これはなに?
オープンデータ基本指針が改正されるようです。2/9〜2/20の期間意見募集が行われていました。本記事では改正案の内容を確認するとともに、どういう意図で改正されたのか感想を吐き出したいと思います。
改正内容のまとめ&感想
メリットに住民と連携した地域課題の解決を追記
これはシビックテックの動きを反映したものかと想像します。これまでの基本指針では官民の連携しか記載がありませんでしたが、この記載がされたことはシビックテックを推進したいという思いを感じます。
「EBPM」だけでなく「DX」も
行政活動の面では「DX」という言葉が追加されました。DXという言葉がバズワードになって久しいですが、オープンデータ推進によってDXも進む、というメッセージが自治体の方のモチベーション向上につながると良いですね。
地方公共団体という言葉が増えている
省庁の様な国の行政機関だけでなく、都道府県や市区町村といった地方公共団体にも自分ごとと思ってもらうための記述かと推察します。
公開環境からDATA.GO.JPが削除
都道府県や市区町村単位でカタログサイトの整備が進んできていることを鑑みて修正したものと想定。
しかしカタログサイトの乱立にはよくない点もあると思います。理想的には統一的なフォーマットのでデータが一箇所に集約されている方が良いと思います。
SIP NIIコンソーシアムが運営している「オープンデータ横断検索システム」や、BODIKが運営している「BODIKオープンデータモニター」などの横断検索システムに期待しています。
5つ星をやめてcsvを基準に
これはとても良い改正だと思います。
データの機械反毒性のレベルについてはながらく5スターオープンデータによる5段階の定義が引用され続けていました。
しかし星4、5にあるRFDやLoDは必ずしも活用しやすい形式ではないと思っていました。現状を考え見るとcsvが現実的だと思います。明確にcsvを基本とすることにしたことで、RFDやLoDを頑張って整備したけど使われない...という不幸が防げると思います。
限定公開についての記述の変更
無条件での公開は難しいものについても、用途や提供先を絞った上での提供をすすめており、その際の条件が具体化されています(匿名化処理や手続きの明確化を求めるなど)。
オープンデータを公開するだけでも大変な状況で、限定公開の手続き整備や匿名処理をするハードルは高いと思いますが、ぜひ実現してほしいですね。
更新に関する記述が削除された
この意図はよく分かりません。古いデータは間違った意思決定につながる恐れがあるため最新の状態に更新され続けることは重要です。
更新に関する記述はp.3の注釈12にしか残らないのですが、これで良いのでしょうか。
推進体制の修正
元々オープンデータは内閣官房IT総合戦略室が担っていましたが、デジタル庁に移管されているためそれが反映されています。
ちなみに内閣官房IT総合戦略室時代のwebサイトも残っているので過去経緯を調べるときは役に立つかもしれません。
とはいえほとんどのページはデジタル庁のページに綺麗に移管されているのであまり見る必要はないと思います。
まとめ
オープンデータ基本指針の改正案の内容についてまとめてみました。オープンデータの所管がデジタル庁に移管してからすごく良い取り組みがたくさん出ているなと感じています。
- 自治体標準オープンデータセットの再定義(昔は推奨データセットと呼ばれていたもの)
- 政府相互運用性フレームワーク(GIF)の定義
- オープンデータサポート団体の定義
今回の改正も実態に則った良い改正だと思います。きっと改正された基本指針に合わせて各種ガイドラインや手引きも修正が必要になってくると思うのでデジタル庁のみなさんは大変かと思いますが陰ながら応援しています!
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