2017年10月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2017」、三日間合計で7万人強の来場者をむかえて終了しました。この国内有数のITイベントでの注目された講演などから、クラウド・AIなどの分野におけるトレンドをご紹介します。やはりAIに関するトピックスは多く、AI技術を取り入れた製品やAI技術への取り組み紹介、AIにどのように取り組んでいくべきかに関するパネルディスカッションなどが目につきましたがその他にも、Marketing部門とIT部門との融合がこれからのキーとなるという「MeTech」やITpro EXPO AWARD大賞を受賞したパナソニックの頑健さが売りのタブレット端末を用いた業務向けのソリューションを紹介しているオンラインメディアの記事をピックアップして紹介します。
※下記サイトからの転載。ビッグデータ・AIなどに関するトピックを毎週取り上げています。
TechCrowd: https://www.techcrowd.jp/related/
[ITpro EXPO AWARD大賞はパナソニック、社会問題である老朽化施設点検を効率よく] (http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/101000415/101200053/)
「ITpro EXPO AWARD 2017」の大賞はパナソニックの「タフパッドの空間採寸/温度センシングによる業務効率ソリューション」が受賞した。
タフパッドは、パナソニックの堅牢さが売りのタブレット端末。パナソニックではタフパッドを用いた、様々な現場向けのソリューションを展開しており、それが受賞しました。
「空間採寸」は、タフパッドの3Dカメラを使って離れたところから採寸。工事現場での構造物やひび割れ、物流現場での荷物を画面に表示して、画面上で寸法が分かります。
「温度センシング」は電力・鉄道業界向けのソリューション。タフパッドに取り付ける赤外線サーモグラフィーカメラと専用ソフトを組み合わせて、温度計測と画像の記録ができるものです。
現場の課題をIT技術でスマートに解決している点が評価されました。
大賞のほかの受賞製品には、SORACOM社のチップ型やSIMやGoogle Cloudなど話題のクラウド・IoT製品などが選ばれています。
[AIは「タスク単位」で人間の仕事を代替する、人工知能学会会長やNRIなどが議論] (http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/101000415/101300103/)
「ITpro EXPO 2017」のパネルディスカッション「改めて問う、AIは本当に人間の職業を奪うのか?」のレポート記事です。パネルティスカッションに登壇したのは、国立情報学研究所教授で人工知能学会会長の山田誠二氏、xenodata lab.の関洋二郎社長、野村総合研究所(NRI)未来創発センター 2030年研究所上級コンサルタントの上田恵陶奈氏の3人。
人工知能学会会長の山田氏は、「AIはタスク単位で人間の仕事を代替するものの、全体の仕事から考えれば一部。人間の職業を丸ごと代替するとは考えにくい」と述べています。
NRIの上田氏は、人間の仕事は経営判断など「創造性」に関わる仕事や、過去に起きていないことに対する課題解決など「非定型」の仕事になっていくとあげたようです。
xenodata lab.の関氏も、財務諸表を読み込む作業をAIで自動化すれば、投資家からまた別の要望が出てきて、新たな仕事が生まれるので仕事がなくなることはないだろうとのこと。
ただし、最後に三人ともに共通したコメントとして、組織としても個人としても、これからはAIリテラシーが必要となるだろうとしています。
[技術者は「MarTech」で自社ビジネスに貢献せよ──ITproマーケティング松本氏が講演] (http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/101000415/101200067/)
ITpro Active副編集長でITproマーケティングを担当する松本 敏明氏が、「ITエンジニアが理解しておくべきデジタルマーケティング最新事情」というタイトルで行った講演のレポートです。
デジタルマーケティングへの取り組みが進んできている中で、とくに重要なのが、マーケティング部門とIT部門の連携であるとのこと。マーケティングを活用した企業の変革にIT部門の関与が欠かせなくなっていると解説しています。
有力なIT企業がどんどんデジタルマーケティングを取り入れて変革を進めるとともに
ITベンダーがユーザ企業にデジタル変革を訴えており、すでにMarTech時代に突入しているとのこと。MarTechとはMarketingとTechnologyを融合させたことばで米国では
マーケティングとITの融合が進む中、よく使われ始めている言葉とのことです。
「製品性能だけでは差別化できない」、ブリヂストン三枝氏
ブリヂストン 執行役員 CDO・デジタルソリューションセンター担当の三枝 幸夫氏の「ブリヂストン、デジタル変革の挑戦~生産革新から新サービス創出まで」と題した基調講演のレポート記事です。
タイヤ業界もソリューションプロバイダー化が求められているとともに、ビッグデータを活用した業務効率の改善への取り組みや、タイヤにセンサーを組み込んでタイヤの磨耗状況や路面状態を把握することにより、路面凍結防止剤の散布量を最適化するIoTへの取り組みなどさまざまな先端ITヘの取り組みを行った事例を紹介してくれています。
業務マニュアルを20カ国語に自動翻訳、コニカミノルタの「AiLingual」
コニカミノルタの業務マニュアルを翻訳するクラウドサービス「AiLingual」(アイリンガル)の展示についてのレポート記事です。
AiLingualは主に飲食業や製造業向けのサービスで、OJT用の資料など業務マニュアルの作成や翻訳を支援する。20カ国語に対応した自動翻訳機能や、画像や動画を取り入れたマニュアルを作成する機能が特徴。
AiLingualは2017年3月より提供しており、30日間のトライアルは無料。「スタータープラン」は利用環境構築などの初期費用が2万5000円。月額プランは4万8000円で、年間プランは45万円。
外国人の従業員が増加している飲食などの業界をターゲットとしたクラウドのサービスです。無料トライアル期間もあり、まずはさわってもらって検討してもらえるなど、クラウドのサービスが広がっていることを感じさせるサービスのひとつです。
[JBCCの「俺のクラウド」、AIチャットボットで問い合わせ対応] (http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/101000415/101200070/)
JBCCのクラウド製品「俺のクラウド」の展示についてのレポート記事です。
俺のクラウドは、名刺管理などの業務ソフトやクラウドサービスに同社の運用管理サービスなどを組み合わせたもの。クラウド導入に不安を抱える企業でも、手軽に導入・運用できる。
注目展示はAIチャットボットを利用して業務を効率化する「CLOUD AI チャットボット」。社内の問い合わせを効率的に解決するためのツールで、利用者が「企業版LINE」の「LINEWORKS」を通じて欲しい情報を問いかけると、質問の意図を解釈して適切な返答をする。チャットボットには「IBM Watson日本語版」を使っている。
日本でも導入事例が増えてきた、IBM Watson日本語版を使った製品・サービスのひとつです。