クラウド上でAIを開発できるプラットフォーム「ADFI」で開発した画像検査AIを自宅のPC(GPU無し)で簡単に動かせたので、手順をメモしておきます。
自分のPC(CPUのみ)でも、1秒間に5枚以上の画像に対してAIを実行できた(1画像あたり0.1秒台の処理速度)ので、とっても快適でした!
AIを作成して自分のPCで実行するまでの手順
大まかな流れは下記になります。
所要時間としてはAIの学習時間(約30分)を除くと15分くらいでした!
- 学習用の画像と評価用の画像を準備
- ADFIにログイン
- プロジェクトとデータセットを作成
- 学習用の画像と評価用の画像をアップロード
- AIの学習を実行
- 作成したAIモデルと、AI実行プログラムをダウンロード
- 自分のPCでAI実行プログラムを実行
1. 学習用の画像と評価用の画像を準備
事前に、AIで画像検査したい画像データを準備しておきます。
今回は、公式サイトで無料で公開されている「コーヒー豆の異物検査の画像データセット」を使いました。
下記ダウンロードした画像データセットの中身は下記構成になっています。
- train: 学習用の画像データ
- good: 学習画像(正常)
- chocolate: 学習画像(異常)
- test: 評価用の画像データ
- good: 評価画像(正常)
- candy: 評価画像(異常)
- chocolate: 評価画像(異常)
コーヒー豆の異物検査の画像データセットのダウンロードはこちら
2. ADFIにログイン
まずは、ADFIのログインページからログインします。
初めての場合は「アカウント新規作成」を押してアカウントを作成してから、ログインします。
3. プロジェクトとデータセットを作成
ログインしたら、右上の「プロジェクト新規作成」ボタンを押して、プロジェクトを作成します。
作成したプロジェクトをクリックして次の画面に進み、「新規DMLデータセット」ボタンを押して、データセットを作成します。
作成したデータセットをクリックして、データセットの詳細画面を開きます。
4. 学習用の画像と評価用の画像をアップロード
学習用の画像と評価用の画像をアップロードします。具体的な操作を箇条書きにします。
- 「学習画像(正常)」ボタンを押して、学習用の画像データをアップロードします。コーヒー豆の画像データセットの「train」→「good」フォルダを開いて、フォルダ内の画像を全て選択(Ctrl+A)して、一度にアップロードしました。
- 「学習画像(異常)」ボタンを押して、学習用の画像データをアップロードします。コーヒー豆の画像データセットの「train」→「chocolate」フォルダを開いて、フォルダ内の画像を全て選択(Ctrl+A)して、一度にアップロードしました。
- 「学習画像(異常)」でアップロードした画像の右側の「異常領域の選択」ボタンを押して、異常領域を選択(チョコレートを部分を選択)して「保存」します。これは、全ての「学習画像(異常)」に対して行います。
- 「評価画像(正常)」ボタンを押して、学習用の画像データをアップロードします。コーヒー豆の画像データセットの「test」→「good」フォルダを開いて、フォルダ内の画像を全て選択(Ctrl+A)して、一度にアップロードしました。
- 「評価画像(異常)」ボタンを押して、学習用の画像データをアップロードします。コーヒー豆の画像データセットの「test」→「candy」フォルダを開いて、フォルダ内の画像を全て選択(Ctrl+A)して、一度にアップロードしました。
- 「評価画像(異常)」ボタンを押して、学習用の画像データをアップロードします。コーヒー豆の画像データセットの「test」→「chocolate」フォルダを開いて、フォルダ内の画像を全て選択(Ctrl+A)して、一度にアップロードしました。
5. AIの学習を実行
「AIモデル作成」ボタンを押します。学習が完了するまで(30分くらい)待ちます。「AIモデルステータス」が「AIモデル作成済み」になったらAIの作成が完了です。
6. 作成したAIモデルと、AI実行プログラムをダウンロード
「ローカル実行情報」タブを開いて、下記ボタンを押して、AIモデルとAI実行プログラムをダウンロードします。
- 「ローカル環境用のAIモデルをダウンロードする」:作成したAIモデルのファイル
- 「ローカル環境用AI実行モジュールをダウンロードする」:AIモデルを実行するためのPythonプログラム「adfi_runtime_module_v1_0_0.zip」
7. 自分のPCでAI実行プログラムを実行
Pythonをインストール済みの自分のPCで、ダウンロードしたPythonプログラムでAIモデルを実行できます。同梱されているsample.pyの中のAIモデルのパスと画像のパスを修正するだけで、すぐにAIを実行できます。
また、sample.pyの中身を参考にすれば、自由に自分のPythonプログラムにAIを組み込めます。
- Python環境のバージョンは、3.7~3.10でないとダメとの記載あり。
- プログラムのコメントに記載のある下記ライブラリをインストールしておく。
pip install opencv-python
pip install cryptography
pip install pillow
pip install torch
pip install torchvision
pip install scikit-learn
- sample.pyの下記部分をAIモデルのパスと入力画像のパスに変更する。
model_path = "runtime_xxxxxxxx_xxxxxx.xxx_model"
img_1 = "xxxxx.png"
img_2 = "yyyyy.png"
- 「python sample.py」でAIを実行。
所感
簡単に、画像検査AIを作成して、自分のPC(GPU無し)で実行することができました!
これまでADFIのAPIだとAIを実行するのに画像あたり3秒くらいかかっていましたが、今回、自分のPCでAI実行すると画像あたりの処理時間が0.1秒台なので、非常に高速で満足でした!(これまでより10倍以上高速!!)
作成したAIモデルは3か月間無料で試用できるようなので、自作アプリに組み込んでいろいろと遊べそうです。