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Deno+HTMLで手軽にGUIアプリを作る

Last updated at Posted at 2020-05-31

はじめに

carolという、DenoとHTMLを使ってGUIアプリを作るためのモジュールを作成しました。
この記事では、その紹介も兼ねてcarolを使ったGUIアプリの作成方法について解説します。

前提条件

以下の環境で動作確認しています。

  • Deno v1.0.3
  • Google Chrome v83.0.4103.61

carolはUIを提供するために、ローカルにインストールされたGoogle Chromeを使用します。
そのため、事前にChromeをインストールしておく必要があります。

Hello World!

まず、以下のようなスクリプトを用意します。

mod.ts
import { launch } from "https://deno.land/x/carol@v0.0.6/mod.ts";
import { dirname, join } from "https://deno.land/std@0.54.0/path/mod.ts";

const app = await launch({
  title: "Hello Deno!",
  width: 480,
  height: 320,
});

// Chromeが終了したらDenoのプロセスも終了させる
app.onExit().then(() => Deno.exit(0));

// Chrome側に関数を公開する
await app.exposeFunction("greet", (name: string) => `Hello, ${name}!`);

const folder = join(dirname(new URL(import.meta.url).pathname), "public");
app.serveFolder(folder); // "./public"ディレクトリ配下からファイルを配信する
await app.load("index.html"); // "./public/index.html"を読み込む

次に、上記のmod.tsと同一ディレクトリにpublicディレクトリを作成し、その中にChromeから読み込むHTMLとJSファイルを用意します。

public/index.html
<html>
  <head>
    <meta charset="utf-8" />
  </head>
  <body>
    <h2>Hello, Deno!</h2>
    <script src="/index.js" type="module">
    </script>
  </body>
</html>
public/index.js
(async () => {
  window.alert(await window.greet("Deno"));
})();

この時点で以下のようなディレクトリ構造になっている想定です。

/
├── mod.ts
└── public
    ├── index.html
    └── index.js

それでは、mod.tsを実行してみます。

$ deno run --allow-env --allow-net --allow-read --allow-write --allow-run ./mod.ts

以下のように表示されれば成功です。

Screenshot.png

解説

先程のmod.tsの内容について解説します。

launch()

launch関数を実行すると、Chromeが起動します。
width及びheightプロパティでWindowの横幅と縦幅を指定できます。

import { launch } from "https://deno.land/x/carol@v0.0.6/mod.ts";

const app = await launch({
  title: "Hello Deno!",
  width: 480,
  height: 320,
});

また、argsプロパティを指定することで、Chromeを起動する際のコマンドライン引数をカスタマイズできます。

例) Chromeをヘッドレスモードで起動する
const app = await launch({ args: ["--headless"] });

app.onExit()

// Chromeが終了したらDenoのプロセスも終了させる
app.onExit().then(() => Deno.exit(0));

app.onExitPromiseを返却します。
このPromiseはChromeが終了した際にresolveされます。
上記コードでは、Chromeの終了に合わせてDenoのプロセスも終了させています。

app.exposeFunction(name, fn)

// Chrome側に関数を公開する
await app.exposeFunction("greet", (name: string) => `Hello, ${name}!`);

app.exposeFunction()を使うと、DenoからChromeへ関数を公開できます。
第1引数はChrome側から参照する際の関数名、第2引数で公開する関数の処理を記述します。

公開した関数はwindowオブジェクト経由で使用することができます。

例えば、上記コードの場合、windowオブジェクトにgreet関数が追加されます。

// 以下はブラウザ上で実行されるJavaScriptコードの想定
(async () => {
  const result = await window.greet("Deno"); // Promiseが解決されると、関数の戻り値が取得できます。
  window.alert(result); // Hello, Deno!
})();

app.load()

ChromeにHTMLをロードさせる際に使います。

例えば、以下の例では、app.serveFolder()と組み合わせて、public/index.htmlをChromeに読み込むように指示しています。

const folder = join(dirname(new URL(import.meta.url).pathname), "public");
app.serveFolder(folder); // "./public"ディレクトリ配下からファイルを配信する
await app.load("index.html"); // "./public/index.html"を読み込む

また、以下のようにURLを直接指定することも可能です。

await app.load("https://www.google.co.jp/"); // ChromeにGoogleのトップページを読み込ませる

終わりに

DenoとHTMLを使ってGUIアプリを作る方法について解説しました。

興味があれば、是非使ってみてください。

また、Denoには他にもdeno_webviewというGUIライブラリがあるので、そちらもおすすめです。

補足

  • carolの名前の由来はcarlolorcaのアナグラムです。
  • carolのライセンスはMITライセンスです。
  • carlolorcaのソースをベースにしている箇所があり、そちらについては個別にライセンス・コピーライトが適用されます。
    • carloのライセンスはApache v2です(2020/05/31現在)
    • lorcaのライセンスはMITです(2020/05/31現在)
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