はじめに
遅れてすみません。u_kubota と申します。
勢いでAdventCalendarに登録したのに、投稿当日になったらモチベーションがダダ下がって、今日に至りました。。。。
去年はOSMの方に登録したところ、ポエムみたいな文章になったため、Qiitaの運営サイドから非公開にされてしまいましたorz
が、私が何を書くか楽しみにしている人もいたらしいので、遅ればせながら投稿することにしました。
※実はFOSS4GのAdventCalenderへの投稿は2度目です。
今更ながら自己紹介
OSMのヘビーマッパーとしてのほうが名が通っているしがないOLです。ちょくちょくマッピングの講習会をやって、マッパーの育成をしていたりもします。昼間の仕事(?)はGISの教育サービスに従事しています。かれこれ10年ほどGIS業界にいて、一度転職もしたり、数回の異動を経験しましたが、気がついたら教育系のお仕事をしていることが多いです。
どうやら向いているのか?それとも他に向いた仕事がないのかもしれません。でも、お客さんと一緒に共に学び、共に成長していくのは楽しいことではあります。
具体的には、トレーニングとかサポート、コンサルティング(活用支援)などです。そこまでスキルは高くないですが、ソフトいじりは好き(というかソフトで使い方が不明点があると気持ち悪いので徹底的に調べたがる)なので、どちらかといえばソフトの使い方を教えることばかりやってます。。。
テーマの選定理由
まぁ10年もGISをやっていると、私みたいなのでもそれなりの成長はします。しかし、GISのイベントに言って話を聞くとまだGISの人材育成をテーマに議論していることが多いです。
そして私の仕事の方では今、自社製品のサポートをしているんですが、問い合わせ状況を見る限り、わりと初歩的なところで躓いておられるところが多いように思えます。他のGISソフトの講習に潜入したこともあるんですが、そこでも似たり寄ったりですね。
早速本題。GISってなぜ難しいの?
業務の脇役だから
端的に言うと、GISは**「道具」**だと思っています。だって、GISを使いこなすことが業務の目的になることはそんなにないです。
あえて業務の目的に近いことを挙げるとしたら、地図を作成して公開することかと思います。が、ただ地図を作って公開しても、それで終わりってことはまずありえません。(そうだとしても、おそらくギャラが安いだろうかと・・・)
たいていGISソフトが持っている機能から考えると、位置情報のビジュアライズをしたり解析・集計して、ユーザの業務プロセスを支援することが本来の目的かと思います。地図描いて公開するだけなら、マッピングソフトかドローイングソフトだけで間に合うかも?
使用頻度が低いから
GISは他のソフトと違って相対的に使用頻度が少ないかと思います。GISのベンダーや地図製作会社、特定組織のGIS担当者、GISの研究者を除いては、毎日のように使用する人ってそんなにいないのではないでしょうか。
GISユーザによっては、データを他の形式に変換することにしか使わなかったりとか。
座標系とか測地系とか
GISの基礎の基礎に座標系とか測地系のことがあります。地理学とか測量とかの知識があったらそこまで抵抗ないかもしれませんが、そうでない人は大抵理解に苦しみます。教え方次第では誤解を招き、それが正しく設定されていないデータを作られることもしばしばです。
簡単にいえば、座標系や測地系を「設定」するのと「変換」することの違いとか意義がわかっていないと駄目なのです。
そんな理解が難しいのが基礎の段階に出てきたら、そりゃぁ、GISは難しい、敷居が高いもんだと思いますよね・・・
OSMのマッピング教える時はこれを教える必要がないので、だいぶ楽に思えますw
GIS用語に、ソフト固有の用語がたくさん
GISは半端なく横文字多いです。それが画面上やヘルプ、ドキュメントに出てくるので、使わざるを得ません。
そして、ユーザさんもその用語を覚えないと、自分が困っていることを正確に相談することができません。
たまにしか使わない人にとっては、脳みそにそれらを収納するのは大変でしょう。
日本でよく使われるGISソフトのほとんどは日本純正のものでなく、日本語にローカライズして使うことになるんですが、たいていは英語をカナ読みにした用語が割り当てられちゃいます。
結論:そんなにヘビーに使うもんでないのに、簡単に扱えない!
最後に
そんな難しいGISでも、ユーザさんの数は着実に増え始めていると思います。それはGISの需要があるためでもあるし、FOSS4G や OSM のような「フリーで使える」ソフトやマップ、サービスの活躍に因るところもあるでしょう。
だからいろんな人がGISを学ぼうとし、その度にセミナー講師など教え手が悪戦苦闘するのです。
GISは脇役なので、短時間で習得できるものでなければ好んで使ってもらえません。でないと、業務が効率化できるというITの魅力の恩恵を受けることができないからです。
手っ取り早く理解してもらうノウハウはある程度持っているんですが、ちょっと疲れてきたのでここいらで止めます。
続きは来年かな。。。
後味悪いですが、皆さん、良いお年をお迎え下さい。