11月28日(米国時間)、米ラスベガスで開催されたAWSの年次カンファレンス「AWS re:Invent 2018」(11/26~11/30)。AWSのアンディ・ジャシーCEOのキーノート講演を中心に、さまざまなオンラインメディアで取り上げられています。さまざまな機械学習関連の新サービス、サーバレスの推進、そしてAWSがついに始めたブロックチェーン関連のサービスなど、AWSはさらにさまざまな新サービスを加速して提供していく姿勢が感じられたre:Inventだったようです。
※下記サイトからの転載。ビッグデータ・AIなどに関するトピックを毎週取り上げています。
TechCrowd: https://www.techcrowd.jp/related/
#[AWS re:Invent 2018レポート、ジャシーCEOが発表した20の新サービスを一挙に解説] (https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/1157068.html)
クラウドwatchのre:Invent 2018でAWSのアンディ・ジャシーCEOが行ったキーノートのレポート記事です。5万人を超える聴衆を前にAWSクラウドのミッションから20の新サービスを紹介した内容をレポートしてくれています。
◆ストレージ/ファイルシステム関連の3つのアップデート
Glacier Deep Archive
オンプレミスのテープより低価格で容易にコールドデータを管理できる、フルマネージドのアーカイブサービス。
Amazon FSx for Windows File Server
フルマネージドなWindowsファイルシステム
Amazon FSx for Lustre
フルマネージドなLustreファイルシステム
◆簡単かつセキュアな環境構築ツール
AWS Control Tower
複数のAWSアカウントをセキュアに設定/管理するサービス
AWS Security Hub
AWS環境全体のセキュリティとコンプライアンスを一元的に管理するサービス
AWS Lake Formation
セキュアなデータレイクを数日で構築可能にするサービス
◆データベースサービス
DynamoDB Read/Write Capacity On Demand
DynamoDBの事前のキャパシティプランニングが不要となり、使った分だけを支払うことが可能に
Amazon Timestream
高速でスケーラブルなフルマネージドの時系列データベース。サーバーレス
Amazon Quantum Ledger Database
透過的なフルマネージドの台帳データベース。ブロックチェーン関連アップデートのひとつ
Amazon Managed Blockchain
Hyperledger FabricとEthereumをサポートするフルマネージドのブロックチェーンサービス。
◆マシンラーニング関連サービス
Amazon Elastic Inference
EC2インスタンスに、GPUにもとづく推論(inference)アクセラレーションをエラスティックに追加できる低コストなサービス
AWS Inferentia
AWSカスタム設計の推論チップ。2019年にEC2 、SageMaker、Elastic Inferenceと統合して提供予定
Amazon SageMaker Ground Truth
マシンラーニングを使用したトレーニングデータを蓄積するサービス
AWS Marketplace for Machine Learning
マーケットプレイスでマシンラーニングのアルゴリズムやモデルを売買可能に
Amazon SageMaker RL
SageMakerに新たに追加された強化学習(Reinforcement Learning:RL)機能。
Amazon DeepRacer
強化自律学習による1/18スケールの完全自動運転車。
Amazon Textract
スキャンされたドキュメントからテキストとデータを容易に抽出するサービス。
テーブル構造を含む請求書や領収書、契約書、登録書類などあらゆる文書を
正確に読み込む訓練が事前になされているため、データ抽出のためのプログラミングも不要。
Amazon Personalize
Amazon.comで使われているのと同じ技術をベースとしたパーソナライゼーションおよびレコメンデーションサービス
Amazon Forecast
売上や利益などのビジネス指標をはじめとした各種時系列データの予測サービス
◆ハイブリッドクラウド
AWS Outposts
AWSインフラストラクチャをオンプレミス環境で実行できるAWS設計のハードウェア
#[自動運転ミニカー、AIチップなど、AWS re:Invent 2018における機械学習/AI関連の発表まとめ] (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1811/29/news148.html)
@ITのre:Invent 2018のレポート記事の第一弾。機械学習関連をレポートしています。機械学習/AI関連の発表が2017年に比べ、大幅に増加。内容も、実際に機械学習/AIに取り組んでいる人々が実際に直面する課題に対応した、ステップ2の取り組みとも形容できるものが増えたようです。
まず取り上げたのがAmazon Textract。光学的文字認識を高度化したサービス。デジタル文書/画像中の文字を認識し、デジタルデータに変換する。文章の行や文中の表、帳票の項目などを事前設定なしに理解するというのがポイント。
「Amazon Personalize」は、Amazon.comがレコメンデーションエンジンで使ってきたアルゴリズムを、誰でも簡単に利用できるようにするサービス。リアルタイムでのレコメンデーションおよびパーソナライズの用途に使える。データとしては、Amazon S3に保存された静的データの他、ストリーミングデータも扱える。
「Amazon Forecast」。文字通り、時系列予測が行えるサービス。値下げや各種キャンペーンの影響を考慮した商品需要予測なども可能。データを準備し、「レシピ」を選択することで、データに応じた最適なアルゴリズムを適用し、結果を返せるといいます。予測結果は、コンソール上でグラフとして見ることもできる。
次は、Amazon SageMaker関連の3つのアップテート。画像における物体の認識や分類などを機械学習で実行するには、大量のデータにラベル付け(アノテーション)を行う必要がありますが、このラベル付け作業を効率化するための新サービスが「Amazon SageMaker Ground Truth」。「Amaon SageMaker RL」は、Amazon SageMakerの機械学習パイプライン機能を、強化学習に適用するサービス。デプロイ先のハードウェアを意識せずに、単一の機械学習モデルをどこにでもデプロイできるようにするAmazon SageMakerの新機能が「Amazon SageMaker Neo」。
#[AWS上にデータレイクを迅速に構築できる「AWS Lake Formation」は、どう設計されているか] (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1812/03/news020.html)
@ITのre:Invent 2018のレポート記事の第二弾。AWS Lake Formationをとりあげています。
「AWS Lake Formation」は、AWSのデータサービスおよびオンプレミスのリレーショナルデータベースにある各種形式のデータを自動的に認識し、データカタログを構築してデータを加工した後、Amazon S3にまとめて保存するサービス。重複排除の機能も備えている。
このサービスの最大の特徴は、安全なデータレイクの構築にこれまで数カ月かかっていたものを、数日で行えるようになること。2018年になって、企業がオンプレミスのデータをAWSに集め、データレイクを作る動きが活発化しているという認識のもと、AWSが今、データレイクのサービスを発表したとのこと。
データの集約先はS3。S3はオブジェクトストレージであり、多様なデータ、構造化データから非構造化データまで、元のデータ形式を保ったまま保存でき、分析に用いることが可能となります。また同一データに対し、複数のサービスが互いに干渉することなく、同時にクエリができることになります。データをS3に格納することで、『唯一の真実』を提供でき、データ関連業務を機動的なものにでき。社内のさまざまなチームがそれぞれ好きなツールを使って、データを複製するなどせずに、それぞれのペースで業務を進められるデータレイクが構築できることになります。
またAWSがLake Formationで強調しているのは、「安全な」データレイクの構築が迅速にできること。リレーショナルデータでいえば表、行、列の単位でアクセスポリシーを設定し、その後のデータ活用プロセス全てにわたってこれを適用し続けられる。
#[AWS、サーバレスの進化とクラウドネイティブアプリケーションの広がり] (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1812/04/news018.html)
@ITのre:Invent 2018のレポート記事の第三弾。サーバレスの進化とクラウドネイティブアプリケーションの広がりについて取り上げています。
AWSは2018年のre:Inventで、「build(構築する)」「builders(構築する人たち)」という言葉を多用し始めた。ソフトウェア開発の目的は、何らかのビジネスソリューションを構築・運用するためにある。だから『build』を目的に『develop』してもらいたいということのようです。
クラウド(AWS)ネイティブな世界では、従来のように多数のコードを書かずに、堅牢(けんろう)で柔軟なソリューションを構築できる方向を目指していることをワードにしたようです。
上記につながる動きの一つが、「AWS Step Functions」の新機能。Step Functionsは、マイクロアプリケーション(マイクロサービス)をつなげてフローを構築し、より複雑なアプリケーションを組み立てられるサービス。
AWS re:Invent 2018では、コンテナサービスの「Amazon ECS」「AWS Fargate」、および「DynamoDB」(データベース)、「AWS Batch」(バッチ)、「Amazon SNS」(プッシュ通知)、「Amazon SQS」(メッセージキュー)、「AWS Glue」(ETL)、「Amazon SageMaker」(機械学習ワークフロー)との統合を実現した。これらの実行をStep Functionsのフローに組み込めるようになりました。
関連して、AWSはサーバレスのLambdaで、開発言語対応の拡張を発表。従来はNode.js、Java、C#、Go 、Pythonをサポートしていたが、新たにRubyへの対応を明らかにしました。