deno v0.28.0の変更点

概要

denoのv0.28.0がリリースされたため、変更点をまとめます。

Deno.dir()関数に"executable"を渡せるようになった(Linux環境のみ)

Deno.dir('executable');

下記いずれかが返却されます。

• XDG_BIN_HOME
• $XDG_DATA_HOME/../bin
• $HOME/.local/bin

標準ライブラリの各モジュールにmod.tsファイルが追加された

各標準モジュールにmod.tsファイルが追加されている。

それに合わせて、一部関数名等のリネームも行われている。

• std/archive/mod.ts
• std/encoding/mod.ts
• std/fmt/mod.ts
• std/http/mod.ts
• std/io/mod.ts
• std/mime/mod.ts
• std/multipart/mod.ts

参考

• Denoのスタイルガイド

その他の修正点等

Promiseがrejectされcatchされなかった場合、REPLが停止する問題が修正された

• https://github.com/denoland/deno/pull/3527

parseAll関数(std/encoding/yaml)でマルチドキュメントyamlのパースに失敗する問題が修正された

• https://github.com/denoland/deno/pull/3535
• https://github.com/denoland/deno/issues/3534

v0.27.0

import { parseAll } from "https://deno.land/std@v0.27.0/encoding/yaml/parse.ts";

const data = parseAll(`
name: hoge
age: 20
---
name: fuga
age: 30
`);
// error: Uncaught YAMLError: can not read an implicit mapping pair; a colon is missed at line 4, column 1:

v0.28.0

import { parseAll } from "https://deno.land/std@v0.28.0/encoding/yaml/parse.ts";

const data = parseAll(`
name: hoge
age: 20
---
name: fuga
age: 30
`);

console.info(data); // [ { name: "hoge", age: 20 }, { name: "fuga", age: 30 } ]

read*関数にサイズが0のUint8Arrayが渡された場合、0を返すように修正された。

• https://github.com/denoland/deno/pull/3329
• https://github.com/denoland/deno/issues/3287

0.27.0で下記コードを実行すると、エラーが発生します。
0.28.0にて、この問題が修正されました。

const file = await Deno.open('/path/to/file.txt');
try {
  const bytesRead = await file.read(new Uint8Array(0));
  console.info(bytesRead);
} finally {
  file.close();
}

Deno.shutdown関数及びDeno.ShutdownModeenumが追加された

• カスタムのConnインターフェースの実装を容易にすることが目的のようです。
• https://github.com/denoland/deno/pull/3558
• https://github.com/denoland/deno/pull/3560

uuidモジュールのワイルドカードexportが廃止された

• https://github.com/denoland/deno/pull/3540

Deno.dirに不正な文字列が与えられた際に、例外を投げるのではなくnullが返却されるようになった。

• https://github.com/denoland/deno/pull/3531

v0.27.0で下記コードを実行するとエラーが発生しますが、v0.28.0ではnullが返却されるように修正されました。

Deno.dir('hoge'); // null

console.clearが同期的に実行されるようになった。

• https://github.com/denoland/deno/pull/3533
• https://github.com/denoland/deno/issues/3532

例えば、下記のコードをv0.27.0で実行すると、helloとworldの両方がクリアされてしまい、画面には何も表示されません。

v0.28.0では、helloの出力の後にクリアが行われるようになったため、worldの出力は画面に残ります。

console.info('hello');
console.clear();
console.info('world');