プロダクトマネジャーの思考プロセス
多くのプロダクトマネジャーにとって望ましいと考えられる思考プロセスは以下の通り。
Who→Why→What→How
誰に(Who)、どんな価値を届けるか(Why)、そのために何を(What)、どうやるか(How)の順で考える。
Who+Why=Valueと考えるとわかりやすい。「誰にどんな価値を届けるか」はプロダクトマネジメントを行うにあたりよく立ち戻るスタート地点のようなところ。
もちろん、プロダクトはNice to haveではなくMust haveなものが良いし、尻に火がついたような状況を解決してくれるプロダクトであれば飛ぶように売れるだろう。
大事なのは、実際に誰かの身の上に起きている問題を扱うこと。実際には存在しない空想上のニーズに応えるプロダクトを作っても誰も買ってくれない。
プロダクトが売れないときはWhoとWhyが確実かをレビューすると良い。
立場による思考プロセスの違い
ある日、働く人の立場によって思考プロセスが大きく異なることに気がついたので、備忘録も兼ねて典型的なものをまとめてみた。
一般的マネジャー
Why→What→How
何のために何をどうやるかの順で考える。
多くの場合、Whyは現実に起きている問題の解決となる。
マネジャーは日々の問題解決に忙しい。
投資家・経営者
Money→What→How
稼ぐために何をどうやるかを考える。
「一般的マネジャー」のWhyの部分がMoneyになる。
プロダクトマネジャー
Who→Why→What→How
冒頭に記述の通り。
誰にどんな価値を届けるか、そのために何をどうやるかの順で考える。
思考の起点は「ターゲットの特定(Who)」となる事が多い。
エンジニア
How→What→Why
技術で何ができるか、それが何に役立つかの順で考える。
起点がHowのため、最後のWhyの部分に拡大解釈が持ち込まれやすい。
「これってもしかしたらすごくニーズがあるんじゃないか?」みたいな。
そういう発想でプロダクトを開発するとよく失敗する。もちろん当たることもある。
エンジニアが一般的マネジャーや投資家・経営者やプロダクトマネジャーにクラスチェンジする際は、思考プロセスを大きく転換する訓練が必要となる。Howを起点に考えるのではなく、WhoやWhyやMoneyを起点に考えられるようになっておくことが大事。