はじめに
技術を学ぶとき、知識だけでなく実際に手を動かして体験することが重要です。
VPSを用いた実習形式のカリキュラムについて紹介します。
目的は、「体験と座学を組み合わせることで、実践力を養う」ことです。
お題
2024年度は、ネットワーク周りの解像度を高める目的でこのようなお題を出しました。
「VPSに自分のホームページを作成して公開する」
お題に含まれる実習内容の概要
おおまかに、以下のステップを通じて学びを深めていくことができます。
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VPSをレンタルする
VPSを選ぶ際、事前に便利な設定が施されていない「素のサーバー」を選びます。
例えば、ファイアウォールの設定やSSL証明書の自動インストールが最初から有効になっているものは避けましょう。初期設定を自分で行うことで、セキュリティの基本や設定の仕組みを理解するきっかけになります。 -
サーバーの初期設定を行う
- SSH接続を確立します。この際、認証方式として公開鍵認証を採用し、秘密鍵の強度を高める重要性を学びます。
- root権限ではなく一般ユーザー権限を利用する理由についても理解します。
- ファイアウォールを有効化し、必要なポートのみを開ける設定を行います。加えて、パスワードログインの禁止など、基本的なセキュリティ対策を施します。
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HTTPサーバーの構築と公開
- HTTPサーバーをインストールし、設定を行います。
- ローカルで作成したHTMLファイルをサーバーにアップロードし、自分のページを公開します。
- HTTPS接続を有効にするため、SSL証明書の取得と設定を行います。
- 独自ドメインを取得し、DNS設定を行います。
座学との連動
実習を進める中で、「なぜその手順を行うのか」「どうしてこの設定が必要なのか」を書籍から学びます。
たとえば以下の書籍が役立ちました。
カリキュラム設計のポイント
同じ内容でも異なるアプローチで取り組むことで、深い理解が得られます。
たとえば、一周目はApacheでHTTPサーバーを構築し、二周目はNginxで同様の作業を行う、といったバリエーションを取り入れることができます。
今年はUbuntu OSでこのカリキュラムをおこないましたが、OSを変えてみるというのも面白いかも知れませんね。
実践型カリキュラムの価値
体験を通じて得た知識は、実務でも役立ちます。
座学のみでは得られない「実際に使えるスキル」が身につきます。
またこれはチャレンジ中の話になりますが、組織内でカリキュラムを内製化することで、実務の実態にフィットした内容へアップデートし続けることができると考えています。今後も他社のプログラミングスクールや研修内容を参考にしつつ、自分たちに合った形で進化させていきたいと思います!
参考