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Type-C一本で!ラズパイと自作液晶を同時駆動してみた

Last updated at Posted at 2025-05-12

CH224KでUSB-C PDから5Vと12Vを取り出した話

PD対応のUSB充電器から、5Vと12Vを同時に取りたかった。
Raspberry Pi3と液晶をAnkerの65WPD充電器から1本のType-Cケーブルで動かしたかった。
CH224Kでそれっぽい回路を組んだ。案外うまくいった。


完成図(まずは見てくれ)

実物の写真はこちら。全部入りで動くやつ。

1000003150.jpg

写真だと配線の雑多感があるが、type-cケーブル1本で液晶コントローラとラズパイ3に電力が供給されている。


なぜ作ったか

液晶ディスプレイを自作した。Raspberry Piも載せた。
動いた。嬉しかった。が、電源ケーブルが2本になった。
配線がゴチャゴチャした。コネクタも種類が違った。
「これって、もうちょっとスマートにできるんじゃ?」と思った。
Type-CのPDで1本化しよう。ついでに出力も分けよう。
そう思った。


やりたいこと

  • PD充電器から15Vをもらう
  • 15Vから5V(Raspberry Pi用)を作る
  • 15Vから12V(液晶用)も作る
  • 電源ケーブルを1本にまとめたい
  • 出力電圧をArduinoで監視したい

※自分が使うAnkerの充電器には12Vの出力に対応していないため、15Vを出力するようにした。


構成概要

この回路はArduinoのシールドとして作った。
Arduinoには、出力された5Vと12Vの電圧をモニタリングさせている。
アナログピンで電圧を読むには分圧が必要なので、1kΩの抵抗を4本使って20Vまで測れるようにした。

全体構成図

.trashed-1749685151-Arduino-S_cir~2.png


分圧回路の構成

1kΩの抵抗を4本直列にして、Vinの1/4の電圧をA0ピンで読む。

この構成だと、A0ピンにはVin × (1/4)の電圧がかかる。
Arduinoが5Vまで測れるなら、Vinは最大で5V × 4 = 20Vまで対応できる。

Arduinoでの電圧読み取りコード

int raw = analogRead(A0);
float ref_voltage = 5.08;  // 実測したArduinoの5Vピンの電圧
float vin = raw * (ref_voltage / 1023.0) * 4.0;

ArduinoのanalogRead()は0〜1023の値を返す。
USB給電では5Vピンが必ずしも5.00Vとは限らないので、テスターで測った実測値を使うのがコツ。筆者のテスタでの計測では5.08Vだったのでそれをソースコードに反映した。


使ったもの

  • CH224K
    PDデコイと呼ばれるやつ。Type-Cの相手に「15Vちょうだい」とお願いする。
    素直にくれる。いいやつ。
    ただし、VDDとGNDの間に0.1μFのセラミックコンデンサが必須。
    これがないと動かない。

  • LM2596(×2)
    降圧モジュール。15Vを5Vと12Vにそれぞれ落とす。
    最大3A流せるので安心。Amazonでだいたい5個セット売りされてるあれ。

  • 1kΩ抵抗(×4)
    分圧用。20Vまでのアナログ測定を可能にする。各電圧(5V,12V,15V)の計測用に3セット準備。スルーホール用の抵抗がたくさん余ってたので、1kオーム抵抗をたくさん使うようにした。


実装したもの

  • 基板でシールド化した。Arduino Unoの上にガチャっと載せられる。
  • 左中央にCH224KとType-Cポート
  • 中央に2つのLM2596
  • 右側に各電圧の出力ポート
    1000003139.jpg

注意点(絶対読んで)

  • CH224Kはコンデンサ必須
    VDDとGNDの間に0.1μFのセラミックコンデンサを入れないと、PDの電圧交渉が始まらない。
    入れ忘れると「ん?動かないな?」ってなる。筆者はなった。

  • PD充電器は15V出せるか確認
    たまに9V止まりのやつもある。CH224Kが頑張っても、相手が対応してないと無理。

  • プリント基板の配線幅に注意
    今回の基板は1mm幅で設計したけど、ラズパイ3をフル負荷で動かすにはちょっと細いかも。
    実験用にはOK、本番用途には2mm以上ベタGNDを検討したい。

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