RDS は、クラウド上でリレーショナルデータベースのセットアップ、運用、スケーリングを簡単にするマネージドサービスです。このサービスはセキュリティ、パフォーマンス、メンテナンスの面で多くの利点を提供しますが、適切な運用にはデータベースエンジンのアップグレードとオペレーティングシステムのアップデートの理解が不可欠です。
データベースエンジンのアップグレード
データベースアップグレードは、RDS インスタンスが使用するデータベースエンジンのバージョンを新しいものに更新するプロセスです。これには、セキュリティ修正、新機能、パフォーマンス改善などが含まれることがあります。アップグレードには 2 種類あります。
以下、公式ドキュメントから引用します。 [1]
マイナーアップグレード
マイナーバージョンのアップグレードには、既存のアプリケーションとの下位互換性がある変更のみが含まれます。
メジャーアップグレード
メジャーエンジンバージョンのアップグレードは、既存のアプリケーションと互換性のない変更を導入する場合があります。
オペレーティングシステムのアップデート
オペレーティングシステム(OS)のアップデートは、RDS インスタンスを支える基盤となる OS にパッチを適用することを指します。これには、セキュリティパッチ、バグ修正、システムの安定性向上が含まれます。OS のアップデートは、システムの脆弱性を減らし、全体的なセキュリティを向上させるために重要です。
こちらのアップデートも 2 種類あります。公式ドキュメントから引用します。[2]
オペレーティングシステムのディストリビューションのアップグレード
サポートされている最新のメジャーバージョンの Amazon Linux への移行に使用します。保留中のメンテナンスアクションの説明は
New Operating System upgrade is available
です。
オペレーティングシステムパッチ
さまざまなセキュリティ修正を適用するために使用され、場合によってはデータベースのパフォーマンスを向上させるために使用されます。保留中のメンテナンスアクションの説明は
New Operating System patch is available
です。
影響の範囲
データベースアップグレードはアプリケーションの互換性に影響を与える可能性があります。
一方、OS アップデートは通常、アプリケーションレベルでの変更を必要としません。
ベストプラクティス
- 計画とテスト:大きな変更を実施する前に、変更がアプリケーションに与える影響を理解し、適切なテストを行うことが重要です
- メンテナンスウィンドウの活用:影響を最小限に抑えるために、アップグレードやアップデートをメンテナンスウィンドウ中に計画します
- 自動アップデートの検討:RDS はマイナーアップグレードを自動的に適用するオプションを提供しますが、メジャーアップグレードとOSアップデートには手動で対応する必要があります
結論
RDS のデータベースアップグレードと OS アップデートは、インスタンスの健全性とセキュリティを維持するために重要です。これらのプロセスを正しく理解し、適切に管理することで、アプリケーションの安定性とパフォーマンスを最大限に高めることができます。
参考資料
[1] DB インスタンスのエンジンバージョンのアップグレード
[2] Amazon Aurora DB クラスターのメンテナンス