はじめに
Re:VIEWのtipsをまとめて紹介します。
環境
- Re:VIEW:4.2.0
前提条件
- TechBoosterさんのテンプレート(以下「てくぶスタイル」と呼ぶ)を使っている
https://github.com/TechBooster/ReVIEW-Template
Re:VIEWのtips
登録商標を載せる
まず、登録商標のページをRe:VIEWとは別にPDFで作成します。
私(作成自体は同僚が行ってくれた)はMicrosoft Wordで作成し、PDFに書き出しました。
用紙サイズを指定して、変に改行されないよう余白幅を絞ると調整しやすいです。
そのPDFを articles/images
フォルダに格納し、以下のTEXファイルを作成します。
PDFとTEXのファイル名は任意です。
\includefullpagegraphics{images/registered-trademark.pdf}
設定ファイルの creditfile
で、作成したTEXファイルを指定すればOKです。
creditfile: registered-trademark.tex
参考
https://twitter.com/kmuto/status/1166548241237676038?s=20
奥付に無断転載禁止を載せる
TBD
電子版に表紙と裏表紙を付ける
TBD
見出しの番号を非表示にする
見出しの =
のすぐ後ろに [nonum]
と付けることで、見出しの「第○章」や「1.1」などが非表示になります。
対象の見出しより深い階層の見出しにも再帰的に適用されます。
タイトル付きの箇条書きを書く
正式名称がわからないので「タイトル付きの箇条書き」としています。
:
の前後には半角スペース、テキストの前はタブを入れる必要があります。
: {タイトル1}
{テキスト1}
{テキスト1}
: {タイトル2}
{テキスト2}
{テキスト2}
…
注意として、空白行を含めると箇条書きにならなくなるので、改行したい場合は @<br>{}
を使ってください。
タイトル付き箇条書き間のマージンを広げる
デフォルトだとタイトル付き箇条書きのタイトルの上下のマージンが同じ(に見える)です。
個人的にはもう少しマージンを広げたいので、 articles/sty/review-custom.sty
に以下を追記します。
+ % コロン箇条書き間のマージンを増やす
+ \renewenvironment{description}{%
+ \list{}{%
+ \labelwidth=\leftmargin
+ \labelsep=1zw
+ \advance \labelwidth by -\labelsep
+ \itemsep 0.5\baselineskip %これで項目間アキを追加
+ \let \makelabel=\descriptionlabel}}{\endlist}
review-custom.sty
はユーザー定義マクロ用のファイルであり、最後に読み込まれます。
他のファイルで定義した内容を再定義することもできるので、直接編集するより review-custom.sty
に追記するのが望ましいです。
全ページのヘッダとフッタを非表示にする
てくぶスタイルでは、デフォルトで全ページにヘッダとフッタが表示されます。
articles/sty/review-style.sty
の \pagestyle
を empty
に変更することで、全ページのヘッダとフッタが非表示になります。
- \pagestyle{fancy}
+ \pagestyle{empty}
ヘッダやフッタを寄稿先で付ける場合などに有用です。
私はiOSDC Japan 2020のパンフレットへ寄稿したときに、ヘッダとノンブルを非表示にしたくてこの設定を適用しました。
キャプションの記号を変える
てくぶスタイルでは、リストなどのキャプションの記号が ▲
なので、キャプションが上付きだと向きが逆になります。
articles/sty/review-custom.sty
に以下を追記することで、キャプションの記号を上書きします。
+ % キャプションの先頭に付く記号を▼に変更する
+ \def\captionhead{\sffamily{\color{black!30!white}{▼}}}
コラムの見出しを中央揃えにして上のパディングを広げる
てくぶスタイルでは、コラムの見出しが左寄せです。
articles/sty/review-custom.sty
に以下を追記することで、コラムの見出しを中央揃えにして上のパディングを広げます。
+ % コラムの見出しを中央揃えにし、上のパディングを増やす
+ \renewcommand{\reviewcolumnhead}[2]{%
+ \vspace{0.5\baselineskip}
+ {\hfil\large\sffamily #2}
+ \vspace{\baselineskip}}
インラインコードの途中で改行されないようにする
デフォルトでは、インラインコード @<code>{...}
の途中でも改行されます。
改行されたくないインラインコードの直後に @<embed>$|latex|\linebreak{}$
を付けて強制均等割り改行することで、途中で改行されなくなります。
以下は4行目の「 master
」を途中で改行されないようにしている例です。
- それだけではPRのマージ時にCIが実行されないため、@<code>{develop}と@<code>{master}ブランチのプッシュもトリガーにしています。
+ それだけではPRのマージ時にCIが実行されないため、@<code>{develop}と@<code>{master}@<embed>$|latex|\linebreak{}$ブランチのプッシュもトリガーにしています。
紙版でソースコードにシンタックスハイライトを付ける
config.yml
の highlight:
で latex: "listings"
を指定することで、紙版でソースコードにシンタックスハイライトを付けられます。
+ highlight:
+ latex: "listings"
技術同人誌はモノクロで製作することが多いですが、カラーにする場合はこちらの設定が有用です。
枠線やパディングなどが変わってしまうのが残念ですが、スタイルをいじれば戻せるとは思います。
副作用でソースコードが自動で折り返されるようになるのは嬉しいです。
listingsがデフォルトで定義しているプログラミング言語は、以下のp.13に記載されています。
http://texdoc.net/texmf-dist/doc/latex/listings/listings.pdf
Swift
や make
があるのは嬉しいです。 YAML
がないのは残念でした。
ちなみにプログラミング言語はリストで3つ目のオプションに指定します。
make
を指定する場合は以下のようにします。
//list[makefile][@<code>{Makefile}の全体図(CIに必要な内容のみ)][make]{
# 変数
…
//}
参考
https://twitter.com/kmuto/status/1277060926567444481?s=20
おわりに
もし同じようなことで困っている方の助けになれば幸いです。