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protobufによるフレキシブルなコントラクトデータの管理

Last updated at Posted at 2018-07-19
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今日はdappの運用にprotobufを使うこと、のお話なんですがその前に


動機:ゲーム向けのサーバーフレームワークとしてのEthereum


前提

  • コントラクトのコードはimmutable

前提

  • コントラクトのコードはimmutable
  • コントラクトのデータ構造はコードでしか定義できない

前提

  • コントラクトのコードはimmutable
  • コントラクトのデータ構造はコードでしか定義できない

=> コントラクトのデータ構造はimmutable


懸念:最初のコントラクトに無いデータが必要になったらどうすんの?


データのマイグレーション


メインネット上のゲームのコードを読んでみた


丸コピー

  • ロジックとデータを同じコントラクトに置くと否応無しにこうなる
  • データを新しいコントラクトにコピーするタイミングでカラムを変更する
    • FooServiceに対して新しいデータ構造を持つFooServiceV2を作る
    • FooServiceからFooServiceV2にgas limitの範囲内で少しずつデータをコピーするFooServiceMigraterを作成し実行する

ストレージコントラクトとその拡張

  • ロジックとデータを扱うコントラクトを分離する
    • データだけを保持するFooServiceStorageをつくりFooServiceからそれを使う
  • 追加データはFooServiceStorageExtraを作りそこにおく
    • FooServiceV2はFooServiceStorageとFooServiceStorageExtra両方を見るようにする
  • Extra2, Extra3, ... (ToT)

データのマイグレーション:そんなものはなかった


protobufならまともなマイグレーションができるのでは?


protobuf

  • googleが開発したIDL
    • 複数のアプリで共有するデータ構造をmessageと呼び、以下のような感じで定義する
    • =の後の番号が重要
message Foo {
  uint64 id = 1;
  Nested nested = 2;

  message Nested {
    string text = 1;
    bytes data = 2;
  }
}

protobuf

  • 定義されたmessageをコンパイルして各種プログラム言語向けのコードができる
  • バイナリにシリアライズすることで効率的にデータの移動が行える
    • このフォーマットがナイス
p := pb.Foo{
  Id: 1234,
  Nested: *pb.Foo_Nested{
    Text: "hoge",
    Data: []byte{2, 3, 5},
  },
}
out, err := proto.Marshal(p) //out is []byte
p := &pb.Foo{}
if err := proto.Unmarshal(in, p); err != nil { //in is []byte
        log.Fatalln("Failed to parse Foo:", err)
}

protobuf(重要)

  • データに割り当てた番号を再利用しない
    • 例えばuint64 id = 1;の1は、他のデータの番号としては二度と割当てないようにする
  • その条件下で一旦シリアライズされたデータはどのバージョンのコードとも読み込みの互換性があることが保証される
message Foo {
  uint64 id = 1; //他のデータで1を使わない
  Nested nested = 2;

  message Nested {
    string text = 1;
    bytes data = 2;
  }
}

protobuf

  • 例) message Foofloat f = 3;を追加した場合
  • 古いコードで新しいデータを読む
    • fに設定されたデータは単に無視される
  • 新しいコードで古いデータを読む
    • fは自明なデフォルト値(0.0f)で初期化されている
message Foo {
  uint64 id = 1; 
  Nested nested = 2;
  float f = 3;

  message Nested {
    string text = 1;
    bytes data = 2;
  }
}

まともなマイグレーション

  • データスキーマをprotobufで定義する。contractにはbytesとして保存
    • versionというカラムを各スキーマに持たせておくのがミソ
message Record {
  uint32 version = 1;
  uint32 id = 2;
  //実際のデータカラムたちが続く
}

まともなマイグレーション

  • FooServiceは各データスキーマの現バージョンを持っておく
    • スキーマのバージョンを上げる時にはFooServiceの新しいバージョンをデプロイ
  • public mapping(uint => bytes) entriesとかを持つFooServiceStorageをつくりFooServiceからそれを使うようにしておく
contract FooService {
  using pb_Record for pb_Record.Data;
  uint const CURRENT_RECORD_VERSION = 1;
  FooServiceStorage storage;
  ...
}

まともなマイグレーション

  • データを新しく作るとき、versionカラムには今のバージョンをセットしてFooServiceStorageに保存する
function newRecord() public returns (uint) {
  pb_Record.Data memory data;
  r.id = newId();
  r.version = CURRENT_RECORD_VERSION;
  storage.entries[r.id] = r.encode();
}

まともなマイグレーション

  • データを読み出すとき、versionカラムと現在のFooServiceが持っているバージョンが一致していなければ、その差分について必要な初期化を行う
  • まともにマイグレーションできそうな感じがしてくる
function getRecord(uint id) internal returns (pb_Record.Data r) {
  bytes bs = storage.entries[id];
  r.decode(bs); //バージョンがどう変わっていても問題が生じない
  if (r.version != CURRENT_RECORD_VERSION) {
    //ここで新しいレコードに値をセットしたりする
    r.version = CURRENT_RECORD_VERSION; //最新版になった
    storage.entries[r.id] = r.encode(); //結果を再度保存
  }
}

さらなるメリット

  • コントラクトからstructを返すのと同等なことがポータブルに実現できる
    • protobufでserializeされたbytesを返す関数を作り、それを受け側でdeserializeする
    • ABIEncoderV2不要&すでに他の実用的な大部分のプログラム言語で可能
    • ABIEncoderV2がprotobufレベルでサポートされるのは時間がかかるだろう(現状はethers.jsぐらい?)
  • ABIEncoderV2に対してかなりの間優位性を保てるのでは

g


問題は


solidityでprotobufって使えるの?

g


solidityでprotobufって使えるの?

  • protobuf verion 2用のコンパイラがあった
    • しかしprotobufの現バージョンは3
    • メンテナンスされてない上にhaskellで書かれている
  • 2を使う場合、他の部分で苦労が予想される
    • 3年半ほど新しいリリースはされてない
    • protobuf3推奨のものも多い(grpcなど)

作りました


pb3sol

  • https://github.com/umegaya/pb3sol
    • pythonでのprotobuf3コンパイラ実装 +
    • addressなど、solidityのnative typeを利用可
    • jsで上記のnative typeを使いやすくするnpmを用意(soltype-pb)
  • よろしければ試してフィードバックください

Thank you!!

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