日から3日間にわたって開催されたTableau Conferenceに参加してきました。雑感ですが参加しての感想を書き出したいと思います。
生成AI時代のデータ分析について
生成AI時代のデータ分析の在り方について考えさせられる内容でした。Tableau NextはAgentforceとの連携について多く語られており、生成AI時代のデータ分析の形を作ろうとしているんだと思います。 ただ、まだ正解のないことなのでSalesforceもユーザーからのフィードバック強く求めているし、製品自体も開発途上にある。我々自身も生成AIの活用方法について真剣に考えないといけないと感じました。
コミュニティの熱さと暖かさ
去年同様多くのコミュニティリーダーの方と交流させて頂きました。みなさん本当に情熱的かつフレンドリーでとても温かい気持ちになりました。Tableauを愛し、データ可視化の力を信じている「仲間」とのつながりに感動しました。
データビジュアライゼーションの力
生成AIにより分析の在り方が変わろうとしている中で、IronVizは変わらぬ輝きを持っていると感じました。一人の人間が深くデータと向き合って獲得したインサイトを分かりやすく美しく表現し、情熱的にプレゼンする。どういった観点でストーリーを構築するのか?分かりやすくインパクトのあるビジュアライズは?聴衆の心に届けるための言葉は?トーンは?こういった内容は生い立ちや思想や意思をもつ一人の人間にしかできないし、その人が行うからこそ意味が出るものだと思います。生成AIで様々な知的活動の在り方が変わっていく今だからこそ、IronVizの本質的な価値を感じられました。
Tableau Nextについて
生成AIとの連携以外にも魅力的なコンセプトを持っていると感じました。セマンティックレイヤーを具備し、データソースやメトリック、ビジュアライゼーションの再利用性を高めるという方向性は良いと思いました。またアクションにつなげるための機能強化として、Slack連携やSalesforce連携を強めている点もデータ活用の観点では大きな強みになると感じました。ただしSalesforceのプラットフォーム上で動くためこれまでのTableauの延長性上にない点は気になっています。Server→Cloudの移行ハードルも高い中、Salesforceへの移行はさらに難易度が高いはず。既存ユーザーがNextへ移行するのはだいぶ先になるのではと感じました。
既存サービスとコミュニティへのコミットメント
KeynoteではTableau Serverをはじめとした既存サービスへの機能強化について何度か言及されていました。Tableau NextがSalesforceのプラットフォーム上で動くことから、既存サービスの機能強化が疎かになるのではないかという不安へのアンサーだと感じます。加えてコミュニティについても新たにコミュニティSlackが立ち上がるなど、コミュニティへのコミットメントを強く感じました。コミュニティはTableauの最も重要なものの一つなのでそこをないがしろにしないという気持ちを感じられ嬉しかったです。
まとめ
Tableauとしては非常に難しい局面に入っていると感じました。VizQLによるインタラクティブな分析フローはTableauの最大の強みであり、もっとも愛されている部分だと思います。しかし生成AIの登場により、そういった試行錯誤をするケースは減っていくのかもしれません。ただ今すぐ生成AIに全て持っていかれる気もしていません。でも1,2年もすればTableauよりももっと効率的な分析ツールが生成AIによって登場するかもしれません。そしてその兆しをいち早くキャッチできるのは生成AIを使っている人だと思うので、生成AIをどう活用するか、これまで以上に考えていく必要があると感じました。