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Cocoaのライブラリ管理ツール「CocoaPods」のセットアップ&操作方法

Last updated at Posted at 2018-12-22

「CocoaPods」とは?

Cocoa(iOSやmacOSなど)のライブラリ管理ツールです。
Carthageが台頭するまではCocoaPods一択でしたが、今はプロジェクトによってCarthageのみを使ったり、両方を併用して使ったりすることが多いと思います。

Carthageとの主な違いについてはこちらに書いています。

環境

  • OS:macOS Mojave 10.14
  • Xcode:10.0 (10A255)
  • Swift:4.2
  • RubyGems:2.7.1
  • CocoaPods:1.5.3

CocoaPodsのセットアップ

RubyGemsの更新

まずはRubyGemsを更新します。

$ sudo gem update --system

私の環境では以下のエラーが発生しました。

$ sudo gem update --system
Password:
Updating rubygems-update
Fetching: rubygems-update-3.0.0.gem (100%)
ERROR:  While executing gem ... (Gem::FilePermissionError)
    You don't have write permissions for the /usr/bin directory.

RubyGemsが /usr/bin にインストールされていて、アクセス権限がないのが原因です。

$ which gem
/usr/bin/gem

usr/local/bin にインストールし直せば解決できると思いますが、手間がかかるので現状のバージョンのままとしました。

CocoaPodsのインストール

RubyGemsからインストールします。

$ sudo gem install -n /usr/local/bin cocoapods

sudo gem install cocoapods でインストール先を指定せずにインストールすると、 -bash: pod: command not found となり pod コマンドが使えないので注意してください。

CocoaPodsのセットアップ

pod setup コマンドでCocoaPodsの環境をセットアップします。

$ pod setup

セットアップが完了しない場合、以下を実行し、再度 pod setup を実行するとうまくいくことがあります。
git clone に時間がかかるので注意です。

$ cd ~/.cocoapods/repos/
$ rm -rf master/
$ git clone https://github.com/CocoaPods/Specs.git master

ライブラリのセットアップ

カレントフォルダの変更

まずはプロジェクトのルートフォルダに移動します。

$ cd {.xcodeprojファイルがあるフォルダ}

Podfileの作成

pod init コマンドを実行すると、カレントフォルダに Podfile というファイルが作成されます。

$ pod init

Podfileの編集

PodfileをVimなどのテキストエディタで開きます。

Podfile
# Uncomment the next line to define a global platform for your project
# platform :ios, '9.0'

target '{製品ターゲット名}' do
  # Comment the next line if you're not using Swift and don't want to use dynamic frameworks
  use_frameworks!

  # Pods for {製品ターゲット名}

  target '{テストターゲット名}' do
    inherit! :search_paths
    # Pods for testing
  end

end

すでにテンプレートが記述されていることがわかるので、1つずつ編集していきます。

対象プラットフォームの指定

コメントに記述されている通り、platformをコメントインして対象のプラットフォームを指定します。

例:
対象OS:iOS
対象バージョン:10.0以上

# Uncomment the next line to define a global platform for your project
- # platform :ios, '9.0'
+ platform :ios, '10.0'

プラットフォームを指定しない場合、 pod update 時などに以下の警告が出力されます。

[!] Automatically assigning platform `ios` with version `12.0` on target `{プロジェクト名}` because no platform was specified. Please specify a platform for this target in your Podfile. See `https://guides.cocoapods.org/syntax/podfile.html#platform`.

簡単に訳すと「Podfileにプラットフォームが指定されていないから、勝手にiOSの12.0にしたよ」ということです。

ライブラリの指定

使いたいライブラリを target '{製品ターゲット名}' do の中に記述していきます。
フォーマットは pod '{ライブラリ名}' '{記号} {バージョン}' です。

例:
バージョン6.0と互換性のあるGoogleTagManagerを指定

target '{製品ターゲット名}' do
  # Comment the next line if you're not using Swift and don't want to use dynamic frameworks
  use_frameworks!

  # Pods for {製品ターゲット名}
+ pod 'GoogleTagManager', '~> 6.0'

end

記号の意味は以下の通りです。

記号 意味
> 1.0 1.0より大きい最新バージョン
>= 1.0 1.0以降の最新バージョン
< 1.0 1.0より小さいバージョン
<= 1.0 1.0以前のバージョン
~> 1.0 1.0と互換性がある最新バージョン
なし 最新バージョン

ライブラリをテストターゲットに追加

TARGETSでテストターゲットを選択 > Build Settings - Framework Search Paths

$(inherited) を全てのテストターゲットに記述します。
Carthageなどですでに記述している場合、半角スペース区切りで追加すればOKです。

スクリーンショット_2019-01-05_17_05_59.jpg

こちらを記述しないと単体テストの実行時に以下のビルドエラーが発生することがあります。

ld: framework not found {ライブラリ名}
clang: error: linker command failed with exit code 1 (use -v to see invocation)

ビルドエラー以外にも pod update 時などに以下の警告が出力されます。

[!] The `{プロジェクト名}Tests [Debug]` target overrides the `FRAMEWORK_SEARCH_PATHS` build setting defined in `Pods/Target Support Files/Pods-{プロジェクト名}Tests/Pods-{プロジェクト名}Tests.debug.xcconfig'. This can lead to problems with the CocoaPods installation
  - Use the `$(inherited)` flag, or
  - Remove the build settings from the target.

[Debug] or [Release]×Unit Tests or UITestsで計4つも似たような警告が出力されます。

ユーザーデータの削除

$(inherited) の追加時に「No Scheme」となってビルドできなくなることがあります。
その場合、プロジェクトからユーザーデータを削除することでスキーマが復活します。

{プロジェクト名}.xcodeprojを右クリック > パッケージの内容を表示
スクリーンショット_2019-01-05_17_21_21.jpg

xcuserdata > {ユーザー名}.xcuserdatadをフォルダごと削除
スクリーンショット_2019-01-05_17_25_30.jpg

ライブラリのインストール

Xcodeを終了し、以下のコマンドを実行します。

$ pod install

インストールが完了すると {プロジェクト名}.xcworkspace というファイルが作成されるので、{プロジェクト名}.xcodeproj ではなくこちらを開くようにします。
スクリーンショット 2018-12-22 14.17.39.png

Podfile.lockというファイルも作成されます。
こちらのファイルには実際にインストールしたライブラリのバージョンが記述されています。

Podfile.lockが存在するときに pod install を実行すると、 Podfileを見ずにPodfile.lockのみを見てライブラリをインストール します。
開発者同士でライブラリのバージョンを合わせるときに使います。

ライブラリの更新

pod update コマンドを実行すると、Podfileに記述した全てのライブラリが更新されます。

$ pod update

Podfile.lockも更新されます。

特定のライブラリのみ更新したい場合、半角スペース区切りでライブラリを指定することで行えます。

$ pod update {ライブラリ名1} {ライブラリ名2} ...

バージョン管理から無視する

インストールされたライブラリは Pods フォルダ内に格納されます。

サイズが大きいため、 Pods フォルダごとバージョン管理の対象外にすべきです。
Gitを使っている場合、以下を .gitignore に追加するのみでOKです。

.gitignore
Pods

CocoaPodsのバージョンアップ

RubyGemsからバージョンアップします。

$ sudo gem update -n /usr/local/bin cocoapods

おわりに

これでライブラリが使えるようになります!
GTMやCrashlyticsなど、公式がCocoaPodsからのインストールのみを紹介しているライブラリはまだ多いので、Carthageとうまく併用しつつ、素晴らしいライブラリライフを送りましょう:relaxed:

参考リンク

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