研修コーチとしての第一歩 - ケアとキュアの視点から
このアドベントカレンダーの概要にも書いたように、2024年の4月、まっさらな状態から若手の育成に関わるなかで自分自身も学びが多い1年になりました。
コーチとしてゼロから歩みを始めたときはとにかく若手の能力を伸ばさなくては!という使命感のなかでカリキュラムを考え、進捗を管理し、コードレビューしたりしました。
このアドベントカレンダーに書いてきたように、基礎的な部分からのスタートでした。
短期的にぐっと伸びるときもあれば、なかなか思うようにいかない日もあり、教えかたや伝え方が悪いのかもしれないと考えはじめ、どうにかして解決の糸口をみつけたいと思っていたときにザッソウラジオ#97を聴き、コーチの考え方も「ケア」と「キュア」に分けてみると腹落ちするかもしれない。 と考えました。
ケアとキュアの定義をここでは以下のように定義します。
- ケア:寄り添い、相手の状態を支えながら前進を見守る
- キュア:問題を直接解決する
育成において重要なのは、すぐに答えを与える「キュア」ではなく、本人が考え、試行錯誤する余地を残す「ケア」の姿勢である。
この観点をもとに、短期的に伸び悩んでいることに一喜一憂するのではなく、伝え方を工夫する、一晩寝かせる、別のアプローチでやってみるなど、相手の状態に応じた振る舞いを変えていけるようになりました。
新人が直面する課題は、多くの場合、その人自身が乗り越えるべき「学びの瞬間」 です。コーチとしての役割は、その課題を解決してあげることではなく、自分で解決する力を育むためのサポートを提供すること。
たとえば、質問を投げかけて考えを深めてもらったり、小さな成功体験を積む機会をつくることがそれに当たります。
はじめは「教えたほうが早いのでは」と感じることもありました。しかし、短期的な効率を追求することで長期的な成長の芽を摘んでしまう気がしました。本質は「本人が自分で立ち上がる力をつけること」に向かっていくべきだなと感じます。
ふりかえると、もっとあれをすればこれをすればと思うことばかりですが、ケアの姿勢を大切にしながら、学ぶ喜びをいっしょに共有できる関係を築いていきたいと考えられるようになったのは大きな気づきでした。
これが真の成長を支えるコーチングだ、と言い切れるほどにはまだ到達していませんが、これまでの経験で学んだことを活かしていければ来年もおもしろそうな1年になりそうです!
おしまい。