こんにちは。寿司といえばもっぱら回る方のエンジニアです。
皆様、スシローをご存知ですか?
株式会社あきんどスシロー様が運営する、回転寿司チェーンです。
驚くべきコスパで提供される寿司、サイドメニューの豊富さ、数多くの強みを持つお寿司屋さんですが、その中で私が最高に良いと思うのは、座席に取り付けられた注文用のタッチパネルのUXが素晴らしいのです。
※私自身は月3くらいでスシローに行く以外、株式会社あきんどスシロー様とはなんの関係もありません。
本ページでは、スシロータッチパネルのUIの良さを私なりに文章化してみます。
感動ポイント1:繰り返し行う作業は手数を短くする。
そして、この画面で「注文する」を押すと、注文が完了します。
このあとに「確認画面」を配置し、顧客の確認を取りたくなりますが、我らがスシローはそれをしません。
注文は、寿司屋さんで何度も繰り返し行う作業です。
何度も行うことは、少ない手番で完了させる。その意志を感じます。
他の回転寿司チェーンだと確認画面を配置しているところがありますが、スシローのUIを体験したあとだと、なんともストレスになります。
我らがスシローUIでも、呼び出し/会計では、確認画面(「はい」で実行、「いいえ」で取り消しできる画面)を設けています。つまりは「注文する」では、意図的に「確認画面」を設けていないのです。構築時には激しい検討があったものと推察しますが、この気持ちいいUIを決定できる構築チームに私は感動しています。
感動ポイント2:すぐに次の作業に移れる。
という画面に行きます。この画面、どこを押してもすぐに直前の注文選択画面に戻ることができるのです。言わずもがな、直前に操作していたページに戻ります。
これが、「一旦ここまでを区切りとして注文しておこ。」というときに相当気持ちいい動きになります。他の回転寿司チェーンだと、きっと通信しているのでしょう。「注文中です。。。。」でしばらく待たされます。できるだけ注文を纏めて行いたくなりますし、更には、もう注文したくありません。これは店舗側にとっては寿司料理負荷の時間帯集中にも繋がりますし、注文減にもなるでしょう。
スシロー端末も通信時間はあるはずなのですが、それを見せないようにする技術陣に私は感動しています。
感動ポイント3:気の利いた誤操作防止
注文したお寿司はレーンを流れてやってきます。近くまで寿司が来たときに、音声とともにタッチパネルが、
「お寿司きましたよ画面」になるのですが、この画面、しばらく操作できないようになっています。
席に座っている間、気持ち良いUIをガシガシ触っていることが多いので、操作中にお寿司きましたよ画面になることがあります。
もし、この画面が操作によって消えてしまうと、来たのがどのお寿司かわからなくなってしまうところ。これは実際に使ってみないとなかなか気づけないUXだと考えます。こういう誤操作防止をきっちりと組み込んで来るUXを検討・実装できることに感動しています。
感動ポイント4:ユーザシナリオを練り上げている。
お寿司が並ぶ注文画面はタブで分類された構成になっていますが、画面最下部に配置されている「次へ」ボタンは、タブをまたぐことができます。
すなわち、タブに入ったメニューの最後のページまで行っても「次へ」ボタンは有効になっており、ボタンを押すと、次のタブの一番最初のページが表示されます。
これは、2つのユーザーシナリオに対応したUIであると想像します。
- 食べたいものが決まっていて、それを探すための、タブ分類によるUI
- 食べたいものを探すために、メニューを流し読みするための、次へによるUI
両方のユーザシナリオを両立させるためのうまく考えられたUIです。この両立に私は感動しています。
あと、(私の知識の及ばないところで練られに練られたのかもしれませんが、)タブのデザインやボタンのデザイン、配色がなんともダサいところが、なんとも愛着がわきます。
スシローのUXには、他にも私が言語化できていないポイントが沢山あると考えています。全国の回転寿司エンジニアの皆さんも、感動ポイントを教えていただけると嬉しいです。