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Raspberry Piの壊し方

Last updated at Posted at 2016-12-06

※この記事はUEQareer Advent Calendar 2016 7日目の記事です。

はじめに

昨今は、IoTプロダクトを作るために、プログラマーの方が試行錯誤しながらRaspberry Piとブレッドボード上の回路を作っているというケースは非常に多いかと思います。

タイトルは半分釣りで「Raspberry Piの壊し方」としましたが、
Raspberry Piなどの回路デバイスを最低限壊さないために気を付けた方が良い事を書きます。

Raspberry Piの壊し方

電源をショートさせる

言わずもがなではありますが、電源をショートさせると壊れます。"rm -rf /"並の破壊力です。
ブレッドボードとRasPiを接続する際は、電源とGNDのジャンパ線は一番最後に、細心の注意を払って接続するようにしましょう。

追記(2019/08/14)

電源ラインとGNDラインがショートしていないことを確認するために、
テスターの抵抗レンジ(導通チェックレンジ)を使用することもあるかと思います。
ただしこの確認方法は、電源-GND間にテスターのピンを当てた直後はコンデンサの充電電流が流れることによって正しく測定が出来ないので注意が必要です。
(ショートはしていないのに導通を示すビープ音が鳴ってしまいます)

過電圧をかける

Raspberry Piが壊れる原因として最も多いのは、限界を超えた電圧をかけてしまうことかと思われます。

Raspberry Piの内部にも何らかの保護回路は入っているかと思われますが、
基本的には安全を期して、外部回路のほうで対策を施します。

例えば、5Vで動くセンサをRasPiに接続する場合。
RasPiの内部は基本的に3.3Vで動いていますので、5Vで動くセンサなどを直接接続してしまうと、過電圧を入力してしまいます。
(電源電圧よりも高い電圧の入力を可能とするトレラント機能というものもありますが、ここでは無視します。)

この問題に対する回路は主に「レベルシフト回路」と呼ばれていて、様々な種類がありますが手持ちの部品などと相談して決めます。
以下のブログ記事にて様々な方法が紹介されています。
レベルシフト 第二回:分圧型と入力レベル

RasPiと他の部品を接続する際には、そこにかかる電圧をきちんとチェックすることを心がけましょう。

電流を流しすぎる

過電圧に並ぶメジャーな壊し方として、「過電流を流す」という方法があります。

例えばモーターを回そうと思ったとき、
その大きさにもよりますが、時には1A以上の電流が必要になります。
RasPiのGPIOが出力可能な最大電流が50mAという事を考えると、1Aというのはかなり大きな電流で、一瞬でパイが焼きあがってしまいます。
(参考までに、よく見る砲弾型のLEDはだいたい10mAも流せば結構明るく光ります。)

こういった電流をたくさん消費する部品を使う際には、「ドライバ回路」と呼ばれるものを使います。
LEDなら「LEDドライバ」、モーターなら「モータードライバ」です。
これらのワードで検索すれば回路図はたくさん出てきますので、ここでは例を省略します。

追記

RasPiの場合は電源をACアダプタから供給していることがほとんどだと思うので大丈夫なのですが、
PCから電源を供給することが可能なArduino等では、USBポートの電源供給能力にも気を配る必要があります。
機種にもよりますがUSBポートの最大出力電流は500mA程度で、モーターを複数繋いだりすると案外すぐに超えてしまいます。
もし限界を超えた電流を流してしまうと、最悪USBポートが焼けてしまい、そのポートが使えなくなってしまいます。
PCからの電源供給は100mA程度までにしておくのが無難です。
もっと言えば、モーターなど消費電流の大きなものを使う際には別の電源を用意して使うのが無難です。

さいごに

インターネット上では様々な回路図が見つかりますが、
要所をわかりやすく伝えるために保護回路が省略されていることも多々あります。
サンプルコードでエラーハンドラが省略されているようなものです。

そのような危険な回路を見つけるのは初心者には難しいのですが、
上2つの過電圧・過電流に気を付けていれば、危険な回路というのがわかるようになってきます。
安全に電子工作を楽しみましょう。

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