はじめに
データ分析の際に、具体的な「目的」を決めないままに情報を集めたり、分析に入ったりしてしまうと、「何でこれみてるんだっけ?」と、結果として時間をムダにしてしまうことがよくあります。
時間を無駄にしないために、問題解決のプロセスをまとめてみました。
課題とは?
まずは、問題と課題の違いについて理解しましょう。
- 問題: 「現状」 が 「あるべき姿」 になっていない阻害要因・ギャップ
- 課題:問題を解決するためにやること・アクション
課題解決ってよく聞きますけど、誤った表現みたいですね。
自分的には、{仮説をおく&それに対するアクション}を両方合わせて課題定義と捉えるとしっくりきました。
問題解決プロセス
問題解決のプロセスは以下のように分けられます。
- 目標設定
- 現状把握
- 問題(ギャップ)の定義
- 課題の定義(仮説設定&改善策)
- 検証(見積もり&実際に検証)
- 反省
目標を設定しよう
まずは、あなたのサービスの理想や目標を設定しましょう。
例えば、「動画の再生数を伸ばしたい」や、「もっと面白い動画にしたい」などです。
現状を把握しよう
また、目標に対して現在の状態がどうなっているのか、なるべく数値的(KPI)に算出しましょう。たとえ、定性的な話でも何らかの数値に現れているはずなので、なんとか数値に落とし込むと良いでしょう。
例えば、動画再生数が平均100以下であるとか、何かつまらない気がする(定性的な)話であれば笑った回数であるとか。
問題を定義しよう
まずは、大枠の問題を定義しましょう。
これは、目標と現状とのギャップになります。
例えば、動画再生数が目標(200)-現状(100)=100足りないなどです。
仮説(仮の原因)を設定しよう
ただ、大枠の問題だけでは、課題を設定するのが難しいので、問題の原因を深掘りして考えます。
例えば、「動画の告知が少ないため」や、「動画に魅力がないために再生回数が伸びない」などです。
次に、これらの仮説の根拠として、再度現状の把握を行いましょう。
例えば、「現状、動画の告知は動画作成日のみSNSで発信している」などです。
動画の魅力についてはなかなか難しいですが、例えば、「無音の時間が50%である」や、「笑った回数1回」みたいなことですかね。
ちなみに、とりあえずデータを眺めてみて仮説を設定することも可能ですが、これは初心者には難度が高いと思っております。
ですので、できる限りデータを分析する際は前もって仮説を立てておきましょう。(目的と捉えていただいてもOK)
また、仮説自体を、実行したら良さそうな改善策のこととして捉えることも可能です。
ただ、その場合、実際に試してみて効果があったorなかったといった議論しかできない気がします。(順序次第か)
改善策を考えよう
では、仮説に対するアクションを設定しましょう。
これは、仮説を否定するようにすればOKです。この時、予め数値的に仮説をおいておくことで、よりスムーズにアクションの設定が可能です。
例えば、「1日1回動画の告知を行う」や、「無音の時間を10%にする」などです。
ただ、何日おきに告知するのがベストかを判断するのはなかなか難しいですが、データ分析の結果とコストから決定するのが良いでしょう。
課題の効果を見積もろう
課題の定義(仮説設定&改善策)は複数パターンあることが多いと思います。
そこで、優先順位をつけるためや、実際の検証時の目安にするために、課題の効果を推定しましょう。
いわゆるオフライン実験というやつです。
これは、過去の事例やデータから、課題の効果量を測定することができます。
例えば、とあるyoutuberは毎日、動画の告知をしており、再生回数が1000回程度でした。また、別のyoutuberは10日に1回の告知で、再生回数が200回程度でした。
自分は大体20日に1回、動画の告知をしており、再生数が100回なので、1日1回動画の告知(課題を実行)を行った場合、10倍〜20倍の再生数が見込めるでしょう。
もちろん、動画の質やSNSのフォロワー数など多くの条件が異なっているでしょうから、そう上手くはいかないと思いますが、目安として使う分には、非常に有益です。
また、このような試算をする際には、なるべく対象の変数(今回だと、告知回数)以外の条件が同じになるようにするのがベストです。
めんどくさいなぁ、と思った方には、ビッグデータと機械学習をおすすめします。よかったら勉強してみてください。
課題を実行しよう
では、実際に課題を検証しましょう。
いわゆるオンライン実験というやつです。
これは、粛々と進めるしかないですね。
実際のところ、オフラインとオンラインで同じ環境になることは稀です。
例えば、季節要因であったり、時事ネタであったり、人の心が絡んでくるものは特に難しいです。(ビジネスに人が絡まないことはない)
ですので、オフライン実験は難しいようであればSkipしてもいいと思います。
結果と反省
さて、仮説をおき、課題を定義・実行した結果を集計しましょう。
例えば、宣伝を毎日行うようにして、再生回数が300回に伸びました。一方で、見積もりの10倍には届きませんでした。
このように、良くも悪くも反省点があると思いますので、次の小問題としてストックしておくのが良いでしょう。
最後に
問題解決プロセスの中で最も重要なのは、問題に対する仮説の細分化だと思います。
なるべく細かく仮説をおくことで、データ分析の焦点が絞りやすくなり、その効率化が見込めます。
また、一つの仮説に対して、1~3つ程度のデータで根拠を示せると、スマートでしょう。
さぁ、限られたリソースの中で、最大限のパフォーマンスを発揮していきましょう!!
参考
「問題」 と 「課題」 の違いを言えますか?問題を正しく捉えるための手順
問題と課題の違い【改善活動の基礎講座-カイゼンの基本編:第3章】
正しいデータ分析の手順とは?成果につながる5つのステップ
分析を始める前に目標から課題を抽出しデータをマッピングする【条件2】
問題解決は課題設定能力が9割