UNIX系OSのディレクトリ構造について
UNIX系OSは、「Filesystem Hierarchy Standard(FHS, ファイルシステム階層標準)」というファイルシステムの階層標準が定められていて、それに則ってディレクトリの構造が決められています。
そのため、UNIX系OSはどれもディレクトリ構造が似ています。
CentOS7.3のディレクトリ構造表
ディレクトリ名 | 読み方(全称) | 概要 |
---|---|---|
/ |
ルートディレクトリ | 一番上の階層。全てのファイルとディレクトリは / の下に格納される |
/bin |
ビン(binaries) | 一般ユーザー向けの基本コマンド群(cat, cp, ls など) |
/boot |
ブート(boot loader) | システムの起動に必要なファイル群(カーネル, 初期RAMディスク など) |
/dev |
デブ(device) | 基本デバイスファイル群(cpu, disk など)。UNIXではデバイスをファイルとして扱う |
/etc |
エトセ(et cetera) | システム全体に関わる設定ファイル群 |
/etc/opt |
エトセ スラ オプト |
/opt/ の設定ファイル群 |
/home |
ホーム | 一般ユーザーのホームディレクトリ群。ホームディレクトリとしてユーザー名のディレクトリが格納され、その中にはユーザー単位の設定ファイルやセーブデータなどを保存する |
/lib |
リブ(library) |
/bin/ や /sbin/ にある基本コマンドの実行に必要なライブラリ群 |
/lib64 |
リブ64 | 64bitの場合は /lib でなくこちらのディレクトリが使用される |
/media |
メディア | リムーバブル媒体(CD-ROM, DVD-ROM など)のマウントポイント |
/mnt |
マウント(mount) | ファイルシステム(fstab など)の一時的なマウントポイント |
/opt |
オプト(option) | アプリケーションソフトウェアパッケージのインストール先。パッケージ管理ツール以外でインストールしたディレクトリ構造になっているアプリケーションの格納先に適している |
/proc |
プロック(process) | プロセス情報群。プロセスIDが付いたディレクトリが格納される |
/root |
ルート | rootユーザーのホームディレクトリ |
/run |
ラン | 実行時の可変データ群。再起動時に消去される |
/sbin |
エスビン(system binaries) | rootユーザー向けのシステム管理コマンド群(ip, shutdown, reboot など) |
/srv |
エスアールブイ(served) | システムによって提供されたサイト固有のデータ群。FTPやWWWでユーザー用のディレクトリとして使用される |
/sys |
シス(system) | ドライバ関連のプロセス情報群。 /proc が膨大になるのを防ぐために分けられている |
/tmp |
テンプ(temporary files) | 一時ファイル群。再起動時に消去される |
/usr |
ユーザー(User Services and Routines) | 全ユーザーが使用するアプリケーションソフトウェアやライブラリ群 |
/usr/bin |
ユーザー スラ ビン | 一般ユーザー向けの基本でないコマンド群(perl, openssl など) |
/usr/etc |
ユーザー スラ エトセ | あまり使用されない。通常は /etc が使用される |
/usr/include |
ユーザー スラ インクルード | C言語のヘッダーファイル(*.h)群 |
/usr/lib |
ユーザー スラ リブ |
/usr/bin/ や /usr/sbin/ にある基本コマンドの実行に必要なライブラリ群 |
/usr/lib64 |
ユーザー スラ リブ64 | 64bitの場合は /usr/lib でなくこちらのディレクトリが使用される |
/usr/libexec |
ユーザー スラ リブエグゼク(library execute) | コマンドから内部的に呼ばれる補助コマンド群(postfix用の補助コマンド など) |
/usr/local |
ユーザー スラ ローカル | ホスト固有のローカルデータ群。サブディレクトリに bin etc include lib lib64 libexec sbin share src が存在する |
/usr/local/bin |
ユーザー スラ ローカル スラ ビン | ソースコードをビルドするなど、パッケージ管理ツール以外でインストールした単一ファイルのアプリケーションの格納先に適している |
/usr/local/src |
ユーザー スラ ローカル スラ ソース | 手動でビルドするソースコードの格納先に適している |
/usr/sbin |
ユーザー スラ エスビン | rootユーザー向けの基本でないコマンド群 |
/usr/share |
ユーザー スラ シェア(shared) | アーキテクチャ(OS など)に依存しない共有ファイル群。具体的にはドキュメントやマニュアル(man)、各アプリケーションソフトウェアで使用するデータベースなどが保存される |
/usr/src |
ユーザー スラ ソース(source code) | ソースコード群(カーネルのソースコードとそのヘッダーファイル群 など) |
/usr/tmp |
ユーザー スラ テンプ |
/usr の一時ファイル群。通常、 /tmp にシンボリックリンクが貼られている |
/var |
バー(variable) | 可変ファイル群。ログやキャッシュなど、内容が常に変化するファイル群が格納される。インストールしたパッケージによっては /var 直下にディレクトリが作成されることがある |
/var/cache |
バー スラ キャッシュ | アプリケーションのキャッシュファイル群 |
/var/crash |
バー スラ クラッシュ | クラッシュ時のダンプデータ群。クラッシュの原因を究明するために使用する |
/var/db |
バー スラ ディービー(database) | アプリケーションのデータベース群 |
/var/empty |
バー スラ エンプティ | SSHで使用される |
/var/lib |
バー スラ リブ | アプリケーションの実行により動的に生成された状態情報群 |
/var/local |
バー スラ ローカル |
/usr/local の可変ファイル群 |
/var/lock |
バー スラ ロック | ロックファイル群。排他制御を行う場合に使用する |
/var/log |
バー スラ ログ | ログファイル群。様々なログが存在する |
/var/mail |
バー スラ メール | 各ユーザーのメールボックス |
/var/opt |
バー スラ オプト |
/opt/ の可変ファイル群 |
/var/run |
バー スラ ラン | 非推奨になったため /run のシンボリックリンクが貼られている |
/var/spool |
バー スラ スプール | 処理待ちのスプールファイル群(印刷待ちデータ、送信待ちメールデータ など) |
/var/tmp |
バー スラ テンプ | 一時ファイル群。 /tmp と異なり再起動時に消去されない |